国会はかつて学歴不問の“職場”だった。猛獣もいれば、猛獣使いもいた。いま、石を投げれば世襲議員に当たるようになり、海外留学でハクを付けた高学歴の職場に変わったが、果たして「人材の宝庫」になったのかどうか。(2)

  • 2018.02.13 Tuesday
  • 17:04

 

<権力亡者による三つ巴の抗争

・ことの真相は知らないが、田中退陣の引き金となった「文藝春秋」掲載の「田中角栄研究」について、当時、三木・福田の謀略だとの説があった。少なくとも、田中さんはそう思い込んでいた。

 

毎朝8時半から勉強している国会議員もいる

・通常、自民党議員の1日の仕事は、午前8時半、東京・永田町にある自民党本部での朝食会からはじまる。議員はすべて自分の専門分野をもち、党内のそれぞれの専門部会に所属している。

 

<選挙に勝つ家>

・余談になるが、政治家の家の建て方というものがあるんですよ。この建て方が選挙の結果にも大きく影響してくるから、無視できない。

 政治家にとって、自分の家は、生活の場であるとともに、政治活動の場でもある。そこで、政治家の家にまず不可欠なものは、50人から百人が集まれる大広間だ。だから、政治家が家を建てるとなれば、まず子供部屋は犠牲にしても、50人以上入れる大広間を中心に考える。

 次に気をつかうのが、台所だ。50人、百人の人間にお茶を出したり、夜食をつくったりするためには、それなりの広さがなければならない。

 次が書生部屋。将来有望な青年を育てていくのも、政治家の義務である。書生の3人や4人、常時手もとに置いていないようでは、政治家とはいえない。

 

<権力欲への度が過ぎて>

確かに、あれだけの才能をもった政治家が、一挙に総理大臣の座に駆け登りながら、「文藝春秋」という1冊の月刊誌に載ったたった1本の記事(立花隆「田中角栄研究――その金脈と人脈」)をきっかけに退陣を余儀なくされた。当人とすれば、さぞや不完全燃焼の感が強かっただろう。

 それだけに、政権の座から下りたあとも、田中さんはなお権力に執着した。いや、ますます権力に妄執した。

 

<大学に入って芋づくり

・しかし、母も一緒になってすすめることでもあり、まあ、東京に出るのも悪くはないと思い、日本大学農獣医学部拓殖科へ入学した。

 入学してはみたものの、「いずくんぞ勉学ありや」とスネていたところだから、もちろん満足に大学なんかには行かない。第一、大学で教えていたのは、毎日、水道橋の校舎から大学の農園に行って、芋づくりばかり。

 芋をつくるぐらいなら、なにも学校へ行かなくたっていい、家でもやれると思って、早々に中退してしまった。

 

<賭場通いの日々>

・人生の目標なんてものは、微塵もない。10代の終わりごろから、20代の半ばごろまでは、不良少年、チンピラの時代だった。

 とにかく、一時はものすごくグレてグレて、本格的な不良というか、いっぱしの遊び人で、ほとんどヤケッパチで生きていたようなものだった。

 ヤミ市で本物のヤクザと大立ちまわりをしたり、それが縁で、そのスジの連中とも仲良くなったり、はたまた賭場に出入りしたり……。

 

<3畳の畳の上で>

・結局、グレていたころの前歴がわざわいして、料理屋荒らしまで私の仕業であるかのように報道されてしまったが、実際は以上のような経緯なのである。

 ただ、いまでも忘れられないのは、私が逮捕されたとき、町の青年団の仲間たちが、そんなどうしようもない私のために、釈放の嘆願までしてくれたことだ。

 また、私が起訴されたとき、母は少しでも私の刑が軽くなるようにと、あちこち金策に駆けまわって、高い弁護料を工面し、木更津でもっとも有名な弁護士を頼んでくれた。

 獄中にあって、懲役でやらされたのは、味噌や醤油をつくることだった。毎朝早くから、1日に96本のタライを洗い、桶を洗う。麹と塩を混ぜるのは、みな手作業であった。

 

<稲川会長の紹介で児玉誉士夫のもとへ

・私は稲川会の稲川角二会長と、私より4歳年上で、のちに稲川会2代目会長になる石井進さんにも、いろいろご面倒をかけ、お世話になっていた。

 若気のいたりで、私が世をスネて、ヤクザの世界でしか生きていいく道はないなどと思っていたときに、「お前のような意気地なしには、任侠はつとまらない。お前は政治の道に進め」と諭してくれたのが、稲川会長である。石井さんはそのころから、「これからは愚連隊ではダメだ」と口癖のように言っていた。

 

・それはともかくとして、昭和35年当時、稲川会長は児玉さんに心酔しているところがあった。そこで、私が国会議員選初挑戦に敗れたとき、国会議員を目ざすのなら、少し児玉さんのもとで勉強でもしてみたらどうかと、すすめられたのである。

 

児玉邸に出入りしていた実力者たち

・児玉さんのところに行って、まずやらされたのは、下足番と電話番。だから、当時、政治家の誰と誰が児玉さんのところに出入りしていたか。みな知っている。

 たとえば、自民党総裁の河野洋平さんのお父さんである河野一郎さんや、当時、河野派のホープだった中曽根康弘さんからの電話を取り次いだこともありますよ。

 とにかく、当時の政財界に対して、児玉さんは睨みをきかせていた。政財界の実力者たちは、児玉さんに対して驚くほど腰が低かった。文字どおり、「三顧の礼」を尽くしていた。

 

 <●●インターネット情報から●●>

ウィキペディアWikipedia(フリー百科事典)より引用。

「中川一郎」

自殺説と他殺説

 

その死にはいくつかの疑問点があるとして、今もって議論されることがある。

 

遺書もなく、また急ぐように2日後には火葬したことや、死因の変更などでにわかに「他殺説」が浮上した。直前、中川は当時第一秘書だった鈴木宗男と口論した噂はあるが、根拠はない。中川の秘書から北海道選挙区選出参議院議員となった高木正明が、本人の名誉を考え早急の火葬を行う指示を行ったとされる。他殺説は事実無根として、鈴木をはじめ関係者一同が抗議している。

 

内藤國夫 1985, p. 251によると、

「中川一郎突然死のあと、巷に流れ出た“噂話”には、さまざまなものがあった。ソ連の対日工作員レフチェンコから中川一郎が巨額な政治献金を受け取っていたのを、中曽根・後藤田ラインに知られ、暴露するぞと脅され、悩んでいたとの話に始まり、総裁選で膨大な金を使いすぎ借金返済に困窮していた、ソ連のKGBに謀殺された、ニュージーランド沖のイカ漁や韓国の水産関係者との利権を“角筋”によって絶たれた、さらには、総裁選挙後に“肝臓ガン”を告げられ悩んでいた等々などが主なものである。いずれも根拠のない、無責任な“噂話”ばかりである」

という。

 

なお、2010年10月に鈴木宗男は、中川が1975年7月に世界銀行の招待で南アメリカ諸国を歴訪する出発前日に全日本空輸の藤原経営管理室長と料亭で会食した際に、「餞別」として100万円を受け取ったこと、さらに後の東京地検特捜部による「ロッキード事件」の「全日空ルート」の捜査の過程でこのことが明らかになり、1976年8月に特捜部からの事情聴取を受けていたことを、月刊誌『新潮45』の記事で証言している。鈴木は、このことを後の1982年に福田赳夫に追及されたことが自殺の原因となったとも記しているが、これに対しては中川の妻の貞子が否定している。

 

中川の死から5日後の1983年1月14日、東京のソ連大使館からモスクワに宛てたKGBの暗号電報に、ソ連のスパイであり、テレビ朝日専務だった三浦甲子二の話として「中川は明らかに他殺だ。CIAの手先に消された」と記されていたことが明らかになっている。ほか、「鈴木はCIAと結託して中川を収賄疑惑に引き込んだ」との記述も確認されている。

 

自殺の原因としては、「しゃにむにニューリーダーの一角に割り込み、13人の少人数ではあるものの、自民党に自分の派閥を作り上げて総裁候補にまでのし上がった。その過程で、人間関係や政治資金などで相当の無理をしており、その心身の疲労が自殺という形で爆発してしまった。」というのが定説である。

 

 

 

『世襲格差社会』 機会は不平等なのか

橋本俊詔 参鍋篤司   中公新書  2016/5/18

 

 

 

<二極化する世襲は、日本に何をもたらすのか!?

・医師、農家、政治家などの職業はいかに継承されているのか。世襲を通して、日本の不平等を考える。

 

<医師の世界における世襲>

・日本において世襲の数が多いのは、前章で見た農家と商家であろう。だが、世襲の意味を際立たせているのは医師である、と言ってよい。

日本の医師の数は2008年度で28万6699人(男性23万4702人、女性5万1997人)である。ついでながら人口10万人あたりの医師の数は200人強であり、先進国の中では非常に低い数となっている。この日本の医師の子どもは、どれほどが医師になっているのだろうか。

 

・医師のうち約25%以上が医師の父親をもっていた。そして、その中でも父親と同じ診療科なのは全体の約15%である。つまり、60%前後が同じ診療科を引き継いでいるのである。ついでながら90%が息子であり、そして60%が長子であるために、大半は男性医師の長男が世襲していることがわかる。医師のうち開業医は25%ほどなので、それほど多い数字ではないかという解釈も可能である。

 

・ところで、医師には病院で医師の仕事をする勤務医の形態がある。日本の医師のうち約60%が勤務医である。

 

<医学生の過半数は医師の子ども>

・国立大学医学部に在籍する学生の親の職業が医師である比率は、大学によって差があるので30%から60%、私立大学医学部に在籍する学生にあっては、それは50%から90%の範囲にある。

 

<女性医師の増加>

・医師は現時点で男性23万人、女性5万人の性比である。およそ18%が女医だが、その数はこれから急増が予想されている。なぜなら大学の医学部で学ぶ女子学生の比率は約3分の1に達しており、今後の医師の世界では女医の目立つ時代になることは確実である。

 

<司法の世界>

・親子ともに法曹人である比率を示す数字はない。ただ、かなり信頼性のある資料からそれを類推できる。日本弁護士連合会が発行している『自由と正義』という文献(2011年発行)では、弁護士である人の父母が同じく弁護士である比率は6.4%、おじ・おばが2.9%、おい・めいが1.9%と報告されている。親族の比率は10〜11%だ。医師と比較するとかなり低い世襲率であることがわかる。

 本来ならば裁判官や検事の世襲率をも視野に入れねばならないが、法曹人では弁護士が圧倒的に多いので、この世襲率で司法の世界を代表させてよいと思われる。

 

日本の国会議員と世襲

日本の国会議員は、いわゆる世襲議員の占める割合が、国際的に見て非常に高いのはよく知られた事実である。

 世襲議員が多いことのデメリットはよく指摘されている。政治を志すさまざまな人間が議員となる機会を奪い、参入障壁を高くする点や、議員にふさわしい能力と意欲を持たないにもかかわらず、世襲によって議員となってしまう点などが議論されている。

 

・しかし、その一方で世襲議員は、ジバン(後援会組織など)・カンバン(知名度など)・カバン(資金管理団体など)のいわゆる「三バン」に恵まれているので、選挙区における冠婚葬祭、地元の行事への出席などに時間を奪われることがなく、本来は国会議員が集中して行うべき、国会における政策論議に集中することができ、政策に詳しくなることができる、という議論もある。

 

・そもそも、政治家のパフォーマンスは、営業利益率などで計測できる類のものではない。また、政治家のパフォーマンスは、その政治家の信念などが一致する評価者から見れば高く、一致しない評価者から見れば低くなるのは当然である。

 

・この定義のもとで、世襲議員が非世襲議員と比べて、どの程度選挙に当選しやすいか、という分析を行うと、世襲1から世襲4(世襲1=3世代にわたる世襲、世襲2=2世代にわたる世襲、世襲3=祖父からの世襲(親は議員ではない)、世襲4=おじからの世襲(親は議員ではない))までが、選挙に有利であることを示した結果となっている。世襲5(親が地方議員・首長)と世襲6(配偶者の親が国会議員)は、非世襲議員と比べてとくに選挙に強いわけではなかった。したがって、本書では、世襲1から世襲4までを世襲議員と定義する。

 そして、この定義による世襲議員は、非世襲議員と比べ、第46回衆議院議員総選挙(2012年)において、小選挙区で当選する確率は37%も高かったのである。

 

<所属政党については、世襲議員は圧倒的に自民党に多いことがわかる

<国会での活動と世襲議員>

・結果は、中央官僚、地方議員、地方公務員・NPO経験者が活発に活動していた。官僚、地方公務員は、現役官僚に負担の大きい主意書を活動手段としてそれほど用いていない一方で、地方議員経験者は大いに活用している。また、次回選挙において、比例で出馬する人は、質問時間・回数が多くなっていることがわかった。

 

しかし、世襲と非世襲議員の活動量の違いはここでもなかった。結果として、世襲議員は、その再選確率は高く、国会活動に割ける時間が相対的に多いと考えられるにもかかわらず、そうした傾向は観察されなかったと言えよう。

 

・ただ、ひとくくりに世襲議員と言っても、その中には活発に活動をしている者もおり、そうでない者も存在する。当然、世襲議員で活動量が多いのはどのような議員なのか、検討が必要となるだろう。

 その結果、世襲の女性議員のパフォーマンスが高くないこと、そして世襲の官僚出身議員のパフォーマンスが高いことを示していた。また、逆にサンプルを非世襲議員に限定して同様の分析を行った時、女性議員のマイナスは消え、官僚出身者のプラスの効果も消える一方、民間企業経営者出身者の効果はマイナスになる傾向が観察されている。

 

活動量の多い議員に投票すべきか

・世襲議員の支配的な現状が維持されることとなれば、「男性中心・官僚中心」といった政治体制が維持されていく可能性がある。そうした政治が今後の日本にとってはたして望ましいものかどうかという観点から、国会議員の世襲についての議論は必要となる。

 

<政治家と世襲>

・政治家となった初代の人の苦労は、大変なものがあるに違いない。それは多くの政治家の証言としても残っている。

 子どもにはそういう地を這いずり回るような経験をさせたくないので、強固な地元の後援会組織を作り上げ、子どもはその神輿に乗るだけ、という状況が大なり小なり出来上がることになる。

 

・また、政治資金団体の相続は、基本的に無課税である。世襲議員は、そうした地元の集票組織が問題のある行いをしていても、それに気づかず(あるいは気づいても素知らぬ顔をして)、東京で教育を受け育ち、学校を卒業したのちも富裕な人々に囲まれ、そして地盤を引き継ぎ、優雅に暮らすことになる。そうした暮らしを続けていくうちに、世の経済格差、地方と東京の格差などについて、鈍感になっていく。

 

・さらに世襲議員の存在は、一般の国民が議員となるのを妨げている側面もある。非世襲議員は、一度落選してしまうと、その後の生活が成り立ちにくい。日本の大企業ではとくに、まだまだ雇用の流動性が低く、選挙に出場するのはかなり大きなリスクをともなう。ましてや、世襲議員が存在する選挙区に参入することのコストはかなり大きく、そのコストは完全に腐敗してしまい、回収することも難しいだろう。

 

・「普通」の人が、国民の代表たる議員になることは、非常に困難な状況であると言ってよいだろう。世襲議員の存在感が増すことは、その結果、世襲議員自体の質が問題となるだけでなく、「非」世襲議員の質を低めてしまうことにつながり、こうした弊害の方がむしろ大きいと言わざるを得ない。

 

世襲の制限を謳った民主党政権の誕生は、こうした状況を変える契機であった。にもかかわらず、その政権運用のまずさや、経済政策や安全保障政策に対する無理解から、国民の信頼を完全に失ってしまった。そのために、世襲の制限といった話題は、国民の一般的な関心から外れてしまっている。

 その結果として、政治への参入障壁の高さは依然として変わらない、あるいはより高くなってしまい、リベラルな意見が反映される機会も大幅に減少することとなった。それが日本へ及ぼす負の影響は、計り知れないものがあると言わざるをえないだろう。

 

 

 

『よい世襲、悪い世襲』

荒 和雄    朝日新聞出版       2009/3/30

 

 

 

<政界の世襲>

<首相は世襲議員でなければなれないの?>

・プロローグでも悪い例として挙げたが、世襲制の中で最近世間に特に注目されている業界が政界である。日本の政治は、世襲政治家、世襲政治一家によって支配されているといっても過言ではない。

 

・麻生太郎首相の祖父は、吉田茂元首相、その前の福田康夫元首相の父は、福田赳夫元首相、そして三代前の安倍晋三元首相の祖父は、岸信介元首相である。このようにみると日本国の首相になるには、これら三人の首相のように祖父あるいは父が首相になった家系に生まれなければ首相になれないという理屈になる。

 

・国の行政の最高責任者の首相が、元首相の家系、さらには内閣を構成する大臣の半数が世襲議員である現状をみれば、現代日本の政治は、表面は近代民主国家ではあるけれども、中身は世襲議員による世襲議員や世襲一族のための世襲政治といわれてもいたしかたない。

 

これでは、口では「国民の目線で政治を変える」といくら唱えても世間一般の常識から大きくかけ離れ、政治は世襲政治一家の論理や常識がまかり通ってしまうことになる。その上、政治家として出世するには「世襲一家出身であること」が大きなキーポイントになっている。

 

<世襲議員の実態>

・図表は、2005年当時(郵政解散後)の衆議院議員の世襲の実態である。

 この数字でみると、自民党は129名と議席数の半分近くを占め、自民党イコール世襲政党のイメージがわく。

 一方民主党を図表でみると25名、全体の22.5%に達している。まさに第一党の自民党、第二党の民主党も世襲議員のオンパレードといったのが実態である。

 

・党の本部・支部の公認を得て、晴れての出馬となるが、他の立候補する新人と違い、世襲議員には、親から引き継いだ強力な「地盤」「看板」「カバン」という基盤がある。これを武器にしての選挙戦となる。

 

<資金管理団体の場合

・今日でも政治家に伴う金銭のトラブルは、毎日のようにマスコミを賑わしている。政治家が政治活動、なかでも選挙活動を行うには膨大な経費がかかるのは多くの人たちは知っているが、健全なる民主主義のために日本では政治資金に関して三つの制度や法律を定めている。

 

 第一は、政党や政治団体などの政治資金の収支の公開や授受等の規正を定めた「政治資金規正法」がある。

 

 第二は、政党助成制度、政党助成法がある。

 

 第三は、政治資金収支報告書・政党交付金使途等報告書の提出の義務付けとその公開がある。

 

<「カバン」の総元締は「資金管理団体」>

・政治家の世襲という面で、問題なのは資金管理団体の世襲であろう。政治家の妻子がそのまま資金管理団体を引き継ぐことは、現行法では認められているものの、世襲以外の政治家あるいはそれを志す立候補者からみると、その引き継ぎは当初から大きなハンディキャップを負うことになり、不利であることは明らかである。

 政治活動の公明と公正を確保しつつ、日本の民主政治の健全なる発展に寄与することを考えれば、この資金管理団体の世襲・引き継ぎに関してはその是非について十分なる議論をすべきものといえよう。

 

特に「悪しき世襲族」の代表格ともいえる政界では「地盤」「看板」「カバン(資金)」の三つの基盤を持った世襲議員が長い間にわたって政府や政党の要職を占めている。一体これで日本の政治は、大きな世界的な変革の潮流の中で生き残れるのか疑問を感じざるを得ない。

 折しも米国では100年に一度あるかないかといわれる大不況の中で、黒人のオバマ大統領が誕生、国民に自分の言葉で「変革」への対応や痛みを熱く呼びかけ、共にこの危機を乗り越え、米国の復活を果たそうと最大限の努力を振り絞っている。こうした米国の政治の果敢なる挑戦への現状をみるにつけ、政治制度の仕組みや国民気質や文化の違いはあれ、日本の政治はあまりにもお粗末、国民の意思を如実に反映したものとは程遠い。その元凶の一つは与野党、特に自民党における世襲議員の多さだ。

 政治に「変革」を望む国民は、新しい発想と果敢な行動力を持ち、人望と政策とを抱えた新しいリーダーの登場を待ち望んでいるが、そこには「世襲」という大きな壁が立ちふさがっている。

 

<事業承継

・しかし、世襲を一概に「悪」と決めつけてしまうものではない。中小企業経営の研究をライフワークとして事業承継等を通じて長年後継者ら若手経営者を指導してきた筆者が、全国の講演活動や現地での指導・相談を通じて特に強く感じたことは、いま地方経済がピンチに陥り、疲弊している現実だ。特に地方都市にある老舗、商店街や地場産業自体が「後継者不足」を理由にM&A(企業の合併・買収)の危機にさらされ、特色のある企業、元気な企業までも東京系の企業に企業買収されている現実である。

 

<世襲のメリット>

1、 長期的視野に立っての引き継ぎと後継者の育成

2、 経営理念、経営信条、家訓など「ハート」の引き継ぎで盤石な世襲を

3、 世襲を支える社史、自分史の編纂で歴史の一頁を伝える

4、 幅広い人脈、支援団体など組織の引き継ぎとバックアップ体制

5、 後を継ぐリーダーが特定、そのため権力闘争や派閥争いとは無縁

6、 世襲者を中心としての社会的な権力・権限・地位の継承

7、 経済基盤や商圏が確立、時には地域経済振興の地位も継承

8、 家名、世襲名を通じてのブランドの浸透

9、 新規事業・新分野への挑戦の余裕

 

<世襲のデメリット>

1、 人材不足、後継者不在の厳しい現実

2、 支配者を代表する世襲者たるリーダーが能力に欠ける場合、被支配者層は常に下流に漂流させられる

3、 世襲者たるリーダーに対する絶対化、偶像化

4、 特定の地位・肩書き・職業を安易に手に入れることへの不公平感、喪失感

5、 組織の論理や掟によって常に守られている

6、 公平なレースに勝ち抜いてきたとする錯覚と驕り

7、 政治家の世襲化は官僚支配の温床か

8、 家名を継ぐことのみ求め、肝心の「志」や「成果」は二の次

 

・改めて「世襲力」を見直して、よき世襲はさらに伸ばし、悪しき世襲はこれを廃止する、また廃止させるを得ない事態に追い込まれることを世襲者は考え直すべきであろう。

 

<いまこそ「世襲力」の結集を>

・次に企業経営者を中心として「世襲力」を13の要因にしてみよう。

 

1、 兆戦力

2、 家族力

3、 地域力

4、 特定の地位、肩書き、権力、権限の継承

5、 誇り高き由緒ある家名、家訓の継承。それに伴う周囲の尊敬と尊拝

6、 社会のリード役としての誇りと名誉。それに伴う重い責任と義務の自覚

7、 後継者の選択と教育に関しての「ゆとり」のある計画とその実施

8、 有事に役立つ「ピンチ」を「チャンス」に変える最高の英知たる「経営信条・理念」「家訓」の継承

9、 創業家・世襲家中心の結束力、一段と強固な閨閥作り

10、 官庁、業界団体、金融機関、取引先等の「信用」と「信頼」の継承

11、 「ブランド」「暖簾」「家名」一体化による長期間にわたる固定客の確保、安定

12、 豊かな財産、資産の継承による上流社会の生活の維持と安定

13、 「家名」などの信頼から人的ネットワークの構築が安易

 

 

 

『日本政治のウラのウラ』   証言・政界50

森喜朗  田原総一朗    講談社   2013/12/10

 

 

 

<ラグビー部退部>

・ラグビー部を退部する以上、大学も辞めなければいけないと思って、大西鉄之祐監督のところに行きました。「ラグビー部を辞めますから、大学も辞めます」と言ったら、「バカヤローッ」と言われて、ぶん殴られそうになってさあ(笑)。その時、大西先生はぼくにこう言ったんだよ。

「オマエなあ。何を考えているんだ。ラグビーを何だと思っているんだ。ラグビーはなあ、人生の目的じゃないぞ。手段にすぎない。だから、ラグビーがダメだと思うなら、大学で他のことをしっかり学べ。そして、何か大きなことを成し遂げてラグビー部の連中を見返してやれ。大学を辞める必要なんてないから、そうやってラグビーに恩返ししろ。それだけ、きみに言っておく」

 

<早大雄弁会>

・「あのなあ、早稲田の雄弁会は永井柳太郎先生が作った会なんだよ」

 

――石川県が生んだ大政治家の永井柳太郎ね。

 

森 早稲田大学の創立者である大隈重信も仲間で、永井先生が雄弁会を作ったんですね。横山さんに「だから、石川県人は雄弁会に入る義務がある」(笑)と言われて。ぼくも納得したわけです。雄弁会には、石川県人が結構多いんですよ。それで、「雄弁会の役員に知り合いがいる。紹介してやるから明日会ってみな」と言われて、その人に会って話を聞きました。「どうしようかなあ」とまだ迷っていたんだけど、幹事長が面接するというんで第一学生会館の部室に行ったんですよ。「偉い人が出てくるのかな」と思ったら、青白い顔をした小柄な男が出てきました。それが、後に文部大臣や参議院議長を歴任する西岡武夫さんですよ。

 

――西岡さんは森さんより年上ですか。

 

森 ふたつ上です。喘息持ちでね。「森さんって、あなた? ゴホンゴホン。まあ、しっかりやんなさい。ゴホンゴホン」(笑)と言うので、「こんな方がキャプテン(幹事長)をできるなら(笑)、オレもやれるだろう」と思って雄弁会に入ったんですよ。

 

・――森さんは雄弁会に入って政治志向になるのに、代議士秘書にならずに産経新聞の記者になった。これはどうしてですか。

 

森 いや。新聞記者になりたかったんだ。

 

――政治家じゃない?

 

森 政治家になることがいかに大変かを雄弁会の先輩たちから教わったからね。

 

――どう大変なんですか。

 

森 「森くん、地元の政治家の秘書になったら絶対にいかん。もしなったら、つかえている代議士と戦わなければならないからダメだ」とOBの藤波孝生さんが教えてくれたんだね。彼も自分の地元の三重県津市に近い伊勢の代議士の秘書をやっていました。

 

・森 よく世襲が批判されるけれど、詰まるところ、足の引っ張り合いの結果なんだね。自分が出る勇気はないが、あいつをならせたくもないということになると、代議士の息子が出るしかないんです。息子が出れば「まあ、しょうがないか」ということで収まる。だから、よっぽどのことがないかぎり、秘書まで順番が回って来ないわけです。

  藤波さんの場合は、秘書をやった後、県議会議員をしていましたが、親分の代議士が立派な人で藤波さんに禅譲したんです。これは、珍しいケースですね。

 

・森 うちのおやじは田舎町の町長で絶対的な地盤があるわけではなく、金もなかったから政治家になるには秘書になるしかなかったけれども、そういう先輩たちを見ていて、地元の代議士の秘書になるのはまずいと思ってね。そうすると、政治に携わっていて、政治家になれる可能性があるのは新聞記者ですよ。それで、記者になろうと思った。

 

――本当は政治家の秘書になりたかったけれど、先輩たちを見ているかぎり、秘書になっても代議士になれる可能性は少ないと。それなら、政治とも関係のある新聞記者になろうということね。

 

・――こう言っちゃ悪いけど、森さんは産経も早稲田も試験を受けずに入ったわけね。

 

森 早稲田の試験は受けてますよ。運動部の推薦があったんですよ。

 

――試験を一応、受けている?

 

森 そら、ちゃんと試験を受けていますよ。多少は下駄を履かせてくれたと思うけどね。日経新聞の「私の履歴書」でも、ぼくが勉強もしないで入学したということになっていて、大学が大騒ぎした(爆笑)。投書や問い合わせがたくさん来て「森さんはスポーツで入ったんだろう。それなら、うちの孫もぜひ、そうしてもらえんか」(笑)と。

 

 <代議士秘書>

・――それで、日本工業新聞の記者から、あんなに嫌がっていた代議士秘書になりますね。

 

森 井関農機の創業者である井関邦三郎社長が、愛媛県三区選出の今松治郎代議士と小学校の同級生でね。今松さんは東京大学を卒業して内務省の官僚になり、政治家に転身した人ですが、たまたま秘書が辞めることになった。それで、井関専務から「森くん、今松先生の手伝いをやってくれないか」と誘われたんです。「秘書にだけは絶対にならないようにしよう」と思って行ったんだけど、結局、秘書になることになった。

 

・森 そりゃ、そうですよ。前から「そういうことをやっちゃいかん」と言われていたわけだからね。それで、秘書になってしばらくしたら、今松さんが亡くなったんです。そうしたら、地元の支持者たちが大挙して上京してきて、みんなが私に「選挙に出ろ」と言う分け。だけど、ぼくはこんなところでは選挙は絶対にできないと思った。

 

――それは、どうしてですか。

 

森 とにかく金がかかる。金が平然と飛び交うんだね。

 

――どういうことに金がかかるんですか。

 

森 直接、有権者に渡しちゃうのよ。

 

・森 辺境にある田舎町にはそういうところが多かったんですね。愛媛三区というのはね、金に問題のある人ばっかりだった。田原さん、ご存知かなあ。バナナ事業を起こした大和の毛利松平、日大の理事などをやっていた高橋英吉。この人は事務所に「日大受験の方はご相談に応じます」(爆笑)と書いてあったからね。「オレは、50人から入れる枠を持っている」と豪語していましたけど、50人の相手から御礼をもらったら結構な額になるでしょう。そういう時代ですよ。それから、早大雄弁会の先輩の阿部喜元。

 とにかく、金を使う人ばかりでね。今松さんが落選するのも無理ないんですよ。金はない。演説は下手。見栄えもしない(笑)それでも内務省警保局長という肩書で代議士になったわけですな。そんな選挙区で出馬しても、金がないのだから勝ち目がないじゃないですか。だから、ここで出るのなら、地元の石川県で出てやろうと思ったんです。

 

<出馬した理由>

・森 自分たちの自己満足のために出馬する政治家を選んでいましたからね。だから、元知事とか元市長とか、元県幹部とか、そんなのばっかり出してね。政治家に対する尊敬もなく、長老の県議会議員どもが勝手なことをしていたのが、ぼくには我慢ならなかった。

 

・森 ぼくが幸運だったのは、やっぱり小さな田舎町といえども、親父が町長として有名だったことです。何しろ、9期にわたって無投票当選なんです。当選回数なら10回以上の首長がいるけれど、9回の選挙が全部、無投票だった町長はちょっといないでしょう。

 

<いきなり出馬宣言>

<岸信介元総理来る!>

――それで、新幹線と北陸本線を乗り継いで石川県にやって来たわけだ。

 

森 新聞記者に「いいんですか。元総理が非公認候補の応援に来て」と質問された時、岸さんは「いや、私は、事情はわからない。しかし、森くんは東京では大変必要な人物だ。こういう人に国会に来てもらわないと、自民党の将来も、明日の日本もない」なんてことをおっしゃってね。4〜5ヵ所で応援演説をしてくれました。

 

――そんなに演説をしたんですか。

 

森 夕方の列車で小松駅から米原に向かったのだけど、ぼくは親父とふたりで小松駅のホームで見送りました。「最後まで、ありがとうございました」と言ってね。岸先生が乗った列車に向かって、赤いテールランプが見えなくなるまで、何度も何度も頭を下げて見送ったんです。

 

<代議士誕生>

・森 公示2日前のことです。地域を回って夜遅く零時すぎに自宅に帰って来ると、親父から家族、親戚一党がみんな揃っているんですよ。シーンと静まり返ってね。「おっ、どうしたのかな」と思ったら「座れ」と言われて「もう降りろ。親戚中、迷惑している」と言うんだな。

 

――親戚がみんな「降りろ」と言ってきたわけだ。

 

森 親父がね、「今までのことはしょうがない、息子がやったことだから親が責任を持つ。しかし、もう金がないだろう。もう精一杯やったから、ここで止めろ」と言うわけ。珍しく頑として譲らない。周りにいるおばさんや親戚がオイオイ泣いて「喜朗ちゃん、止めて〜」(笑)。

 もはや命運もこれまでかと思ったのが夜中の2時ぐらいかな。そうしたら突然、バリバリバリという音がするんですよ。窓の外を見ると、赤々とした炎が上がっている。火事ですよ。

 

――えっ!火事!

 

森 火の手がゴーッと上がっているので、ぼくはサッと飛び出した。そうしたら、50メートルほど先の風呂屋が燃えているんだ。選挙で疲れ果てていた連中を「火事だ、火事だ」と叫んで叩き起こし、風呂屋に駆けつけた。風呂屋の女将は腰が抜けて、その場にへたり込んでいた。ぼくは咄嗟に、火中にあった何か黒い物に水をぶっかけて引っ張り出した。そうしたら、それが仏壇だったんですね。

 これが後で評価されるんです。ぼくが行った時にはもう、他に引っ張り出す物が何もなかったんだけれども、新聞記者はそんなことは知らないからね。「森は大した人間だ。仏壇をとにかく引っ張り出した」ということになって、評価が高まった(笑)それどころか、町長の家の近所が燃えたというだけで、町民がみんなお見舞いに酒を持ってくる。見る見るうちに、一升瓶が山積みになって。「おお、これを酒屋に引き取らせれば、ゼニができる」(爆笑)

 家族会議もそのまま有耶無耶になり、2日後に無事、公示日を迎えました。

 

 

国会はかつて学歴不問の“職場”だった。猛獣もいれば、猛獣使いもいた。いま、石を投げれば世襲議員に当たるようになり、海外留学でハクを付けた高学歴の職場に変わったが、果たして「人材の宝庫」になったのかどうか。(1)

  • 2018.02.13 Tuesday
  • 17:00

 

『自民党秘史』    過ぎ去りし政治家の面影

あの頃の政治家たちは良くも悪くも器が違ったなぁ…

岡崎守恭    講談社     2018/1/17

 

 

 

政治家の「顔」が見えた頃

今の政治記者はつまらないだろう。国民は、有権者はもっとつまらない。

・膨れ上がった議席。こんなたくさんの自民党の国会議員がいるのに、その「顔」が見えないのである。

 次をねらう人たちの名前は知っているが、その人たちをめぐるドラマは何も見えない。「一強」の人ににらまれないように、あえて見えないようにしているのだろうか。

 バイプレーヤーと思われる人はなおさらである。こうした人たちの存在こそ面白かったのが自民党である。

「近代政党」なるものに脱皮したのだろうか。そうではないだろう。

野党の分裂や内紛などは見たくも、聞きたくもない。

 野党の役割の第一は政権を倒すことである。是々非々とか、責任野党とかいう言葉に逃げ込み、その使命を忘れ、とりわけその気迫すらない姿はうんざりである。

 

<政治の基本は「人」である>

・一昔前、永田町には、というより自民党には「人」がいて、いろいろな「顔」が見えた。「顔」がしっかりと見える政治だった。もちろん、とんでもない「顔」もあった。

 しかしノッペラボーと金太郎飴ばかりよりましである。

 現代風に言えば、キャラが立っていなければ、ヒール(悪役)にはならないが、主役にもなれない。

 制度的に言えば、小選挙区制の導入で党公認が得られないと新人の当選は難しくなり、しかもそれが執行部の「面接」で決められるとなると、いい意味でエッジの利いた候補者は出にくくなる。

 スキャンダル以外では「顔」はますます見えなくなりそうである。

 

・国会はかつて学歴不問の“職場”だった。猛獣もいれば、猛獣使いもいた。いま、石を投げれば世襲議員に当たるようになり、海外留学でハクを付けた高学歴の職場に変わったが、果たして「人材の宝庫」になったのかどうか。

 2017年秋の衆議院総選挙を経て、政治への「あきらめ」と「冷笑」が一段と広がっている

 

<日中「人民」の岩盤>

・中国の指導部はかつてはソ連留学組で占められていたが、今は米国留学組の時代になりつつある。幹部の子弟の留学先も米国が一番、習得を希望する外国語も英語が一番である。

 

<日本留学組>

中国が言いたがらない歴史なので、あまり知られていないが、1921年、中国共産党の第1回全国代表大会が上海で開かれた時、13人の代表のうち4人は日本留学組だった。その前にも周恩来らが日本にやってきたが、結局、フランスに行ってしまう。「日本への留学の機会を得ながら、日本では何も学びませんでした。覚えているのは日本の豆腐が中国のよりおいしかったことくらい」という言葉を残した。

 

・観光のための訪日でも、中国「人民」の印象が変わり、無意識のうちに日中の岩盤が少しずつできていけば、国会議員の訪中ラッシュなどはますます不要になるだろう。

 

<学歴不問>

<「後楽園球場」いっぱい>

かつて国会は日本一の学歴不問の職場というか、平等社会であった。何しろ最高のリーダーである内閣総理大臣が尋常小学校卒だったのである。

 やがて2世、3世議員の時代へと移り、初代は中学卒、高校卒だったが、2代目は大学卒。この大学はあまり聞いたことのないところも多かったが、3代目は一流大学卒。

 が、先々代の時代に比べて、今の方が「人材の宝庫」と言えるのかどうか、ここが悲喜劇である。

 

・新聞社で政治部に配属された時、上司(デスク)にこう言われた。

明日から国会に行ってもらうが、曲がりなりにも最高学府を出た君より頭がいいと言うか、まっとうな議員は10人もいないだろう

 いくら何でもそんなことはないでしょうと怪訝な顔をしていると、先輩記者でもあるデスクは付け加えた。

「ただしだ、いまここで5億円のカネをもらったとしても、次の選挙までに後楽園球場いっぱいの5万人に君の名前を書かせることができるか」

 中選挙区制の下での平均的な当選ラインは5万票だった

「こんな奴が日本の選良なのかと義憤にかられることもままあるだろう。が、みんな後楽園球場いっぱいの人に名前を書かせてここに来ているんだなあと考えると、本当はどこかすごいところがあるはずだと思わざるを得ない

そうとでも思わなければ馬鹿らしくてやっていけないよ

あえて極端に話してくれたわけだが、「5万人」が頭に残った。

 

<真室川音頭大臣>

・それを実感する場面に出くわしたことがある。

 最初に担当した閣僚は行政管理庁長官だった松沢雄蔵氏である。戦時中は満蒙学校本科を出て、そのまま中国大陸で活動、戦後、郷里の山形県に帰って真室川村長になる。

 

・踊り出したくなる粋な「真室川音頭」である。北海道の港町で歌われていた「ナット節」が真室川に入ってはやった作者不詳の山形県民謡というのが公式的な解説。が、永田町や地元では松沢氏が元の歌詞を補作し、世に出したと伝えられ、「真室川音頭大臣」とあだ名された。書や水墨画も巧みで、風流人としても知られた。

 

・ある朝、議員宿舎を訪ねると、部屋から遠いのに松沢氏の声が聞こえる。

「あの地区のだれだれに電話してひっぱがせ」「今日中にだれだれを訪ねて頭を下げてこい」

 普段と違って言語明瞭、声に気迫がこもり、廊下にまで響き渡っていた。

 実は松沢氏の選挙区である山形2区にはイケショーと言われた名物男の池田政之輔氏がいた。その前の選挙で落選はしていたが、ずっと山形県政界の保守陣営を二分する宿敵だった。

 池田氏は日通事件に連座、最高裁で実刑が確定し、病気で服役は免れたものの、政界からの引退を表明した。松沢氏はそれを聞くやいなや、地元の池田氏の陣営に手を突っ込むよう電話で指示していたのである。

「別人」になっている松沢氏を見て、「5万人」を思い出した。

 

<広大な中間地帯>

・新聞社というのは、入ってしまえば、出身校による差別などはない。むしろ取材の動作がのろかったりすると、自分が行けなかった恨みも込めて、「君はひょっとして東大を出ているんじゃないか」などと馬鹿にされる。

 それでも、記者はほとんどが大卒は大卒だが、国会議員は違った。中卒も高卒も大卒も本当に入り乱れていた。

 

・その角栄氏には学歴のないことからくる独自の「多数派工作」とはなんぞやについての考え方があった。角栄氏にとって、頂上を目指すには味方を増やすのではなく、敵を減らすことが基本中の基本である。

「富士のお山を見ろ。峰の白雪、これが味方だ。ふつうはこの白雪を大きくしようとする。しかし俺には難しんだ」

「一高―—東大の奴には仲間がいる。これが白雪になってくれるし、広げてもくれる。一高に行けなくて、静高だった奴にもそれなりに仲間がいる」

 この場合、一高は福田赳夫氏、静高は静岡高校の中曽根康弘氏のことである。

「俺にはそういうものはない。だから俺は白雪を増やすのではなく、その下に広がる裾野に目をやる

それでもこの裾野を全部、味方にすることはできない。『田中がいい』と言ってくれなくてもいいんだ。何かの時に『田中だけはダメ』と言わせない。そうした『広大な中間地帯』をつくるために頑張っているんだ

 

<稲門会から三田会>

・竹下登氏が総理・総裁の座を目指している頃、「国会稲門会」の動きも活発になっていった。

 戦後、それまでに総理になった早稲田大学卒の国会議員は石橋湛山氏だけだったが、竹下氏の後は海部俊樹、小渕恵三、森喜朗、福田康夫氏と続いた。当時の民主党からも野田佳彦氏。

 

・その後、二世議員、三世議員が多くなると、慶応大学卒の国会議員が増え、時代は稲門会から三田会へといわれた。総理・総裁になったのは橋本龍太郎、小泉純一郎氏。

 

いまや高校、麻立会

ところが大学卒が当たり前になってきたせいか、今度は高校の同窓会が誕生する。例えば「麻立会」。麻布高校を卒業した衆院議員の集まりとして1988年3月に発足した。親睦団体を標榜しているのはもちろんだが、ちょうど橋本氏が将来の総理候補としてとりざたされ始めたころだった。

 

<次いで開成、永霞会>

<「有りて無き者は人なり、無くして有る者もまた人なり」>

・このところ東大の合格者数では開成が水をあけている。かつては東京23区のはずれにあるバンカラの開成と高級官僚というのはイメージが湧かなかったが、最近は財務次官を輩出するなど、勢力を拡大している。

 開成出身の国会議員と中央官庁の官僚が集う「永霞会」も発足した。永田町・霞が関開成会の意味である。発起人代表に名があがったのは首相の座をうかがう宏池会会長の岸田文雄氏。国会議員は9人だったが、官僚は退官した人を含めると約600人だという。

稲門会から三田会のように、麻布から開成への時代が来つつあるのだろうか。

 

・今の永田町を眺め渡すと、初当選の時からエスカレーター式に出てきた世襲議員のオンパレードになり、派閥の領袖から政権の座に就くまでの切磋琢磨もかつてのような迫力はなく、情けなくもなってくる。四世議員も出始めて、国会議員がすっかり「家業」になってしまった。

 

・「本を書くことは恥をかくことだ」といわれるが、これからどんどんご指摘、ご叱正を頂いて、一層、恥をかくことになるだろう。

 

<連日、メールが1000通>

・加藤氏が自宅に戻ってパソコンを開くと、そこには全国から軽く1000通を超えるメッセージが届いていた。毎夜、毎夜である。手紙を書いて、切手を貼り、ポストに入れるのと比べて、格段にお手軽な電子メール。匿名性があるだけに、内容も日増しに過激になっていく。2週間足らずの間に届いたメールは1万5000通。ほぼすべてが応援、支持だったという。

 山崎氏は後に「都市部のインテリ層の考えに非常に影響された。たくさんのインターネットでの激励に、加藤さんの頭と心がいっぱいになったということだ」と振り返った。

 鎮圧した方の野中広務氏も「加藤さんはインターネットに狂わされたのだと思う。私が『何を言っているんだ』と諭そうとしても『俺のところに来ているメールを見てみろ』の一点張りだった。そのメールの多くはまだ選挙権もない若い人たちだったのに」と言う。

 バーチャルな空間での意見を世論の圧倒的な勢力と見たことが、加藤氏の見通しを狂わせ、“暴走”を生んだのだ。

 

<24時間政局の始まり>

・インターネットとは無縁だったが、実は携帯電話の方は「加藤つぶし」の中心にいた野中氏の専売特許だった。新幹線の座席に着くやいなや、すぐ携帯電話で話し込む野中氏の写真が新聞に載り、「政治家は車内で携帯を使っていいのか」との抗議が新聞社や野中事務所に殺到したほどである。

 野中氏は四方八方から情報を携帯電話で集め、それを自分の中で撹拌して、また四方八方に拡散する。これはという情報を要所要所にしっかりと打ち込んで、自分の目指す流れをつくる。

「加藤の乱」は「ネット政局」の幕開けであると同時に、「携帯政局」の本格化を告げた。

 

<シンキロウの孤独>

<下足番が絶賛>

・「聞くと見るとは大違い」多くの人がこの言葉で評するのは森喜朗氏である。森氏は大柄で、ガンを患って食事制限を余儀なくされるまでは0.1トンもの体重があり、顔も四角の代官顔で、物腰も何となく傲岸。失言ばかりしているイメージも定着し、悪役を一手に引き受けている。

 ところが間近で会った人の印象は違う。座談はうまいし、気配りは心憎いし、実物は全然違うじゃないかという人が少なくない。

 しかも会った翌日、しばしば「昨日はよくおいでいただいた」「あなたとお目にかかれてうれしかった」「時間がなくて申し訳なかった」というハガキが届く。

 

・1981年11月、東京・赤坂の料亭「大野」で、玄関の下足番として勤めた人が『夜に蠢く政治家たち』(エール出版社)という本を出した。

 頻繁に出入りする政治家や高級官僚の生態を実名で記録し、これを公表することで「公費天国」を告発する結果となった。「大野」の女将は申し訳ないとショックの余り寝込んでしまった。

 

<ドン金丸の「常識」>

<台所記者への道>

・一昔前、自民党の派閥記者には「玄関記者」「応接間記者」「居間記者」「台所記者」というランク付けがあった。

 実力者と呼ばれる政治家になると、その自宅へ毎日、「朝回り」する。夜は「夜回り」。いわゆる夜討ち朝駆けである。ここで顔と名前を憶えてもらい、昼間の記者会見などの公式な場では聞けない話を聞く。

 最初のころは、来る日も来る日も政治家が自宅を出る際、玄関脇に立っていて「おはようございます。○○新聞の××です」と挨拶する。ほとんどはこの挨拶だけで終わる。これが「玄関記者」である。

 

・もっと努力と工夫を重ねて、だんだん親しくなって食い込んでいくと、今度は応接間より奥に進んで、居間で政治家が1人で新聞を広げているところなどに入り込める。サシで、つまり2人だけで言葉を交わせる。「居間記者」である。

 究極はそのまま台所まで行って、勝手に朝食を食べてしまう。もう奥さんやお手伝いさんともすっかり顔なじみ。これがゴールの「台所記者」である。

 

<才人と呼ばないで>

<俳句、絵画、ハーモニカ>

政界きっての「才人」は誰だろうか。いい意味でも、悪い意味でも、多くの人の頭に浮かぶのは宇野宋佑氏である。ところが当の宇野氏は「才人」と評されることが少しもうれしくなかった。むしろ大嫌いだったと言ってもいいだろう。

 俳句、絵画、史伝、ハーモニカ、ピアノ……。自己流で何でもこなし、ほとんどがプロ級の腕前だった。特に俳句は高名な俳人にも感嘆され、質、量ともに本格派だった。

 

<努力家と言ってほしい>

・河野氏の秘書としての仲間で、後に文相などを務めた砂田重民氏が「こんなに忙しいのにどうしてあんなに本が書けるのか」と聞いたことがある。宇野氏の答えは「どうということはない。君がゴルフをしている時に書いているだけだよ」。悪気のないことはわかっているにしても、砂田氏は鼻白んだ。

 遅れをとってはならない、落伍をしてはならない—―。裕福だが、厳格な生家の教えと、シベリア抑留の体験から、いつも精進に余念がなかった。議員宿舎の部屋で散らばっていたのは原稿用紙と参考図書だけである。

 

<つなぎの役割、幸不幸>

・就任の記者会見の雄弁ぶりに「大化けするかもしれない」との声もあったのに、最後の最後でまた本当に「つなぎの役割」に終わってしまったのである。この因縁は何なのか。

 東京・神楽坂のカモメと呼ばれる芸者見習いとの関係が問われた女性問題。女性の告白によると、初めてお座敷で会った時、真ん中の指を3本握って「これでどうか」と言われたという。

 そこで1ヵ月のお手当てが30万円。「3本指」が流行語になった。永田町のことである。「カネで女性をとはけしからん」ではなく、内閣総理大臣たるものがたった「3本」なのかという変な批判もあった。

 しかしあえて言えば、金額が少なかったのには理由があった。

 

<わしはずっと元気>

・歴史に「もし」はないにしても、宇野氏も総理に担ぎ出さなければ、女性問題という汚名も着ることなく、わき役であっても何でもこなせる存在感のある政治家で一貫できたはずである。「文人議長」などと呼ばれている姿が想像できる。 

 実際の宇野氏のその後は体調を崩し、引退を余儀なくされ、寂しい晩年だった。だから総理になりさえしなければ、との思いが側近にはずっと残った。

 

<新生クラブの椅子>

<控え目に生くる幸せ>

・「未来の宰相」と大方が想定していた藤波氏。それが一転、リクルート事件の受託収賄罪で逮捕され、奈落に沈むとはだれが思っただろうか。

 金丸信はリクルート事件とは無縁で、他の実力者が総退陣のような形になってしまったため、一頭地を抜く存在になった。当時、「江副(浩正・リクルート会長)は将来のある政治家にカネを回したが、俺のところには来なかった。将来がないというのもいいことだ」と嘯いていた。その金丸氏が藤波氏の逮捕を聞いて「自民党に300人の代議士がいるとして、汚れている順番に並べたら、藤波は299番目だ」と驚いたくらいで、この逮捕には誰もが首を傾げた。

 

・その頃の建設省、運輸省、農水省などには自民党に強力な応援団がいて、予算をまさに分捕っていた。法務省には応援団などいるはずもないが、藤波氏は矯正施設の修復といったどう考えても票にならないところに目配りしていた政治家だった。それだけに「なぜだ」の思いは本人が一番、強かったはずである。

 公判を通じて自分がスケープゴートにされたのだと思っても、一方でその時の内閣の官房長官としてこれを受入れなくてはならないという責任も感じ、煉獄の火に焼かれる苦しさだったろう。

 

<この本の読者の数の上限は「全国の政治記者とそのOBの数プラスαである」ということになろうか。>

・その伝でいけば、筆者も海外勤務などで永田町を離れていた時代や、管理職となって永田町を「遠望」していた時代も含めれば政治取材歴40、安倍晋三首相から数えて22人前の三木武夫首相から取材と長さだけは結構な水準である。

 そのうえ幸か不幸か、野党や労働界を担当したことはなく、政府・自民党、すなわちほとんどすべての期間、政権与党だけを取材してきた。

 くわえて自民党でも実力者といわれるようないわゆる大物と、ちょっと語弊はあるが、規格から外れた政治家の取材に自主的に傾斜してきた。

 

 

 

『なぜいま安倍晋三なのか』

山本一太  リヨン社  2006/8/10

 

 

 

官僚に評判のいい政治家なんて

・「新しい政治文化」というのは何も政治とカネの関係に限ったことではありません。これまでの政治と官僚の関係を見直す、すなわち、旧来の政官の文化を変えるという視点も重要です。

 

・その政策判断がもたらした結果については、当然、政治家が最終責任を負います。

 

 ところが、日本ではこれまで政治家と官僚の間に貫かれているはずの原理原則が、実際には「絵に描いた餅」になっていました。官僚を縦横無尽に駆使するはずの政治家が中央省庁の応援団にされ、逆に官僚に使われるという「主客転倒」の姿になっていったのです。

 

・たとえば、私が、力を注いできた外交、安全保障の分野をとってみても、外交政策決定のプロセスは実質的に外務官僚が独占してきました。これは官僚が悪いというより、政治家の罪だと思います。官僚をコントロールするだけの力量が政治家のサイドになかったということに他ならないからです。

 

・私は、「官僚に評判のいい政治家」をあまり信用しないようにしています。特に外務省に好かれている政治家は要注意です、それは外務省の世界観や常識の枠にとどまっていることを意味するからです。

 

いままでの政治政策決定プロセスはぶっ壊せ

・官僚主導の政策決定プロセスは、この国で過去50年間にわたって続いてきました。このシステムを変えるというのは、決して容易な作業ではありません。政治を官僚の手から取り返す試みは、党と政府の内部で同時並行的に進められています。党においては個々の政治家が族議員として特定の省庁の省益のために行動する「持ちつ持たれつの構造」を打破すること。

 

<官僚の「天下り文化」が崩壊しつつある

・「政治家というものは選挙があるから、短期的なことしか考えられない。長期的なビジョンでものを考えられるのは官僚しかない

 

・私は、官僚主導の政策決定と言う構図は変えなければならないと感じていますが、「何でもかんでも官僚叩きをすればよい」という最近の風潮には違和感を感じます。官僚組織のモラルを一気に低下させることは、国益上、得策ではないと考えているからです。

 

・日本が議員内閣制をとっている限り、大統領制をとる米国のように「議員立法」が法案の主流になることは考えにくい気がします。英国と同様、政府提案の「閣法」が今後とも法案の中心を為すとすれば、立法の過程における官僚の役割は引き続き重要となります。実際に成立した法律が機能するかどうかは、法律学者には判断できないからだ。

 さらに付け加えるなら、現段階で官僚組織を代替するようなシンクタンクは育っていません。

 

・安倍さんが党改革本部長として号令をかけた自民党のシンクタンク構想は極めて重要である。

 

私は、マイナーリーグ(参議院)の、大した肩書も持たない「ちび議員」です。が、政治家として自分がやったことに責任を取る覚悟だけは持っています。いつ議員バッジを外してもいいという気持ちで政治活動をやってきました。

 

<新しい政治文化と古い政治文化の衝突

政界でのキャリアが長ければ長いほど、「古い政治活動の慣習」に染まってしまうのはある意味当然かもしれません。その証拠に「政治とカネの問題にメスを入れるべきだ」と主張するベテラン議員には、ただの1人も会ったことがありません。

 

理由はいたって簡単です。現在の法律をそのまま厳格に適用すれば、「私の政治活動にグレーゾーンはない。政治資金や選挙活動に関する全てのルールを100%守っている」などと言える国会議員は、ほとんど存在しないからです。少なくとも私が、知る限り、そういう政治家に会ったことはありません。

 

・私は、父親(故山本富雄参議院議員)の地盤を継いで当選した、いわゆる「世襲議員」です。地盤や看板と言う点では、亡父から貴重な「無形の財産」を受け継ぎました。このことには感謝しています。

 しかし、同時に「古い政治文化の尻尾」という負の遺産も引き受けることになったのです。この10年間は、亡父の残した、無形の財産を生かそうと努力しつつ、古い政治文化の尻尾を切り取るための戦いでした。

 

・「おかしい」と思っていることが、なかなか変えられず、「自分には国会議員の資格があるのだろうか」「このまま政治家を続けていいのだろうか」と真剣に悩んだことも、一度や二度ではありません。

 

・他の政治家を比較しても何の意味もありませんが、自民党の国会議員の中では「クリーン度」というジャンルで上位5%に入っていると自負しています。

 

 

 

『永田町、あのときの話』  ハマコーの直情と涙の政界史

浜田幸一   講談社        1994/2

 

 

 

<謀略の勝者と敗者

 ・青嵐会(せいらんかい)の事務局長までして中川さんを担ぎ上げてきたというのに、結局、私は、昭和54年(1979年)5月に旗揚げされた中川派「自由革新同友会」には加われじまい。

 このあたりから、昭和58年(1983年)1月9日の中川さんの自殺、それ以後の経過については、拙著『日本をダメにした9人の政治家』(講談社刊)に詳述しているので、そちらを読んでいただきたいが、あとで考えれば考えるほど、中川さんと中川派をめぐる一連の出来事は、福田赳夫・三塚博一派の謀略であったとしか思えない。

 

<池に戻れず干上がった鯉>

・小なりといえ派閥の領袖、閣僚経験(農林大臣、科学技術庁長官)もあり、次代を担うニューリーダーの一角に名を連ねていた政治家・中川一郎の急死は、それだけでも重大なニュースだったが、それがやがて自殺と判明して、国民の間にさらなる衝撃が走った。

 なんの遺書も残さなかったとされるため、死後、その原因をめぐっていろいろと取り沙汰されたが、自民党史の流れの中でとらえるなら、ややきつい言い方だが、結局のところ、派閥抗争の敗者としての死を選んだと言えるのではないか。

 

・そとのとき、私はなにをやっていたか――。恥ずかしながら、ラスベガスでのトバク問題によって、謹慎中の身だったのですよ。かえすがえすも、情けない!

 

<田中角栄の“お盆手当・餅代”リスト

・当時、私はまだ駆け出しの1年生議員。

「いいか、お前な、天下とりになるためには、こういうことが必要なんだよ。よく見ておけ

 そう言って、田中さんが2、3枚の紙片を見せてくれた。そこには、国会議員の名前がずらっと書いてあり、その1つの名前の横に、「5百・3」とか、「5百・5」とか記してある。

 聞けば、たとえば「5百・3」というのは、その議員に対し、田中さんがこれまでに5百万円を3回、計1千5百万円渡したという意味だという。盆暮れに渡す“お盆手当”や“餅代”、選挙のときの陣中見舞などだ。

 5百万円といえば、当時のサラリーマンの平均年収は約120万円くらいだから、約4倍以上の大金だ。最後の部分までは見せてくれなかったからわからないが、私が見せられた一覧表には、1回から5回までの記載があった。

 

・派閥の領袖が配下の議員たちに年末に“餅代”と称する金を渡すのは、永田町では常識だが(ただし、2、3百万円が相場)その田中さんのリストには、田中派以外の自民党議員から、当時の野党議員たちの名前まで、ズラリと並んでいた。

 とくに野党議員の場合、各党の党首、幹部クラスだ。国会議員なりたての私、これにはぶったまげたね。

 ・いまではすっかり様変わりしてしまったが、派閥の領袖たる者、次の4つの条件が不可欠だった。

第1に金。盆暮の手当はどこの派閥も同じ。田中さんが金脈の指弾を受け、三木武夫さんや福田赳夫さんらは「クリーン」とか「清貧」とかを売り物にしていたが、田中さんに比べて、金の集め方が下手だっただけの話。

第2の条件は、面倒見がいいこと。

第3にポストをとってくる力があること。

第4が人間的魅力。

田中さんは、これらすべての条件に秀でていた。まさに派閥政治の権化のような人だった。

 

<競争心なき政治家は去るべし

・昭和63年(1988年)12月、リクルートコスモスの未公開株の譲渡問題で蔵相の宮沢さんが辞任したのは、私が前々から言っていた「宮沢派(宏池会)は闘争心に欠ける」という弱点が、もろに出た結果だ。

 

・自民党の中にも、根まわしの好きな派閥と嫌いな派閥があり、言うなれば、根まわしと喧嘩が不得意の宮沢派が、野党側から狙われたということだろう。

 宮沢さんは、戦後、日本がまだ4等国と言われていた時代に、日本の国益を背に今日の日米関係を築いた人だ。経済政策にも明るく、通訳なしで、世界の首脳クラスと一人でどんな議論でもできる英才。

 

・しかし、あまりにも遅すぎた春、宮沢さんの切れ味もすっかり鈍っていた。それまでの経緯から、周囲に対する不信感もあったのだろうが、とにかく人の話に耳を貸さない。そのくせ、結論をどんどん先送りする優柔不断さ。

 外交と並んで、経済にも精通しているはずなのに、積極財政への転換の機を失って、不況をますます助長してしまった。

 

・宮沢さんはあまりに頭がよすぎたため、他人がバカに見えた。しかし、われわれから見たら、単なる人望のなさにしか映りませんよ。

 

<天才的な衆参ダブル選挙の発案>

・田中角栄という人は、日本の政治史上でも傑出した人物の一人に数えられると思う。

 政治家の能力は、人材の使い方にある。たとえ98パーセントの欠陥があっても、残り2パーセントの才能をうまく使う能力である。

 その点、田中さんの能力は抜群だった。とくに、役人の使い方、若い政治家の使い方が実にうまかった。

そして、派閥内の人事、派閥統制の妙も見事だった。要するに、分断するようで分断しない。ライバル同士を競わせて希望を持たせるなど、のちの竹下さんや金丸さんの人事は、ことごとく田中さんから自然に学びとったものといえる。

それから、田中さんは選挙の神様だった。

 

<すべてはウラで決まっている

・ポスト中曽根は竹下――しかし、これがかなり危ういところだった。例の皇民党による“褒め殺し”のせいだ。これには、金丸さんもあわてたようだね。そこで、解決策を東京佐川急便の渡辺広康社長を通じて、稲川会の石井進会長に依頼したということらしいのだが、やはり、政治家としては、そういうやり方はよくない。

 そうした解決方法がどうこうよりも、その問題が起こってきた背景のほうが重要である。

 竹下さんを称して、よく「まめな、つき合いを欠かさない人」と言われるが、マメでそだつのはハトだけ。その実態は「カネのつき合い」にほかならない。

 

<ラスベガス・トバク事件の真実

・昭和55年(1980年)3月6日、東京地裁でのロッキード事件に関する公判の中で、聞いたこともないような話が飛び出してきて、私は一躍“時の人”ですよ。検察側の冒頭陳述補充に曰く――。

「小佐野被告がロッキード社から受け取った20万ドルは、昭和48年(1973年)11月3日、ラスベガスのホテルに対し、カジノで負けた借金の支払い保証をしていた分の返済に使われた。カジノで負けたのは、K・ハマダという人で、47年(1972年)の10月のゲームで、150万ドルの借金を負った。小佐野被告は借金の保証人としてホテルと交渉し、120万ドルに値引きしてもらうとともに、支払いを肩代わりした」

“寝耳に水”とは、このことだ。これを聞いて、自分でも「ええっ」とびっくりしたほどである。

 

・私はラスベガスへ行ってギャンブルをし、負けた。これは否定のしようもない。

 当時のレートは1ドル3百6、7円だから、150万ドルといえば4億6千万円ぐらいに相当する。一緒に行った人たちの分も入っているのかもしれないが、まあ、この際、そういうことはどうでもいい。

 私がびっくりしたのは、私の借金を小佐野賢治さんが肩代わりしてくれたという点だ。本当にそうなら、どれだけ助かったか知れない。己の不徳のいたすところとはいえ、支払いには大変に苦労したんだから。

 

・小佐野さんが「支払いを肩代わりした」なんて、とんでもない。前にも述べたが、小佐野さんという人は、そんなに気前のいい人ではない。根っからのビジネスマンなのだ。

 私は、そのときの借金の埋め合わせのために、自分が保有していた株や不動産を売却して、やっと金をつくったのである。

 そして、このこともはっきり言っておこう。そのときの不動産の売り先も、小佐野さんの国際興業グループの会社ではない。

 

<金丸事件>

・平成4年(1992年)8月、東京佐川急便からの5億円受領を認めて、自民党副総裁を辞任、同9月、5億円問題で東京地検から出頭要請、同10月、議員辞職、経世会会長解任、そして平成5年(1993年)3月6日、所得税法違反(脱税)容疑で逮捕。家宅捜索の結果、隠し財産が60億円とも70億円とも。金庫の中からは金塊も出てきた。

 この金丸信さんをめぐる一連の出来事には、私は実に複雑な思いでした。なにしろ、国会議員2期目以来、押しかけ弟子入りのようなものだが、私が一貫して師事してきた人だったのだから。

 

・実は、私が引退を決意した理由の一つは、この金丸事件なのです。

 なにもかも金丸さん一人に罪を押しつけて、頬っかぶりしているヤツが何人もいるわけでしょう。

 

・私は、実際はムジナでいながら、自分だけ清潔そうなツラをして、偉そうな口をきいているヤツが大嫌いなんだ。そんなヤツは、許すわけにはいかない。

 しかし、私だって、金丸さんから“餅代”をいただき、選挙のときには陣中見舞いをもらってきた一人だ。その私が、テメエだけ頬っかぶり、知らんぷりをしている連中を批判しようと思ったら、議員としてとどまっているわけにはいかないでしょう。

 私も国民のみなさんにお詫びをし、公職を辞した上でなければ、目クソが鼻クソを笑うのと同じになってしまう。

 そこで、私は次の総選挙には立候補をしないと明言した上で、在職中から竹下さんや中曽根さんに議員辞職をお願いしたり、小沢くんや三塚博くん、梶山くんを批判したりしてきた。しかし、彼らにいっこうに反省の色が見えないため、引退後、拙著『日本をダメにした9人の政治家』(講談社刊)を刊行した。

 

金丸さんの逮捕だけで終わってしまったのでは、日本の政治は少しも変わらない。逮捕されるべき人は、まだまだいる。手が汚れている人がいくら制度を変えたって、よくなるはずがない。そんなことをしている間に日本はどんどん国際的信用を失い、地球上における日本国民の長期的生存は、どんどん危うくなっていく。つまり、自分たちの子や孫の代に禍根を残すことになるんです。

夏季の北極海氷は、いまやその半分以下へと減少し、遠からず海氷のない夏を迎えるだろうと予測している。(6)

  • 2018.02.11 Sunday
  • 20:50

・「諜報機関のない国は拉致事件にも無力だった」といわれます。「諜報機関は国家にとって最も重要な死活の国家組織だ」そうです。公安調査庁の元部長によれば「日本は諜報機関のない世界的に珍しい国だ」そうです。真面目な官僚や政治家が諜報機関の設立におとなしいのは私たち一般人には、不思議です。「諜報機関のない国は既に国益を大きく損ねている」といわれます。「それこそ税金の無駄遣いを止めて、諜報機関の設立運営の財源にあてるべきだ」そうです。大新聞社もメディアとしての主張が弱まっているともいわれます。

・「昔から政治が一番遅れている。票の請負業のようなもの」といわれます。「失政」が増えている時代に、私たち一般人は、政治意識を高めていく必要があるそうです。「日本の政治家はアメリカのロビイストのような役割を果たしている」という説もあります。「政治家が劣化している時代だ」ともいわれています。政治家が小粒になってリスクを取れる人が少なくなったといわれます。「政務活動費の問題も氷山の一角」と指摘されています。いつまでも「政治が遅れている」ということでは複雑化する社会問題に対応できないでしょう。政治家は選挙民の対応に追われて、勉強ができないそうです。困っている人も増えており、単に政治の貧困としては片づけられないそうです。「政治が遅れている。私たち一般人は、政治意識を高めて政治の近代化を急がなければならない」そうです。政治の貧困が子どもの貧困を創っていると指摘されています。議員の近未来の姿は欧米のようにボランティア議員の流れだといわれます。

・ジャック・アタリの最近の本は『2030年ジャック・アタリの未来予測』(2017/8/9)『未来の為に何をなすべきか?――積極的社会建設宣言』(2016/5/25)があります。Amazonに「ジャック・アタリ」といれますと38件の本が分かります。フランス人としては翻訳本が多いようです。フランス人から見ると極東は遠い国で、国境の近いヨーロッパ諸国を分析するようにはいかないようです。

・「中国バブルの崩壊」にしても、ヨーロッパ人からみると深刻度が薄いように思われます。日本の様々な政治や社会の問題もグローバリゼーションで世界の傾向を参考にするよりも、日本独自の対策を打つ必要があるようです。それにしても、経済政策はうまくいっていないようです。

・「人口減少を利用して労働力の再配置の「労働革命」を狙え」という説もあるようです。しかし、移民を認めなくても未来には1000万人の外国人が、日本に「職」を求めて棲みつくともいわれます。ちなみに、米国では1400万人といわれる不法移民の対策が大統領選挙の大きな争点になりました。世界中で若者の「失業」問題が深刻になっています。それが麻薬の蔓延や犯罪の激増、テロを生んでいると述べられます。

フランスといえば、2016年にはパリの洪水がメディアに話題になりました。1910年にも大洪水がパリではあったようです。パリのセーヌ川が増水し、過去30年で最も水位が高くなったようです。ドイツでも集中豪雨があったようです。ヨーロッパも異常気象の影響がだんだん劇的にでてきているようです。未来は世界的に異常気象による、洪水や水不足などの被害も深刻になるといわれます。また冬の寒波の影響も大きく変動しているそうです。

・ピーク・オイルやシェールオイル等の原油の問題も未来に枯渇が「深刻化」すれば、「異常気象」以上の衝撃を世界経済に与えるといわれます。原油の枯渇については諸説ありますが、「原油は200年で枯渇する」という怪説もあり、それが核戦争の原因になるというのです。代替エネルギーでも十分に対応できない国々がでるというのです。

・ジャック・アタリの未来予測は、かなり時間をかけて読み解く必要があるようです。独自の定義をしたキーワードがありすぐには理解できません。「アメリカ帝国の没落」は多数説のようですが「エイリアンの超テクノロジーを入手している米国は、発展段階の初期である」という有力説もあるようです。「エイリアン・テクノロジー・リバース・エンジニアリング(宇宙人科学技術工学)」は米国の一人勝ちという説もあるそうです。つまり多くの識者は「アメリカ帝国の没落」を唱えていますが、「アメリカの発展はこれからだ」という少数説もあるようです。

・「最近になって、ロシア人はタウ人との協定を破棄し、同じ協定をリュウ座人の前衛部隊と交わしてタウ人を追い払ったと考えられている」といわれます。ロシアはタウ星人と当初コンタクトがあったそうです。くじら座タウ人は、イプシロンのエラダナス星系で大きなコロニーを保持している。祖国の大気と重力の関係で、密度の高い身体を持っている」と述べられます。「彼ら蛇人はすでにロシア共産主義勢力としてやってきており、マルクスとレーニンはその勢力のいわば幹部たちだった」という説もあります。「エイリアン・テクノロジー・リバース・エンジニアリング(宇宙人科学技術工学)」は、ロシアも研究しているのでしょう。「モスクワには多くの異星人が住んでいる」というリーク話もあるそうです。

・当ブログでよく引用するジョー・マクモニーグルの未来予測(『未来を透視する』ソフトバンククリエイティブ)のなかに、「23世紀と24世紀に2度の世界大戦があり、人類の人口が6分の1になる。細菌兵器が使われる」というのがあります。マクモニーグルは米陸軍の情報員だったので、戦争に関する未来透視については詳しくは記していないようです。「イルミナティ・エージェントが第3次世界大戦を引き起こす」という不気味な予言もあるようです。当然ながら、マクモニーグルの未来透視もよく当たらないようです。20世紀の米ソ核戦争の勃発の危機は避けられましたが、オバマ大統領の広島訪問でも分かるように、核戦争の備えは、今も緊張を持ってなされているようです。北朝鮮も核武装を急いでいますが、「核戦争の危機」はいつでもそこにある危機のようです。

・「人口問題の解決法は二つ考えられる。戦争というハードなやり方と出産制限によって人口の伸びを抑える平和的なやり方だ」、「アジアでは2020年までに、水をめぐる大規模な戦争が少なくとも一度は起きているはずである」とのこと。マクモニーグルの未来透視も当たる確率は高いとはいえませんが、有力な参考資料だそうです。「当たるも八卦、当たらぬも八卦」なのかもしれません。予言が当たらなくなるのは、パラレル・ワールドとの相互作用があるからだといわれます。パラレル・ユニバース(並行宇宙)は、目に見えないが、すぐ隣にあるといわれます。パラレル・ユニバース(並行宇宙)は「幽界」のように「この世」に似ている世界ですが非常に大きく違うアストラル界のような世界といわれます。

・PM2.5(微小粒子状物質)問題も深刻なものになっていくのかもしれません。マクモニーグルによると「(大気汚染)、21世紀になって、大気の汚染はしだいにひどくなっていく。2050年には、多くの企業は社屋内の冷暖房よりも空気清浄に力を入れるようになっている。それに先立って、2025年には、空気中の有害物質や二酸化炭素を取り除く新型の空気清浄機が開発され、家庭や職場など人が集まるところに導入される。その頃には子供のアレルギーも深刻化し、国家的危機とみなされるようになる。

 空気清浄機の設置場所は、はじめのうちは、職場、ショッピングセンター、映画館、会議場、レストラン、ホテルなど大勢の人が集まるところのみである。しかし、21世紀半ばには米国の個人宅の少なくとも4分の1で利用されるようになる」との未来透視のようです。現在中国では空気清浄機が売れているようです。

・「中国は2015年から2030年の間に4つの国に分割される可能性もある。とくに内乱が起こる可能性が強く、それが引き金となって第3次世界大戦へと進むかもしれない」というカシオペア座方面の宇宙人の未来予測が気になります。はるかに進化した異星人でタイム・トラベラーであるのかもしれません。

・「中国は2015年から2030年の間に4つの国に分割される可能性もある」とのことですが、現在の中国の情勢を分析するとその可能性は高まってきているのかもしれません。 共産党官僚がノーメンクラーツ(赤い貴族)と化し都市部 の民工、農村戸籍の人民などの「豊かさを制限する」危機的な状況が懸念されています。「制御不可能な国という中国固有の歴史的条件がある」といわれます。「歴史のシナリオを描く」といわれるシリウス星人とは、パラレル・ユニバース(並行宇宙)に存在しているそうですが、どのような力関係が働くのでしょうか。彼らが、この世に対して何をどのようにしているのか分からないようです。アヌンナキとかサナンダといわれる金星のマスター(長老)が活動の中心ともいわれます。かってイエスであった存在は現在「サナンダ」と名乗っており、アシュタールとともに彼の宇宙船に住んでいると述べられます。

・ソ連(ロシア)が分割されて様々な国ができましたが、そのように中国も分割されるのでしょうか。ソ連が分割された時には、どのような「闇の権力」が作用したのかもしれませんが、その舞台裏は私たち一般人には理解不能のようです。

・「シリウス星人の地球支配があまりに巧妙なためしょっちゅう戦争が起こる」という珍説もあるそうです。天国に自由に出入りし、人間への“憑依”や人間の“転生”を自由に操作するシリウス星人はパラレル・ワールドに存在しているそうです。「はるかに進化した宇宙人が人間の精神体に侵入してくる時代だ」そうです。そうなると人間自身が「変容」、「変性」してしまうそうです。「シリウスのテクノロジーは、アヌンナキによって地球にもたらされた」そうです。宇宙人情報を公開すると主権が危うくなるともいわれます。

・ニルヴァーナ(涅槃・天国)評議会も地球に影響力を行使しているのでしょうか。各国を自由に指導する超人的な異星人の組織の存在「闇の権力、闇の政府」は、誰も考えることは難しいのでしょうか。イタリアのマオリッツオ・カヴァーロによると異次元に神々の都市があるそうですが、日本を管理している異次元の世界の超高層ビルでもあるのでしょうか。

日本はヘルメスが統治する国だ」と語られています。シリウスの大天使の代表であるというヘルメスは、ギリシア神話に登場する青年神です。

・シリウス星人が「闇の権力」を通じて地球に影響力を行使しているのかもしれませんが、何しろ目に見えない世界のこと、私たち一般人には不思議な話です。あまりに進化しすぎているので人間の行いを観察しているだけかもしれません。人間の背後霊や守護霊は、はるかに進化した異星人がなっているという説もあるそうです。

・日本の経済界も膨大な人口市場を持つ中国から同様なインド市場へ軸足を動かしているようです。インド神話は宇宙人に関して豊富な情報を提供しています。「マハーバーラタ」の物語のように異星人の神話の豊富な地域のようです。現代のインドでもかなりの異人が現地人に混じって住んでいるのかもしれません。

・「国内の暴動や内乱を抑えるために対外戦争に打って出る」という中国の以前の共産党の常套手段は、他国間の国境紛争・軍事紛争に介入していくというパターンを取るかもしれないそうです。1994年の「宇宙人の未来予測」ということですが、秋山氏の行ったカシオペア座の方面にある惑星はかなり進化した宇宙人のようです。彼らは、金髪碧眼の宇宙人だったようですが、進化の程度は想像を絶するようです。

・おそらく、時空を超えている異星人のようで、タイム・トラベラーですから単純に昔の「宇宙人の未来予測」だとはいえない面もあるそうです。秋山氏の行った惑星は、リラ星人の惑星というよりもむしろシリウス星人の系列の惑星だったのかもしれません。日本民族の神話の原郷、「高天原」とも関係があるのかも知れません。

・サタン(悪魔)と呼ばれるリラ星人や遺伝子操作で人間を実験室で創ったエロヒム(天空から来た人々)の神々の「不死の惑星」の宇宙人を創造した「はるかに進化した異星人種族」がいるのですから複雑怪奇で不思議です。異星人には地球語と異星語のネイティブ・スピーカー、コンプリート・バイリンガルが多いそうです。言葉の問題は、とうに解決しているといわれます。「はるかに進化した宇宙人が人間の精神体に侵入してくる時代だ」そうです。「宇宙人と普通の人間を区別できなくなっている」時代だそうです。時空を超えた宇宙人の「この世」への介入・影響力は普通人は分からないそうです。タイム・トラベラーが「この世」を支配しているといわれます。「キリスト(アプ星人)の一族が地球を管理している」という奇説もあるそうです。

・中国の経済情勢が予断の許さないものになりつつあるそうです。一般紙の新聞にもネガティブな情報が載るようになりました。中国経済の不動産バブルの崩壊、シャドーバンキングの崩壊は世界中に大きな影響を与えたそうです。中国経済の変調は日本にダイレクトに響くようです。したがって中国経済の動向から目が離せないようです。イギリスのEU離脱で、EUの流動化が始まったのでしょうか。「EUが解体していくというシナリオも、20年くらいのスパンで見るならば、完全に否定することはできない」といわれます。

・『こうして世界は終わる』は、フィクションですが、世界中の「天候異変」から、ますますこの種のフィクションやナンフィクションの書物が増えるようです。未来から過去の地球を見るフィクションの手法です。amazonに「地球温暖化」といれますと1014件、「地震 津波」といれますと2358件の書物が分かります「地球温暖化」については、世界中の多くの知識人や研究機関が警鐘を鳴らしてきたようです。地球温暖化でかなり深刻な被害を受ける国々もあります。バングラデシュなどの標高や海抜の低い国々の未来が懸念されています。

・暖冬で、雪が少ないと、農業用水も不足するともいわれます。以前に「利根川水系のダムの水不足」が報道されました。東京でも「水不足」が、近未来には頻繁に起こるようになるのかもしれません。台風でもきて雨が降ってもらいたいものですが集中豪雨の被害がでることもあります。未来の地球における海面上昇による、都市部の浸水、そして、温暖化による「水不足」と私たち一般人の常識では、考えられないような世界環境の事態になるのかもしれません。

・東日本大震災によって、日本では「地震・津波」に関する、集団ヒステリーともいうべき現象が起こったともいわれます。東日本大震災の衝撃は、遅れていた有識者の意識の覚醒を促したようです。首都直下大地震津波や南海トラフ巨大地震津波の起る確率は、非常に高く、対策が地方自治体においても、さまざまな形で作られているようです。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの準備の費用も当初の目論見よりも6倍の約1兆8千億円に上昇したようです。大きな問題になったようです。東京オリンピック・パラリンピックにかける費用分、地震津波対策費が減ることになり、日本国民の被災リスクが高まりそうです。現代社会では、人間が生きていくための、さまざまなリスクが急増している時代になっているようです。

・地球温暖化に関する懸念は、世界中の有識者に共通のもののようです。二酸化炭素の排出をめぐる国際的な動きもあるようですが、地球温暖化に関する学者の見解はいろいろとあるそうです。日本でも地球温暖化の影響かもしれませんが、気候異常が増えてきているようです。雨の量もひどくなり記録的大雨や集中豪雨の被害もあり、逆に「水不足」も増えているようです。東日本大震災で「地震・津波」に関する私たち一般人の認識が非常に刺激をうけました。しかし、地球温暖化に関する脅威は、一般的な認識が高いとはいえないようです。とうとう「異常気象の時代」になったようですが、異常気象に対する備えも難しいようです。今後、アメリカの独自の動きが注目されます。

日経新聞のインターネット情報によると、「政府の地震調査委員会は(2016年)6月10日、全国各地で今後30年内に震度6弱以上の大地震に見舞われる確率を示した2016年版の「全国地震動予測地図」を発表した。太平洋側が軒並み高い確率になるなど全体の傾向は14年12月に公表した前回と同じだった。長野県北部から山梨県南部に延びる断層帯の評価を見直した結果、長野県とその周辺で確率が上がったり下がったりしたところが出た」と報道されています。「地震調査委の平田委員長は「日本は世界的に見ても非常に地震の多い国だ。強い揺れに見舞われる確率がゼロとなるところは存在しない」と強調。そのうえで、建物の耐震化や家具の固定など地震に対する備えの重要性を指摘した」とのこと。常識化した情報の地震が起こることが懸念されています。「備えあれば憂いなし」といわれますが。

・未来に南極や北極の氷が解けることは、大変な事態を招くそうです。また世界的に「水が不足する」という未来予測もあまり認識ができない現象のようです。私たち一般人は、「水が不足する」というイメージが湧きませんが、現実に中国などでは「水が不足している」そうです。地震や津波は直接的で誰の目にも分かりますが、異常気象は、その程度がひどくなり大被害が増えるということで私たち一般人にも分かるようになるようです。

・地球温暖化に対する対策はいろいろとありますが、電力の確保ということで、太陽光発電や風力発電などの代替エネルギーが増強される方向にあります。そして自動車も化石燃料から「燃料電池」の「水素」を使う燃料電池車が将来は主流になるそうです。自動車メーカーも燃料電池車の開発に余念がないそうです。

・火山噴火による陸地形成を続ける小笠原諸島の西之島は、依然として火山活動は活発に続くと見られています。噴火前の西之島と比べても約6倍以上に広がっており、今後の動きが注目されます。「50年から100年先には温暖化によってロシアと中国とのあいだに軍事衝突が起こる可能性がある。イスラム教を信仰する中央アジアの民族はすでにある程度、中ロ間の火種になっている」とのことですが、温暖化が中ロ戦争の原因になるとは驚きです。現在、ロシアとウクライナの問題が大きな国際問題となっていますが、国際問題は人種や民族の問題が絡み、複雑怪奇となるそうです。

・地球温暖化でさまざまな悪影響がでてくることが懸念されています。日本でも近年、異常気象が頻繁に起こり出し、人々の生活を脅かし始めております。台風も大型化して、最大級の台風が増えてきそうです。集中豪雨、大雨や水不足、暖冬、大雪や竜巻と、地域によってその影響が大きく違ってきているようです。現在ですらこの状況ですから、地球の温度が本格的に上昇を始め出すと、途方もない被害がでてきそうです。2050年頃には、さまざまな懸念が大きく顕在化することでしょうか。

・地震・津波はいつくるか予測できませんが、異常気象の状態は、これから、ずっと続きます。大雨にしても従来の基準で対策を打っていましたが、今後は予想もしない被害が出てくるようです。気象変動に関しては、大型コンピュータによってさまざまなシュミュレーションが多くの研究所により調査研究されているようです。

・北極海の海底に眠る化石燃料の支配権をめぐって世紀の争奪戦が始まったようです。また温暖化で氷が解け航路が開けたことで、主導権争いが加速しそうです。水不足の国へ水を売るビジネスも始動しはじめているといわれています。

 温暖化が地球規模で影響がひどくなり、大洪水や大干ばつの影響で、戦争以上に深刻で広範な被害が懸念されているようです。水不足が国際紛争や戦争に発展する懸念もあるそうです。「地震や津波」、「大干ばつ」や「大洪水」、「大雨」、「水不足」など人類は「水」に悩まされていくようです。

・「これら8カ国は、北は北極海まで広がる広大な領土と海を支配し、北極海をほぼ一周する新たな「環北極圏」を構成する」とありますが、この環北極圏が人類のカギを握る地帯に変化していくのでしょうか。「未来学」というものがあるそうですが、先進国のシンクタンクではさまざまな未来のシュミュレーションを、大型コンピュータなどを利用して研究しているようです。そこから、国家的なプロジェクトが打ち出されるのでしょう。エネルギー問題も原発の事故で顕在化してきましたが、予断を許さない情勢のようです。誰も認識できない速度で地球の気温が上昇していっているようです。予測不能な温度まで。

・「2083年には日本の人口が半減する」という予測もあります。超長期の予測は、人類にとりネガティブなものが多いようです。そうしたことで日本丸の将来も多難のようです。地球温暖化のシュミュレーションでも「第三次世界大戦」の想定は除外されています。「竜座人(ドラコ)が遥かに進化しており、このレプティリアン型生物の交雑種がイルミナティである。交配人種であるイルミナティが地球を管理している」ともいわれます。

・「イルミナティ・エージェントが第3次世界大戦を引き起こす」という不気味な予言もあるそうです。米国のマクモニーグルの未来透視に「23世紀と24世紀における2度の大戦で人類の人口が6分の1に大激減する」というのがあります。また大戦になれば「貧者の核兵器」といわれる生物化学兵器が大量につかわれるようです。第3次世界大戦の火種は世界各地にくすぶっているといわれます。

・米中間のサイバー戦争が懸念されています。サイバー戦争についても私たち一般人には、理解不能なことが多いようです。子供の頃からプログラミング教育をしようという世界的な潮流があります。それゆえに、サイバーテロやサイバー犯罪が近未来に急増するという予測もあるそうです。またウィルスについては私たち一般人には、よく分からないことが多いのですが、「ヨーロッパの人口が激減した中世の黒死病の流行は異星人の細菌兵器だった」という奇説もあるそうです。「細菌をばらまく堕天使もいる」といわれます。周辺諸国では、核兵器や生物化学兵器、核シェルターの開発を熱心に展開しているそうです。核戦争を想定内にしているからでしょうか。この方面に脳天気(ノー天気)ですと、日本も歴史から消えていくことになるでしょうか。ちなみに「日本の失われた20年」という話も「失われた40年」になるという話もあるといわれます。20年は確かに異常に長い期間でした。資質的に問題があるのでしょうか。

<●●インターネット情報から●●>

・ウィキペディアWikipedia(フリー百科事典)より

「マルウェア」

マルウェア (malware) とは、不正かつ有害に動作させる意図で作成された悪意のあるソフトウェアや悪質なコードの総称である。マルウェアには、様々な脅威が含まれる。マルウェアの例としては、ウイルス、バックドア、キーロガー、トロイの木馬、ランサムウェア、マクロウイルス、ブートセクタウイルス、スクリプトウイルス、クライムウェア、スケアウェア、スパイウェア、悪質なアドウェア、ミスリーディングアプリケーションなどがある。日本では、「悪意のある不正ソフトウェア」または「不正プログラム」とも呼ばれる、とのこと。

・近未来には、サイバー犯罪が激増するといわれます。米中サイバー戦争はどのようになっているのでしょうか。北朝鮮もサイバー攻撃をして、世界中の銀行から資金を盗み取っていると報道されています。

・「マネジメントを発明した男」、「マネジメントの父」、「経営学の巨人」ともいわれるピーター・ドラッカーは、経営学の権威であり、経営コンサルタントです。amazonに「ドラッカー」と入れると1426件の書籍がわかり、いかに注目されていたかが窺われます。「他人からは未来学者(フューチャリスト)と呼ばれたこともあったが、自分では“社会生態学者”を名乗った」そうです。

・高度成長期には賞賛された日本の「官僚制度」も時代の流れに合わなくなってきているといわれます。「情報経済」に適応して生き抜くためには、従来の思考や行動様式からの脱却が必要のようです。ドラッカーは日本経済をネガティブな面ばかりでなく、ポジティブにも把握しており、チャンスがあると見ているようです。「情報経済」には、先頭を走っていないと日本を見ています。しかし、2030年ごろには、日本の活躍を期待しているそうです。

・いま日本では「労働の問題」が盛んに議論されています。正社員が減少しているとか、「労働形態」、「長時間労働」、「過労死」、「残業時間」とか、「ブラック企業」の問題等です。高度成長期にはなかった労働状況がでてきているようです。「失われた20年」といわれますが、企業経営も外国の競争相手と戦う力も衰えてきているようです。イノベーションのみが、日本の選択肢であるとドラッカーは主張しているようです。

・「日本語の特殊性」が、強みであり弱みとなっているようです。グローバル化の時代には、インド人の英語力が強みになるとドラッカーは見ているようです。また観光大国を目指して、受け入れ側の英語教育も熱が入っているようです。「日本語」という壁が外国人には、参入障壁になっているようです。「移民」を認めなくても将来は日本に「職」を求めてくる外国人労働者が1千万人くらいになるという説もあります。人口減少の将来は、「定年のない会社」が増えたりして「労働革命」が起こるかもしれません。アメリカの事情は詳しくは知りませんが、アメリカは「定年のない会社」がほとんどといわれます。日本の「労働革命」への道は平たんなものではないようです。

・世界がビジネス社会化する一方では、「イスラム国」やウクライナなどのように戦乱地帯も増えていくのかもしれません。特に経済が破綻している地域は、戦争に道を求める手法が選ばれるようです。米国の「競争至上万能主義」、「ビジネス至上万能主義」、「マネジメント至上万能主義」の「精神的資本主義」の国では、発展途上国や後進国との格差が大きく開いていくそうです。さまざまな世界中の「格差の問題」も大きくなってきています。

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・ブログ名称: UFOアガルタのシャンバラ

日本は津波による大きな被害をうけるだろう

・第2のブログ名称:UFOパラレル・ワールド

「神の国か?」「人類の原郷か?」 「天上のエルサレムか?」・・・・・・・・・

「パラレル・ワールドに住む宇宙人、天国に出入りし転生と憑依を自由に操るシリウス星人の殖民星が、地球か?」、「ネガティブのシリウス星人の地球支配があまりにも巧妙なので、しょっちゅう戦争が起こるのだろうか?」

「金髪碧眼のノルディックが住んでいたアガルタのシャンバラ情報の集大成を目指す・・・・・・・・・・」「金星蛇人と火星霊人の戦争はその後どのように展開したのだろうか」
「日本民族の神話の原郷『高天原(たかまがはら)』は、『都市型の超巨大宇宙船』なのか!?」「平家がプレアデス星人の末裔で、源氏がオリオン星人の末裔なのか」
「小人族のグレイの母船に同乗する金髪碧眼のノルディックは、”悪魔の王””ルシファー”なのか?!」

「円盤は神人や異人、悪魔の乗り物なのか!?」「天使は神の秘密諜報員なのか」「神は最初のフリーメーソンなのか」

「UFOは、人類の歴史が始まって以来、最も重要な現象なのか。UFO問題とは、人間にとっての死の問題を解くことなのだろうか。UFOはフリーメーソンの創作なのか」

「全宇宙を創ったという“虹の神々”も地球に来ているのだろうか」

「イルミナティなどのフリーメーソン組織に入ると神に会えるのだろうか」「金星の神々は地球に到着するやいなや、イニシエーションのためのフリーメーソン本部を設けたのだろうか」

「国際連合の設立に動いたキリストの星、アプ星人とは」

「人は皆、記憶喪失の異星人だろうか」

「はるかに進化した天使のような宇宙人は、人間の守護霊や背後霊なのだろうか」

「セドナ上空に見えないエーテルのシティが滞空するのだろうか」

 

グーグルのブロガーにも書いています→UFOパラレル・ワールド

 

 

 

 

夏季の北極海氷は、いまやその半分以下へと減少し、遠からず海氷のない夏を迎えるだろうと予測している。(5)

  • 2018.02.11 Sunday
  • 20:49

 

『未来を透視する』

(ジョー・マクモニーグル) FBI超能力捜査官

(ソフトバンク・クリエイティブ)2006/12/21

 

<気象変動>

来るべき気象変動により、2008年からこの台風の発生回数は増えていくと私は、予想している。とくに2011年は過去に例を見ない台風ラッシュとなり、大規模な暴風雨が吹き荒れる深刻な年になるとの透視結果が出ている。この台風ラッシュは、2012年にずれこむかもしれないが、可能性は低い。嵐の増加を促す地球の温暖化は、現在も急速に進行中だからである。

2010年から2014年にかけて、また、2026年から2035年にかけて、平均降雨量は年々560〜710ミリメートルずつ増加する。現在から2010年にかけて、また、2015年から2025年にかけては、380〜530ミリメートルずつ減少する。現在から2010年にかけて、また、2015年から2025年にかけて、平均降雪量は300〜550ミリメートルずつ増加する。

 

『未来を透視する』   ジョー・マクモニーグル

ソフトバンク・クリエイティブ    2006年12月26

 

<日本の自然災害>

<2010年、長野で大きな地震が起きる>

・透視結果を見てもうろたえず、注意程度にとらえてほしい。ただし、最悪の事態に備えておいて、何も起こらないことを願おう。こと天災に関しては、透視は間違っているほうがありがたい。

<今後、日本で発生する大地震>

2007年  高槻市  震度6

2008年  伊勢崎市 震度6

2010年  長野市  震度7

2012年  伊丹市  震度6

2018年  東京都  震度6

2020年  市川市  震度6

2037年  鈴鹿市  震度7

噴火や地震にともなって海底では地盤の隆起や沈降が起きる。そして、膨大な量の海水が突然動きだし、衝撃波となって陸地の海外線へと進行する。

遠洋ではあまり目立つ動きではないが、浅瀬に入ると、衝撃波は巨大な津波となって陸地を襲い、都市部などを徹底的に破壊してしまう(波の高さはときには30メートル以上になることもある)。

内陸へと押し寄せる力がピークに達すると、今度は海に戻り始め、残された街の残骸を一切合財引きずりこんでいく。警告もなしに、突然襲ってくれば被害はとりわけ甚大となる。

幸い日本には、優良な早期警戒システムがあるのだが、海底地震が発生して警報が発令されてから、津波が押し寄せる時間は、残念ながらどんどん短くなっている。

<日本を襲う津波>

2008年夏   11メートル

2010年晩夏  13メートル

2018年秋   11メートル

2025年夏   17メートル

2038年初夏  15メートル

2067年夏   21メートル

日本は津波による大きな被害を受けるだろう(なお、波の高さが10メートル以上に及ぶものだけに限定している)。北海道の北部沿岸の都市部は特に津波に弱い。徳島市、和歌山市、浜松市、鈴鹿市、新潟市、石巻市も同様である。このほかにも津波に無防備な小都市は数多くある。

<土地>

・気象変動とともに、日本の土地問題は悪化しはじめる。沿岸部での海面上昇と、暴風雨の際に発生する大波によって、低地の村落と小都市の生活が脅かされるようになる。堤防や防壁といった手段は効力を発揮しないため、2012年から2015年のあたりまでに多くの人が転居を余儀なくされるだろう。

 

『ドラッカーの遺言』

ピーター・F・ドラッカー 講談社 2006/1/20

 

情報化が進展する新時代の世界経済のもとで、最も苦労する国は日本である―――

<時代の変わり目に入る自覚を>

・重要なのは、「時代の変わり目」にいま自分がいるということを明確に認識できることです。

<日本の“いま”>

<20世紀の歴史を作った国>

・かつて私は、「隆盛を極めた日本の歴史こそが、20世紀の世界史そのものであり、現在の世界経済を生み出したのは日本である」と主張しました。どんな側面を採り出しても、いかなる観点から分析しても、日本が他の国に比べ、少なくとも同等か、それ以上の成功を収めてきたからです。

通用しなくなった武器

・しかし、先に詳しく紹介した「時代の変化」が、あなたたちの国を苦しめています。前世期には万能の武器とも思えるほど威力を発揮し、日本をかつてない大成功に導いた旧来の手法が適用しなくなり、あまつさえ足かせになってしまう状況が訪れたからです。

<「日本の危機」の嘘>

・「失われた10年」という言葉に代表されるように、この十数年間、「日本が危機的状況に瀕している」という言われ方が幾度となく繰り返されてきました。――明らかな間違いです。日本が直面しているのは危機ではなく、時代の変わり目=移行期だからです。

<時代は変わった>

<変化を拒絶してはならない>

・日本がいますぐ取り組まねばならない課題――それは、時代が変わったことを認め、その変化に対応していくための意識改革です。それでは、日本が直面している変化とは何でしょうか。

<保護主義死す>

・一つめの変化は、日本を成功に導いてきた原動力である「保護主義」が適用しなくなったことです。情報がグローバル化し、トランスナショナルな経済の勃興で一国内での金融政策が無力化したことはすでにお話ししましたが、まさしくこの二つによって保護主義は息の根を止められました。

<情報革命に勝てない>

・かつては自国の農業を守るため、そして現在の先進国では製造業を守るために、保護主義的な政策が採られることがままあります。しかし、グローバル化した情報=すなわち情報革命と、保護主義とは、互いに相容れないものであることを十分に認識しなくてはなりません。

<自身の歴史を知らない日本>

・保護主義とはすなわち「変化への拒絶」ですから、新しい時代への入り口で足かせとなるのは自明の理であると言えるでしょう。保護主義と同様に前近代的な旧来の因習を引きずり、日本の変革を阻害しているのが官僚システムです。

<ローテーション制度を導入せよ>

<強固な防護壁>

・保護主義に絡めて一言申し添えるならば、最も効果的に日本を外部から保護しているのは「言語」であるということです。難解で、他の言語とは大きく異なった特徴を持つ日本語を母語にしていることは、関税など、他のいかなる保護政策よりも効果的に日本を守ってくれています。

<大いなる遺産>

・日本で外国人が務めることができるのは、経営トップとしての役目だけでしょう。現場の実務を担当するには言葉の壁が高すぎ、結果的に仕事は日本人が行うことになる。日本語の壁は、外部に対するかくも強力な盾の役割を果たしているのです。

<「言葉の壁」が作る影>

・しかし、言葉の壁に守られていることは、あなたたちの強みであると同時に、弱みであります。ただ、一つグローバル化された存在である情報の多くは、世界の主要言語たる英語で流通されています。先に紹介したインドの例とは対照的に、日本人は情報へのアクセスに苦労する可能性があります。

<”仕事“に起こった変化>

<進行しつつある二つの変化>

・日本が直面しているもう一つの大きな変化、すなわち労働市場で進行しつつある変化についてお話ししましょう。

 労働市場の変化には二つの側面があり、「労働の質」と「労働を担う世代」の両面で進行しています。

<国際競争におけるただ一つの尺度>

・「質」の変化としては、ブルーカラーが担ってきた「労働集約」的な仕事が重みを失い、ホワイトカラーが中心を成す「頭脳集約」的な仕事、すなわち「知識労働」がますます重要性を増してきました。

 私はかねて、現代の国際競争において意味を持つのは唯一、「知識労働における生産性」のみであると指摘してきましたが、その傾向がますます強まっています。

<企業に起こった変化

・労働の質を劇的に変えた原因は、企業に生じた大きな変化にあります。バブル期の日本企業に代表されるように、かつての国際企業はさまざまな国にできるだけ多くの資産を「保有」することを重視し、いかに資産――土地であれ、企業であれ――を増やすかに狂奔しました。

 しかし、21世紀の国際企業が最重視しているのは「戦略」です。いかに効率的に経営できるか戦略を練り、研究・開発をコントロールしていくかに知恵を絞る頭脳労働=知識労働が、その中心を成しているのです。

 実際アメリカでは、すでに単純労働的な仕事はなくなっており、製造業関連の労働者数は10パーセント強に過ぎません。他方、日本ではいまだに就業人口の20パーセントほどを占めています。

<飛行機の中で過ごす人生はムダ>

・新しい時代の製造業は労働集約型ではなく、頭脳集約型のものになるからです。アウトソーシングには不向きで、プロジェクトに従事する人間が顔と顔を突き合わせて、直接やりとりすることで進捗が見込めるタイプの仕事になります。

<いま求められている経営構造>

・議論をすべきは「雇用の輸出」に対する不安についてではありません。事業計画を立案し、設計やデザインを考え、マーケティングや研究開発に知恵を絞ること、そして自ら手がける必要のないものを選別して

アウトソーシングすること――すなわち、「戦略」を管理する経営構造の確立こそ、知識労働時代の最も重要な課題であるべきなのです。

20年後の日本に期待する

・この課題を乗り越え、知識労働の生産性向上に努めてゆけば、20年後の日本も、いまと変わらず世界の製造業のメインパワーであり続けるでしょう――計画、設計とマーケティングなど、高度な頭脳だけを国内に残す形で。

<新しい時代の企業像>

・新しい時代の国際企業は、従来の「すべてを自ら保有する形」から、「事業提携や合弁を基盤とした戦略型」にシフトします。従来の西洋の企業より、日本の得意とする経営手法に近いものと言えるでしょう。

 日本の企業は、きわめて明確に、新しい企業像を模索する方向に向かっている――私はそう考えています。

知識労働の生産性をいかに上げるか

・それでは、知識労働者の生産性を上げるには、何をすればよいのでしょうか。過去30年間にわたってこの問題に取り組んできた経験から見出した、いくつかの事実についてご紹介しておきましょう。この問題の大前提として、現代の“知識”が、その定義上、高度に専門化・細分化していることを把握しておかねばなりません。

昇進制度を整備せよ

・知識労働者のための昇進制度を整備する必要があるでしょう。

・知識を生産的にすることが、競争を可能にするただ一つの方策である。

<日本が進むべき道>

情報経済で立ち後れた国

・しかしながら、日本が直面している問題は、経済の停滞ではありません。問題は、あなたたちの国が情報技術の分野、ひいてはグローバル化した情報に基礎を置く世界経済=情報経済の進展の中で、ひどく立ち後れてしまっている点にあります。

<最も苦労する国>

・国際的な金融機関や製造業においては強みを持つ日本ですが、革新技術や情報の分野でリーダーになり得ていません。情報経済が主軸となる今後の世界経済の中では、日本が最も苦労する国になるでしょう。

<「日本の台頭」の本質

・第2次世界大戦後の日本が強大な力を発揮し、歴史上稀に見る発展をなし得たのは、自国内で事業を行い、独自の伝統的経営手法と労働力を保ちつつ、西洋の最新技術を導入することに成功してきたからです。日本の台頭とは、「和洋の統合に成功した企業の台頭」でした。

・情報経済が主軸となる新時代の世界経済のもとで、最も苦労する国は日本である。つねにイノベーションを追求し、新しい価値を生み出すことでしか、日本が生き残る道はない――。

<絶えざるイノベーションを>

・東洋に属しながら西洋の一部になり得たことが、日本を成功に導いた最大の要因ですが、その結果、日本は非常にハイコストな国になってしまいました。ハイコストな日本が生きていくためには、絶えざるイノベーションと、それによって生み出される新しい価値を輸出し続けていくことが要求されます。

<情報技術をリードする存在になれ>

・日本には情報技術に関する潜在能力はありますが、いまだ成果を挙げることができずにいます。情報技術の分野でイノベートする術を学び、進展する情報経済の中でリーダーとならなければ、日本が生き残る道はないでしょう。

<チャンスに目を凝らせ>

・あなたたちの多くが「問題重視型」の思考様式に囚われていて、「機会重視型」の発想を持っていないことを危惧しています。

<変化の陰に好機あり>

・繰り返しになりますが、私たちはいま、転換期に生きています。ところが、多くの人々は、そのことを理解していません。変化は予測できず、理解することも困難で、みなが考える常識に反する形で起こるからです。しかし、変化した現実に考え方をすり合わせていく過程にこそ、好機は訪れます。

<成果を挙げる唯一の方法>

・絶えざるスキル・アップを達成するために最も重要となるのは、自分の強みを把握することです。自分が何を得意とするかを知り、磨きをかけていく――これこそ個人のイノベーションの要諦であり、成果を挙げ続けていくための唯一の方法です。

・ところが現在では、学校教育の修了時こそ、真の意味での学習の開始時期を指し示しているのです。

<「株主資本主義」の嘘>

・株主の利益を最大化することに努めるこの考え方は、事業における最優先順位に混乱を生じさせます。事業にとって、あるいは経営者にとって、最優先すべきは決して株主ではありません。経営者が自身や株主の利益を考え始めたら、決して事業がうまく回転していくことなどありえないのです。

・20世紀の著述家で、ピーター・ドラッカーほど、より多くの人に、より甚大な「良い影響」を与えた人物はいないでしょう。世界中のどこでも、経営者が労働者に存分の腕を振るわせているところには、ドラッカーが存在しています。経営者が「その人間性で人を導き」「結果を重視して経営する」ところには、ドラッカーの存在があるのです。従業員がコストではなく“パートナー”として扱われているところにはドラッカーの存在があるのです。


■■■ 私が思うこと、聞いたこと、考えること ■■■

 

・北極の氷が地球温暖化でだんだんと融け出して、様々な天候異変が起き、水位の上昇、地下資源の採掘や夏期の航路を開拓したりできると語られています。地球温暖化により干ばつや大洪水も起きたり、逆に寒波による寒冷地化もひどくなる地域があるようです。地域によっては大寒波が襲来して寒暖の差が大きくなるリスクもあると指摘されています。干ばつや飢饉で、未来には国際間の「水争い」が激しくなるといわれます。地球温暖化による天候異変リスクは、世界的に影響を及ぼしています。未来には海面の水位が上昇して、水没する海岸地帯もでてくるそうです。

 

・ネット情報によると、「大寒波の到来で都心で−3度を3日連続して記録したのは1963年の38豪雪以来の出来事」とのこと。地震や津波のリスクに加えて、天候異変による大雨による土砂崩れや洪水のリスクも増大しています。二酸化炭素濃度についても「2016年度の世界平均CO2濃度(二酸化炭素濃度)が過去80万年で最高記録を更新」と報道されています。世界中で天候異変による大災害が頻繁に起こっています。「天候異」変については、事態は悪い方向に、ひどく速いスピ―ドで向かっているといわれます。それで人類の未来は明るいとはいえないようです。

2017年の12月の乾いた強風「サンタアナ」によって史上4位の規模に拡大したカリフォルニアの山火事のように、「異常気象」による大災害に世界の人々は頻繁に、被災していくようです。

・人口減少にともなってさまざまな社会的な変化が起こってきています。現在の「人手不足」は深刻になっていくようです。そこで企業では、さまざまな手を打っているようです。例えば、外国人労働者の研修生をいれたり、外国人を正社員として採用したりしています。移民を認めなくても将来は1千万人程度の外国人労働者が日本に職を求めて住みつくといわれます。しかしながら、「移民の問題も移民に土地を与えることができないので受け入れられない」といわれます。さまざまな議論が「移民の問題」についてあるといわれます。高齢者や主婦の就業機会も増えているようです。このように「労働革命の兆し」はいたるところで社会現象となっていくようです。長時間労働や過労死、非正規雇用の問題なども、「労働革命」にいたる摩擦の過程現象と指摘されています。労働社会の変化は、著者の言うように「年功序列の終わり」「正社員と非正規社員の格差解消」「男女逆転」「外交人労働者の登用」「業界再編・伝統企業の倒産」「スタートアップの隆盛」「第4次産業革命」「交通革命」「グローバル化」といった潮流を急速に招きよせるようです。「今後、既得権を失う「おじさん」と、時代の追い風をうける「女性」の出世争いが過熱していくはずです」という風潮が「労働革命」を進めていきそうです。女性管理職を活用してこなかった大企業の劣化はひどいものだといわれます。大企業の「東芝」の問題もメディアには想定外だったといわれます。

「女性の登用も先進国とはいえない」そうです。女性の眼から見ると「政治や経済の後進性」を痛切に感じることでしょうか。ヒューマンリソースの活用では、女性が最も活用されていないと指摘されています。日本の1人あたりの生産性は、先進国としては驚くほど低いのですが、改善をするためには女性の活用にかかっているといわれます。高齢者と女性の活用で、かなりの問題を解決できると指摘されています。「女性管理職の活用」が「労働革命」「能力主義の貫徹」のエンジンになるのかもしれません。世界的に遅れているといわれる1人当たりの「生産性」の向上は、女性の活用によって達成されるでしょう。しかし、法律的なバックアップが十分ではないといわれます。「労働革命」が進むにつれて、「働き方改革」や職業の内容も大きく変化するといわれます。また近未来では、終身雇用的な体制が弱まるといわれます。雇用形態や雇用時間が変わり、採算の取れない古臭い職業は、消えていくことでしょう。産業の空洞化ということも、海外進出の見直しがすすむといわれます。機械化、ロボット化が一層進み、第4次産業革命が本格化することでしょう。

・2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでは、何とか経済がまわるかもしれません。また万博も計画されているといわれますが、アベノミクス以後の大胆な経済政策がうてるのかどうかも懸念されています。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの準備は非常に大事です。しかし、首都直下大地震津波、南海トラフ巨大地震津波の発生リスクに対する準備も必要です。東日本大震災のショックで、遅れていた関係者の認識も非常に厳しいものになっています。「想定外の天災」ではありませんので、被害を最小にしたいものです。「2020年は団塊世代の卒業式」ですが、高齢者は、「100歳寿命」で一層活躍ができる社会になっていきそうです。「政界再編」としては「2021年までは安倍政権が続いたとしても、その後を担うリーダーたる人材がいません」と述べられます。私たち一般人には、「政界のシナリオ」については理解不能なことが多いようです。「対抗軸となるべき民進党もまず復活の芽はないでしょう。(2020年まで存続しているかどうかすら怪しい)」ということも、はたしてどうなるのでしょうか。

・「天国でも経営コンサルタントが必要である」といわれるくらい経営コンサルタントの活躍のすそ野は広いそうです。私たち一般人は、経営コンサルティングの世界には詳しくはないのですが、企業の存続、サバイバルが難しくなっている状況は、人口減少で、ますますひどくなるのではないのでしょうか。経営コンサルタントを必要としない大企業は別として、動きが激しい現代では中小企業においては、誰かに経営アドバイスを受けたくなるようです。

・会社経営と国家経営は似ているようで違うようです。前者は、会社収益を柱とし、後者は公益、国益を柱とします。ミクロの会社とマクロの社会ということで、会社経営の方が、難しいようです。これからの日本は人口が減少し、2083年には半減のレベルまで到達することが予測されています。将来、国内市場は半減することになりますので、企業経営や国家経営には懸念材料となることでしょう。

・会社社会でもパートなどの労働形態が変わり、サラリーマンの雇用・転職など時代とともに大きな変化が起きているようです。「私のコンサルティング経験の約60%は、本質的には事業承継にまつわる課題であった」ということで、事業承継にも新しい時代の流れが押し寄せているようです。日本における職業の数は約2万8千種類だそうですが、人口減少の時代にむけてどのように変わっていくのでしょうか。採算の取れない古臭い職業や後継者のいない商店は、なくなっていくことでしょう。「人手不足倒産」も懸念されています。

・人口減少は大きな政治社会問題ですので、少子高齢化については10年程前からよく議論されてきたようです。が、私たち一般人は、政府の対応策については詳しくありません。当然ながら、各省庁では日本全体の長期計画を作成していることでしょう。人口を増やす施策も実現をすることは難しいようです。外国の例ではフランスの対策に学べという説もあるそうですが、すでに人口の減少はストップできないようです。当然ながら、全国の自治体やシンクタンク等の研究機関でもシミュレーションや対策を研究しているようです。「官庁はわが国最大のシンクタンク」ですので、活発に機能しているのでしょう。

・無理に人口を増やすことはできないようです。そこで、人口減少の現象には、それなりに企業は「自助努力」をする必要があるようです。たとえば、大学の学生数も減りますので、経営がうまくいかない大学も増えてきているようです。未来には倒産する大学もでてくると報道されています。留学生を受け入れるのも限界があるようです。労働力も減りますが、大量の「移民」をいれようという議論は少数説のようです。やはり日本的な一体性を保ちたいということと、ヨーロッパ諸国が移民で社会的な問題を抱えていることも現実の難問としてあるそうです。「移民の問題も移民に土地を与えることができないので受け入れられない」といわれます。移民大国のアメリカでも1400万人の不法移民が大きな社会問題となっており「格差社会」も深刻のようです。また日本でも移民を認めなくても、世界中から「職」を求めて、将来は1000万人くらいの外国人労働者が日本に移り住むという説もあるようです。実際に観光客ばかりでなく外国人労働者も田舎の街中にも増えてきているようです。

・日本国の借金に関して「子供たちに借金を残すな」という議論が政界で多くありましたが、人口減少問題については、将来の子供たちのためにも官民一体の「知恵と工夫」が必要のようです。また、amazonに「人口減少」といれますと3284件がわかりますが、「地方消滅」も懸念される深刻な問題になりそうです。今の時代、国民の血税のタックス・イーターが増殖しているのかもしれません。

・『日本最悪のシナリオ 9つの死角』では、<最悪のシナリオ>として、尖閣衝突、国債暴落、首都直下地震、サイバーテロ、パンデミック、エネルギー危機、北朝鮮崩壊、核テロ、人口衰弱が挙げられています。人口衰弱は、確率的に統計的に予想されています。また首都直下大地震津波、南海トラフ巨大地震津波は、東日本大震災により、発生確率が非常に高いと関係機関から警告されています。政府も当然のことながら、様々なシナリオを検討して対策に余念がないと思われます。「想定外」の事態が起こらないように検討していきたいものです。危機に対応する政策は政府やシンクタンク等が準備していると思いますが「日本的な対応の弱点・死角」もあるといわれます。

・人口減少もマイナス面ばかりでなくチャンスに変えて「労働革命」の契機にする必要があるといわれます。「日本は先進国だろうか」という声も街中では増えてきているようです。「女性の登用も先進国とはいえない」そうです。女性の眼から見ると「政治や経済の後進性」を痛切に感じることでしょうか。女性の登用も「労働革命」のひとつですが、その途上には、長時間労働等、さまざまな軋轢。摩擦を生じていきそうです。

・『人類が絶滅する6つのシナリオ』では、可能性としてスーパーウィルス、気候変動、大量絶滅、食糧危機、生物兵器(バイオテロリズム)、コンピュータの暴走(ハッキング)が、リスクが非常に大きいとみています。生物化学兵器は「貧者の核兵器」といわれています。スーパーウィルスの懸念も専門家では問題とされているようです。「人類は細菌で滅びる」という奇説・怪説もあるようです。核戦争も、核兵器の拡散がどの程度までになるのか、予断を許さないようです。気候変動も近年明らかな異常気象に見舞われております。世界的な規模で起こっており、農業への影響も甚大です。ウィルスも新種が出来ているようで、難病、奇病が増えているようです。ガンで死亡している人も多いですが、未発見の発がん物質でもあるのでしょうか。

<●●インターネット情報から●●>

リオ五輪 ジカ熱より怖い豚インフル…すでに1000人超死亡

(産経新聞 7月3日(日)14時0分配信)

「南半球のブラジルはこれからが冬季。蚊を媒介にしたジカ熱の収束が期待されるが、ところが今度は豚インフルエンザの拡大が懸念されている。ブラジル保健相が6月22日、今年1月からの死者が1003人となったと発表した。気温が下がる8月頃までがピークで、感染者が増える傾向にあるという。五輪が8月5日から開催されるリオデジャネイロ州では150人の感染と44人の死亡が報告され、選手にとっては新たな不安材料だ。経済の低迷や政治危機、多発する犯罪に加え、リオ五輪を取り巻く環境は厳しさを増すばかりだ」と報道されています。

ブラジルもオリンピックで浮かれていることができなかったと述べられます。感染症ばかりでなく「多発する犯罪」で、観光客がオリンピックに行きたくなかったそうです。青少年の路上強盗もひどいといわれます。

二酸化炭素濃度の問題も目に見える形で「地球の温暖化」による異常気象を招いています。しかし、トランプ米大統領は2017年6月1日、地球温暖化対策の国際的枠組みであるパリ協定から離脱 すると発表しました。エネルギー問題や食糧不足、そして101億人への人口増加に、特に急増するアフリカが対応できるとは思えません。「最悪のシナリオ」が実現すれば、人口は激減する可能性があるようです。鳥インフルエンザウィルスも突然変異が起きると非常に怖いものになる可能性があるといわれます。コンピュータのマルウェアの問題やインターネットのサイバーテロも深刻化するようです。サイバー犯罪も近未来には激増するという予想もあるようです。

・バングラデシュの事件も「海外援助」の問題を再検討する機会になると思います。海外援助は、様々な問題を抱えており、「甘い国際感覚」では、実効性にあるものにはならないといわれます。日本の海外援助にも大胆な「改革」が必要のようです。海外援助には数十年のノウハウが蓄積されていますが、「大幅な見直し」が必要であるといわれます。社会の遅れた面、非近代性、後進性、頭の古い面が予想以上に増えてきています。改革の速度も大変遅いようです。本当に優れた官僚や政治家が登用されてこなかった結果だともいわれます。叡智やノウハウが十分に生かされていないそうです。政府にはベスト&ブライテストが集結しているはずですが?!「外国では様々な意味で甘い国際感覚の日本人が狙われている」といわれます。

夏季の北極海氷は、いまやその半分以下へと減少し、遠からず海氷のない夏を迎えるだろうと予測している。(4)

  • 2018.02.11 Sunday
  • 20:46

 

『こうして世界は終わる』

すべてわかっているのに止められないこれだけの理由

オミ・オレスケス  エリック・M・コンウェイ

ダイヤモンド社   2015/6/25

 

<文明崩壊をシュミュレーションする

・設定は西洋文明(1540〜2093)の終焉から300年後。ここに示されているジレンマは、「知の申し子」である私たちが、気候の変化に関する信頼性の高い情報を持ち、いずれ危機的状況が訪れることを知りながら、なぜ適切に対処できなかったのかということだ。

 語り手である歴史家は、西洋文明は第二の暗黒時代に突入していて、そこに渦巻いていた“自由主義”という強迫観念に根ざした否定と自己欺瞞のために、大国が悲劇を前にして何もできなくなっていたと結論を下している。

・ではここからは、第二次中華人民共和国に住む未来の歴史研究家が、大崩壊・集団移動の時代(2073〜2093)を導くことになった「暗雲期」と呼ばれる時代(1988〜2093)の出来事について語る。

北極で氷がなくなるのは「時間の問題」

夏に北極の氷がなくなるのは時間の問題であり、それは深刻な事態だと、科学者は理解していた。しかし実業界、経済界では、それがさらなる石油やガス開発のチャンスと見なされた。

気温上昇4℃で、熱波と干ばつが常態になる

・2001年、気候変動に関する政府間パネルは「大気中の二酸化炭素濃度は2050年に倍になる」と予測した。

 実際は2042年に、そのレベルに達してしまった。科学者は気温が2℃から3℃上昇するマイルドな温暖化を予想していたが、実際には3.9℃上昇した。

 もともと予測自体は単に議論のための数字で、物理学的な意味は特になかった。しかし二酸化炭素濃度が倍になったのは、非常に重要だった。

 それに対応して気温上昇が4℃に達したとき、急激な変化が起こり始めたのだ。2040年には、熱波と干ばつは、ごくふつうのことになっていた。

・しかし海面の上昇は、この時点では地球全体で9センチから15センチにとどまり、海岸地域の人口はほとんど変わらなかった。

「虫の大発生」で病気が爆発的に広がる

・そして2041年の北半球の夏、かつてないほど熱波が襲い、世界中の作物が枯れ果てた。

 人々はパニックに陥り、大都市ではほぼ例外なく食料をめぐる暴動が起きた。栄養不良、水不足による大規模移民、そして虫の大量発生が重なって、チフス、コレラ、デング熱、黄熱病、さらにそれまで見られなかったウィルスやレトロウィルス性因子による病気が広く流行した。

 また虫の大発生によって、カナダ、インドネシア、ブラジルで大規模な森林破壊が引き起こされた。

エネルギー・インフラはすぐには変えられない

・また世界のエネルギー・インフラを変更するには10年から50年かかるが、そこまではとても待てない、ましてや大気中の二酸化炭素が減る

のに必要な100年も待つのは無理だという声があがった。

永久凍土が解け、シロクマが絶滅する

・はたしてこれが急激な温度上昇によるものか、すでにぎりぎりの状態だったのかはわからないが、温室効果が世界的な臨界点に達した。2060年には、夏季の北極で氷が見られなくなっていた。

海面上昇で、地球の「大崩壊」が起こる

その後の20年間(2073年から2093年)で、氷床の90パーセントがばらばらになって融解し、地球のほとんどの地域で海面が約5メートルも上昇した。

 そのころ以前から南極氷床より不安定と考えられていたグリーンランド氷床が、同じように解体し始めた。夏季の融解がグリーンランド氷床の中心部まで達し、東側が西側から分離した。その後に大規模な分裂が起こり、平均海面がさらに2メートル上昇した。

「人口大移動」から全生物の7割が死ぬ

・海面が8メートル上昇すると、世界の人口の10パーセントが住む場所を移動せざるを得なくなると予想されていた。しかしそれは過小評価だった。実際に移動したのは20パーセント近くにのぼった。

「集団移動」の時代と呼ばれているこの時期については不完全な記録しかないが、世界中で15億人が移動したと考えられている。

 海面上昇による直接的な影響による移動もあれば、気候変動の他の影響によるものもあった。

・このときの集団移動は、第二の黒死病流行の一因となった。新しい系統のペスト菌がヨーロッパで発生し、アジアと北米に広がったのだ。中世にペストが流行したとき、ヨーロッパには人口の半分を失った地域もあった。この第二の流行においても同じくらいの被害があった。病気は人間以外の生物にも広がった。

 20世紀には地上の生物種の目録をつくっていなかったので、正確な統計は不足しているが、全生物種の60から70パーセントが絶滅したという予測も、非現実的とは言えないだろう。

<なぜ中国は切り抜けられたのか?

<「中央集権国家」が生き残った皮肉

・「大崩壊」の破壊的な影響が現れ始めたころ、民主主義国家(議会制も共和制も)は、次々と起こる危機への対処を渋っていたが、やがて対処が不可能となった。食料不足、病気の流行、海面上昇といった現象が起こっても、これらの国家には市民を隔離したり移動させたりするインフラも、組織的な力もなかった。

 しかし中国ではやや事情が違った。他のポスト共産主義国家と同じく、中国も自由主義への道のりを歩んでいたが、強力な中央集権政府は残っていた。

 海面が上昇して海岸地域が危険にさらされたとき、中国はいち早く内陸に都市や村をつくり、2億5000万人を安全な高地へと移動させた。

・生き残った人々の多くにとって――これはこの話の最後の皮肉といえるが――中国が気候変動による災害を切り抜けたことは、中央集権政府の必要性の証明となった。そのことが第二次中華人民共和国(「新共産主義中国」と呼ばれることもある)の誕生につながった。

 立て直しを図った他の国々も、同じようなモデルを採用した。

フィクションとして書く利点はたくさんある。>

・本書の語り手を第二次中華人民共和国の住人にしたのは、中国では一定期間、自由化と民主化に向かったあと、気候変動による危機に対処しなくてはならないという理由で、専制的な権力者が再び現れるという想像からです。

・中国文明は西洋文明よりはるかに歴史が長く、数多くの困難を乗り越えてきた。今の中国政府が持ちこたえるかどうかはわからないが、――国内情勢はかなり緊張している――中国と呼ばれる場所がなくなっている未来は想像できない。

・フィクションとして書く利点はたくさんある。一つには、ふつうの歴史研究家にはできないやり方でテーマをみせられること。フィクションはそれほど出展に縛られない。

・――本書の最大の皮肉の一つは、最終的に新自由主義体制では気候変動による災害を防ぐための行動を適切なタイミングでとれなかったこと、そして指揮統制という政治文化を持つ中国が、組織的に大規模な措置を行うことが可能で、国民を救えたということでしょう。このシナリオはかなり大胆な推測ですね。

・本書『こうして、世界は終わる』はどんなジャンルの本なのか、ひとことで説明するのは難しい、時代設定は西暦2393年。温暖化による海面上昇で西洋文明が崩壊してから、300年の時間がたっている。第二次中華人民共和国の歴史研究者が20世紀から21世紀(つまり私たちが生きている今現在)を振り返って近未来SF小説のように聞こえるが、災害のドラマチックな描写も、SFにはつきものの新しいテクノロジーもない(一つだけ、大気中の二酸化炭素量を減らすあるものを、日本人の女性科学者が開発したということになっているが)。

 

『いま、眼の前で起きていることの意味について』

―行動する33の知性

ジャック・アタリ   早川書房   2010/12/17

 

<現実に意味を与える>

・事件であれ自然現象であれ死であれ、あらゆることを説明のつかないままにしておけないのが人間の本質である。人間はみずからの歴史に理解できない要素があると、それがどんなに些細なつまらないものであっても、容認できたためしがない。理解しないとは予測できないことと同義であり、さらに言えば脅威を予測できないことを意味する。これではあまりにも心もとない。

・目の前の現実にどのような意味を与えるか、それを決めるのは、この世界の最終的な当事者である人間にほかならない。

<気候をめぐる諸問題

<気候変動について分かっていることは何か

・いまわかっているところでは、今世紀末までに地球の気温はおよそ2℃から6℃上昇する見込みです。2℃なら対処可能ですが、6℃となると影響は甚大です。

 気温が6℃高い地球がどのようなものか、我々にはまったくわかりません。さらに、これはあくまでも平均気温であって、地域によってはより深刻な危険にさらされるおそれがあります。簡単に言えば、北極または南極に近づけば近づくほど、温暖化が顕著になるのです。

・温暖化の概念が、現在問題となっている気候変動をやや単純に要約したものであることも忘れてはなりません。現実には暴風雨や熱帯低気圧といった異常気象の増加、少なくともこうした現象の深刻化が数多く付随しています。熱帯低気圧は年々勢いを増してヨーロッパを襲っているし、海面は予想を超える速さで上昇しています。加えて我々は、たとえば、“奇襲型気候”に備えておかなければなりません。暖流のメキシコ湾流の流れに変化が生じれば、フランスは温暖化ならぬ寒冷化に向かうおそれがあります・・・。

<気候の将来>

・今日では、化石燃料の燃焼によるCO2の排出と気候の変化とが関連していると考えられる。原因が何であれ、結果については一般に知られているとおりである。

 気候変動によって北極の流氷が消え、北極圏が深刻な変質を被るおそれがある。やがては移住を強いられる住民も出てこよう。他方、淡水の水源が発見されるとともに、石炭の鉱脈や油田が利用可能になるだろう。

・そして、地球の北と西を結ぶ交通が開け、中国・ヨーロッパ間、ヨーロッパ・カリフォルニア間の航路が大幅に短縮される。カナダ、ノルウェー、アメリカ、ロシアを含む沿岸8カ国は激しい競争を繰り広げるだろう。ナタリー・コシュスコ=モリゼが言うように、気候変動はまた北半球の海の寒冷化を引き起こし、その影響でメキシコ湾流が、そしてヨーロッパが寒冷化へと向かうかもしれない。

標高の低い国々は洪水に見舞われるおそれがある。まずモルジブ共和国が犠牲になる。次いで、ヒマラヤ山脈とガンジス、プラーマプトラ、メグナの三河川とベンガル湾に挟まれ、もっとも高い地点が海抜47メートルしかない。約3億人の人口を抱えるバングラデシュの大部分が地図から消える。さらに、とりわけサハラ以南のアフリカの国々が水没すると考えられる。これによって2億人から20億人の“環境難民”が生じるという予測もある。

・気候が様変わりして温度が上がれば、水の(農業、人間、動物、自然、産業のための)需要は増える。だが水の一人あたりの可能供給は減っている。人口が増大し、農業に大量の水を使い(現在使用される水の70%以上)、水資源は増えず、人間は豊作物を直接口にするよりもそれを飼料として肉に変える事がほとんどだからだ。水の必要量は消費するカロリーに比例する。産業の場合も同じである。

したがって、イスラエルをはじめとする国がすでに着手しているような農業用水の管理を採用し、海水を淡水化する技術を活用しなくてはならない。これからの問題は水が手に入るかどうかではなく、水に不自由する人々に水を買う経済的余裕があるかどうかになる。

・50年から100年先には、温暖化によってロシアと中国とのあいだに軍事衝突が起こる可能性がある。イスラム教を信仰する中央アジアの民族はすでにある程度、中ロ間の火種になっている。

 気候に及ぼす二酸化炭素の影響を減らすために、国あるいは国際機関によって炭素税が課され、その税収で世界のインフラを整備するしくみが実現するかもしれない。

・この先何が起ころうと我々が必要とするエネルギーの20から30パーセントは、30年後には代替エネルギーになるだろう。だが問題もある。提言に従って洋上に風車を建設していくと、フランスの海の景観は惨憺たるものになる。

 いま我々が持ち合わせている選択肢は、二酸化炭素で大気を汚すか、原子力発電によって生じる放射性廃棄物で地下を汚すか、の二つしかない。

・いまから50年もすれば、太陽光発電の技術は他のさまざまなエネルギーに完全に取って代わるだろう。現在の技術水準でも、サハラ砂漠の一部を太陽光パネルで覆えば、アフリカ全土にエネルギーを供給できる。

 

『未来を透視する』

ジョー・マクモニーグル ソフトバンククリエイティブ 2006/12/26

 

自然災害

2014年〜2023年、ハワイ諸島で大きな火山活動が発生する

・今後百年の間に以下に挙げる地域でほぼ間違いなく大きな地震が起こるだろう。いずれもリヒタースケールでいうと、少なくともマグニチュード8.5から8.8。まさに壊滅的な大地震だ。詳細は年表で示すが、年代は前後に5年位の誤差を見ておくのがいい。

2013コム(イラン)

2013〜2015ロサンゼルス

2018カタニア付近(伊シチリア)

2022シワス付近(トルコ)

2022〜2023サンフランシスコ

2026マハチカラ付近(ダゲスタン共和国)

2028ムルタン付近(パキスタン中央部)

2031メキシコシティ(メキシコ)

2033蘭州付近(中国)

2038グアテマラ・シティの東方280km

2039愛知県名古屋市と三重県松坂市の間

2041バルディビア(チリ南方)

2044トルヒーヨとチクラヨの間(ペルー)

2050ニューヨーク州の北部

2056ラパスから160km南方(ボリビア)

2056アムラバティ(インド中央部)

2056ミンダナオ島(フィリピン)

2061サンディエゴ(カリフォルニア)

2071ビスクラ付近(アルジェリア)

2077アンカレジとキーナイの間(米アラスカ)

2078衡陽(中国南部)

2035年までに、米国では真水の確保が大きな問題となる

また、2030年までには、北米の低地、それも中西部の大河沿いの地域で、洪水がいまよりもはるかに頻繁に起きるようになる。

・気象変動と継続的な水位上昇の結果、2041年までに、世界中の大都市で一部区域が放棄されるか、居住・事業以外の目的に転換されるだろう。

・2050年の終わりまでに、世界中の沿岸部全域で平均水位の大幅な上昇が始まる。同時期に飲料水の確保も問題になるだろう。これに先立ち、2038年までに、平均海面の上昇が始まる。上昇の度合いはだいたい75センチから120センチメートルくらい。北極と南極の氷冠が急激に解け出すのが原因だ。融解現象はすでに始まっているが、2038年ごろにはさらに加速している。2080年までに、極地の氷冠はほとんど消え去るだろう。

・2055年までには、飲料水を運ぶ数多くのパイプラインが、南北のアメリカ大陸をまたがるようにして張り巡らされているだろう。

・気象変動のもう一つの影響として、ハリケーンの頻度と破壊力がぐっと高まることも挙げられる。米国では2025年までに、年間平均25から30回発生するようになり、少なくとも2回は壊滅的な被害をもたらすだろう。

2041年、日本とハワイを結ぶ太平洋上に、新たに列島が隆起する

・日本とハワイを結ぶ太平洋上の真ん中に、新たな列島が形成される。まず、海底火山の大規模な噴火活動が9年間続いた後、2041年に最初の島が海上にあらわれる。

 

『2050年の世界地図』  迫りくるニュー・ノースの時代

ローレンス・C・スミス   NHK出版  2012/3/23

 

人類の未来にとって「北」の重要性が拡大することーを、まったく初めて見いだそうとしていた。>

・私の専門は気候変動の地球物理学的影響だった。現地で河川などの流量を計測し、氷河の先端を調べ、土壌サンプルを採取するなどした。 

・科学的研究から、北部地方(北半球北部)では気候変動が増大しはじめていることがわかったが、その結果、北部地方の住民と生態系はどうなるのだろうか。

・政治的および人口構造的な傾向、あるいは、海底の下に埋蔵されていると考えられている膨大な化石燃料については、どうだろう。世界各地で増大している、さらに大きな温暖化の圧力によって、地球の気候はどう変化しているのか。そして仮に、多くの気候モデルが示唆するように、地球が殺人的な熱波と、気まぐれな雨と、からからに乾いた農地の惑星になったら、現在は定住地として魅力に欠ける場所に新たな人間社会が出現する可能性があるだろうか。

・21世紀、アメリカ南西部とヨーロッパの地中海沿岸部が衰退し、逆にアメリカ北部、カナダ、北欧、ロシアが台頭するのだろうか。調べれば調べるほど、この北の地域はすべての人類に大いに関連がありそうだった。

 ・長年の研究の末、私は「北」−および人類の未来にとって「北」の重要性が拡大することーを、まったく初めて見いだそうとしていた。

<しのびよる異変>

・「予測は非常にむずかしい。未来についてはなおさらだ」

・身近な野生生物を見るのが好きな人は、ひょっとしたら気づいているかもしれない。世界各地で、動物や魚や昆虫が緯度や高度のより高い地域に移動している。

<思考実験>

・これは私達の未来についての本だ。気候変動はその一要素に過ぎない。人口、経済統合、国際法などの面で、ほかの大きな潮流も探る。地理と歴史も調査し、既存の状況が将来まで痕跡を残す様子を示す。最先端のコンピュータモデルに目を向けて、将来の国内総生産(GDP)、温室効果ガス、天然資源の供給を予測する。これらの潮流を総合的に探り、合致する部分や類似点を突き止めれば、このままの状況が続いたら、今後40年間でこの世界がどんなふうになるのか、それなりの科学的信憑性を持って想像できるようになる。これは2050年の世界に関する思考実験だ。

・2050年の世界はどうなっているだろうか。人口と勢力の分布は?自然界の状況は?優勢になる国、苦境に陥る国は?2050年、あなたはどこにいるのだろう?

 これらの問いに対する答えは、少なくとも本書では、中心となる議論から導き出されるー北半球北部が今世紀のあいだに大変な変化を経験して、現在よりも人間活動が増え、戦略的価値が上がり、経済的重要性が増す、という議論だ。

・この「ニュー・ノース(新たな北)」は、私の大まかな定義では、アメリカ合衆国、カナダ、アイスランド、グリーンランド、(デンマーク)、ノルウェー、スウェーデン。フィンランド、ロシアが現在領有する、北緯45度以北のすべての陸地と海だ。

・これら8カ国は、北は北極海まで広がる広大な領土と海を支配し、北極海をほぼ一周する新たな「環北極圏」を構成する。第2部と第3部では、こうした環北極圏の国々―本書では新たなNORC諸国またはNORCs(NorthernRim Countries)と呼ぶーにおける開発について探る。第1部では、人口、経済情勢、エネルギーと資源に対する需要、気候変動といった、世界の文明と生態系にとって極めて重要な要因における、世界規模の大きな流れを紹介する。第1部では、2050年にはほとんどの人類の生活がどうなっているかを想像するだけでなく、ニュー・ノースの誕生を促している重要な世界的圧力のいくつかを突き止める。

この2050年の世界をめぐる旅に出かける前に、いくつかルールを決めておこう。

<守るべきルール

・しかし、どんな実験でも、結果を得るにはまず、前提と基本原則を決めなければならない。

1、「打ち出の小槌」はない。今後40年間の技術の進歩はゆるやかだと仮定する。

2、第三次世界大戦は起こらない。

3、隠れた魔物はいない。10年間に及ぶ世界的不況、死に至る病気のとどめようのない大流行、隕石の衝突など、可能性が低く、影響は大きいできごとは想定していない。

4、モデルが信用できる。本書の結論の一部は、気候や経済といった複雑な現象のコンピュータモデルを使った実験で得られたものだ。モデルはツールであって、神託ではない。欠点や限界はつきものだ。

<なぜ40年後の未来を予測しようとするのか>

<四つのグローバルな力

第一のグローバルな力は人口構造、いわば異なる人口グループの増減と動きのことだ。

・第二のグローバルな力―第一の力とは部分的にしか関連がないーは、人間の欲望が天然資源と生態系サービスと遺伝子プールに対する需要を増大させていることだ。

・第三のグローバルな力はグローバル化だ。多くのことに言及するわかりにくい言葉で、最も一般的にはますます国際化する貿易と資本の流れをさすが、政治的、文化的、理念的な面もある。実のところ、グローバル化にはそれを研究する専門家と同じくらい多くの定義がある。

・第四のグローバルな力は気候変動だ。ごく単純に、人間の産業活動が大気の化学組成を変化させているので、気温全体が平均すると必ず上昇することは事実として観測されている。

・以上の四つのグローバルな力(人口構成、資源の需要、グローバル化、気候変動)は私たちの未来を方向づけるだろう。本書でも繰り返し登場するテーマだ。

・四つの力のあいだを縫うように流れる第五の重要な力は、技術だ。とりわけ、第3章でくわしく取り上げるエネルギー関連の新技術が最も重要だ。バイオテクノロジー、ナノテクノロジー、材料科学の進歩は、単なる資源ストックの需要に影響する。スマートグリッド、太陽電池パネル、地球工学は気候変動と闘うだろう。

21世紀の大干ばつ?

「おそらく、現在、北アメリカ西部は21世紀の大干ばつを迎えている」

自然災害リスク評価の崩壊

・モンタナ州のグレイシャー国立公園では2030年には氷河がすっかり消えているだろう、と大方の氷河学者はみている。

・季節的な雪塊氷原は夏を越さないので、氷河のように年々水をため込んでいくことはできないが、やはり極めて重要な保管庫だ。

湾岸都市の水没危機

・モデルによって、2050年に海面はおよそ0.2メートルから0.4メートル、つまり、ふくらはぎくらいの高さまで上昇するわけだ。

今世紀の終わりには、世界の海面は0.8メートルから2メートル上昇する可能性がある。大変な水かさだー平均的な成人の頭くらいの高さになる。マイアミの大半は高い堤防の陰になるか、住民がいなくなるだろう。メキシコ湾岸からマサチューセッツ州まで沿岸部の住民は内陸に引っ越すだろう。バングラデシュのおよそ4分の1に相当する面積が水没するだろう。海面が上昇すれば、沿岸部の集落はどこも深刻な状況に直面する。

・人口増加、経済成長、地下水の汲み上げ、気候変動がこのまま続けば、2070年には、リスクにさらされる人口は3倍以上増えて1億5千万人になる見込みだ。リスクにさらされる資産の総額は10倍以上増えて35兆ドル、世界のGDPの9パーセントに達する。危険度上位20位までの都市では、2070年には、リスクにさらされる人口が1.2倍から13倍になり、リスクにさらされる経済資産は4倍から65倍になる。これらの主要都市の4分の3−そのほとんどがアジアにあるーがデルタの上に位置している。きっと、これまでにないタイプの防衛支出が大いに注目を集めることになる。それは、沿岸防衛と呼ばれるものだ。

<2050年を想像する>

・ここで紹介するのは、ウォーターGAPによる2050年の予測のうち、典型的な「中庸」のシナリオだ。ウォーターGAPのモデルパラメーターをどういじろうと、全体像ははっきりしている。人間集団が最も深刻な水不足にさらされる地域は現在と同じだが、状況はさらに深刻化する。これらのモデルからわかるように、21世紀半ばには、地中海、北アメリカ南西部、アフリカ北部および中東、中央アジアとインド、中国北部、オーストラリア、チリ、ブラジル東部が、現在よりも過酷な水不足に直面することになりそうだ。

 

夏季の北極海氷は、いまやその半分以下へと減少し、遠からず海氷のない夏を迎えるだろうと予測している。(3)

  • 2018.02.11 Sunday
  • 20:44

 

『危機とサバイバル』

ジャック・アタリ    作品社   2014/1/31

 

<21世紀を襲う“危機”から“サバイバル”するために>

<人類史の教訓から学ぶ“危機脱出”の条件>

・生き延びるためには、不幸から逃れるための隙間を見つけ出そうと、誰もが必死にならなければならない。

・人類史において、危機は、それがいかなる性質のものであるにせよ、多くの犠牲者とひと握りの勝者を残し、やがて終息してきた。

 しかしながら、歴史の教訓を学べば、危機をバネにして改革を促し、危機から脱出し、危機の前よりも頑強になることも可能だ。

 人類史の教訓から学んだ「危機から脱出する」ための条件を、簡潔に記してみたい。

1、「危機」という事態をつらぬく論理とその流れ、つまり歴史の論理をつかむこと。

2、さまざまな分野に蓄積された新たな知識を、大胆に利用すること。

3、まずは「隗よりはじめよ」。つまり、自己のみを信じること。そして、何より自信を持つこと。

4、自分の運命を、自らがコントロールすること。

5、自らに適した最善で大胆なサバイバル戦略をとること。

<サバイバル戦略に必要な<7つの原則>>

第1原則<自己の尊重>

 自らが、自らの人生の主人公たれ、そして、生きる欲望を持ち、自己を尊重せよ。まず、生き残ることを考える前に、生きる欲望を持つことである。

第2原則<緊張感>

20年先のビジョンを描き、常に限りある時間に対して<緊張感>を持て。

第3原則<共感力>

味方を最大化させる「合理的利他主義」を持つために、<共感力>を養え。

第4原則<レジリエンス(対抗力・抵抗力)>

 柔軟性に適応した者だけが、常に歴史を生き残る。<レジリエンス>を持て。

第5原則<独創性>

“弱点”と“欠乏”こそが、自らの“力”となる。危機をチャンスに変えるための<独創性>を持て。

第6原則<ユビキタス>

あらゆる状況に適応できる<ユビキタス(「いつでも、どこでも、だれでも」に適応できること。>な能力を持て。

第7原則<革命的な思考力>

 危機的状況に対応できない自分自身に叛旗を翻す<革命的な思考力>を持て。

・「あなたが世界の変革を願うのなら、まずあなた自身が変わりなさい」。

日本は、“21世紀の危機”をサバイバルできるか?

・では、どのような危機が襲っているのか?膨張しつづける国家債務、止まらない人口減少と高齢化、社会やアイデンティティの崩壊、東アジア地域との不調和などが挙げられるだろう。

<膨張しつづける国家債務

・まず、国家債務が危機的な状態にあることは明白である。人口が減少している日本では、将来の世代の債務負担はどんどん重くなっていく。しかし、日本がこの重大性を直視しているとは言えない。日本の公的債務は制御不能となっている。

アメリカは目がくらむほどの債務を抱えているが、無限にドルという通貨を発行してきた。金融危機が叫ばれたヨーロッパは、それでも債務は国内総生産の8割程度と比較的少なく、人口の減少は日本ほど壊滅的ではない。日本の債務は1000兆円を超え、国内総生産の2倍まで膨れ上がったが、これまでは低金利で国内市場から資金調達ができていた。

 だが、日本も、この状態を長期間つづけられるわけではない。というのは、日本は国内のすべての貯蓄を国債の購入に回さなければならなくなるので、産業への投資できる資金が減っていくからである。

止まらない人口減少と高齢化

・私は、日本の国政選挙で、人口政策が重要な争点にはなってこなかったことに驚きを感じざるをえない。出生率が下がりつづけると、人口が減少し、高齢化が進み、経済成長を資金面で支える手段がなくなる。国民が高齢化する状況において、現在の年金制度を維持しようとすれば、国力は落ちるだろう。日本は、このまま合計特殊出生率が1.3人で推移すると、今から90年後には、人口は6000万人強にまで減少する。

・人口減少と高齢化に対する対策の選択肢は、以下の5つである。

•出生率を上げる政策を実施し、子どもの数を増やす。フランスでは成功した。

•少ない人口で安定させ、高齢化を食い止める。

•移民を受け入れる。移民は、アメリカでもフランスでも発展の原動力である。

•女性の労働人口を増やす。ドイツではこの方法を選択しようとしている。

労働力としてロボットを活用する。これは韓国の戦略だ

 このうち(3)の移民の受け入れは、人工問題だけではなく、国家の活力を左右する重要な政治的選択である。国家には、新しいモノ、考え、概念、発想が必要であり、それらをもたらすのは外国人なのだ。外国人を受け入れれば、未来のアイデアやこれまでにない発想が得られる。優秀なサッカー選手の争奪戦が起きているように、世界では優秀な外国人の争奪戦が繰り広げられている。アメリカの雑誌『フォーチュン』の調査によると、企業格付け上位500社のうち約半数は外国人が創設した会社であるという。21世紀においては、活力のある優秀な外国人を惹きつけるための受け入れ環境を整えた国家がサバイバルに成功する。

<社会やアイデンティティの解体>

・だが、こうした日本モデルは、貯蓄率の減少と社会的格差の拡大によって解体に向かっている。今日の日本には、将来に備える余裕などなくなってしまったのである。ビジネスパーソンは出世をあきらめ、野心を失った。彼らは、いつ自分がリストラされるのかと戦々恐々としている。また、日本の若者たちのなかには、19世紀的な過酷な労働条件によって使いつぶされたり、また労働市場からはじき出された者が少なからずいる。非正規雇用者が多数出現し、職業訓練を受けることもできないままニートと化す若者が急増しているのだ。こうした労働環境は、かつて世界最高水準だった日本の労働力の質的低下を招くだろう。

 ・はたして藤原氏が主張するように、日本は危機に打ち勝つために伝統的な倫理である「滅私奉公」に回帰すべきなのだろうか。私はそう思わない。

<東アジア地域との不調和>

・日本は、近隣アジア諸国との緊張関係において、相変わらず有効な解決策を見出していない。かつて私は「2025年、日本の経済力は、世界第5位ですらないかもしれない」「アジア最大の勢力となるのは韓国であろう」と述べた。韓国は今、生活水準や技術進歩において日本と肩を並べている。情報工学や都市工学の分野では、日本を上回っているかもしれない。さらに、韓国は中国と緊密な関係を築き、中国市場へのアクセスを確保している。

<日本/日本人がサバイバルするために

・日本が目指すべき方向に舵を切るには、時には現在と正反対のことを行なう勇気を持たなければならない。

 もちろん、日本人が危機から脱出するのは、伝統的な文化資産を大いに活用しなければならない。ただし、例えば男女の不平等な職業分担、他国と協調できないナショナリズムなど、未来に有効ではない伝統的な観念に立ち戻るのは大きな誤りだろう。

・また、日本人は、個人レベルでは他者に対する<共感力>は極めて高いが、なぜか国家レベルになると、他国の視点に立って相手を理解し、そして他国と同盟を結ぶための<共感力>が不足するようだ。これは、現在の日本と隣国の緊張した外交関係にも如実に現われている。日本が危機から脱出するには、アジア地域において隣国とパートナー関係を樹立する必要があるだろう。

 そして最後に、私が最も強調したいのは<革命的な思考力>である。だが、この力を発揮するには、今日の日本には「怒る力」「憤慨する能力」が不足している。

日本化、マドフ化、ソマリア化

・この3つの減少は、世界の未来の姿を象徴しているかもしれない。今のところ、どれもがローカルな現象だが、将来的には地球全体の現象になるかもしれない。

 日本はかつて、バブル経済に踊り、そしてバブルは崩壊したが、銀行は貸付けの焦げ付きを隠蔽し、さらにそこには反社会的犯罪集団(暴力団)が巣食った。いまだにその痕跡から脱しきれていない。銀行は、門戸を大きく開いて無利子で貸している。国家債務は、世界最大規模に膨れあがっている。そのため、この国のテクノロジーの水準は世界最高であるにもかかわらず、経済成長率は伸び悩み展望が開けない。失業率は4〜5%台と先進国のなかでは低率にとどまっているが、これは高齢化の急激な進行によるものにすぎない。現在、新たな経済政策的チャレンジによって、やや風向きが変わりつつあるが、新たな危機も孕んでいると言えよう。

・失業率が労働力人口の7〜10%弱に達しているアメリカは、日本とまったく同じように銀行システムの荒廃によって危機にみまわれたものの、「日本のようになることだけは避けたい」という観念に取り憑かれ、「企業の延命と株式市場の維持のためには何でもする」という対処をしてきた。

<今後10年に予測される危機

<想定されうる経済危機>

<企業の自己資本不足

・西洋諸国の経済では、企業の自己資金が、銀行と同様に不足している。企業の多くは、債務過剰に陥っているのが実情である。

“中国バブル”の崩壊

現在の危機のさなかにおいても、非常に力強い経済成長を保ってきたが、中国経済も中国人民銀行による莫大な信用供与によって崩壊する恐れがある。これは中国の資産(土地と株)の暴落を引き起こす。

 中国の生産キャパシティが過剰であることに市場が気づいたとき、この「バブル」は崩壊する。

・これによって、中国の株式市場がいずれ暴落し、中国の経済成長は減速して年率7%すら大きく下回る可能性がある。社会的・政治的なリスクが増大する。そうなれば、世界の金融市場も崩壊し、企業に対する貸し渋りはさらに悪化し、世界経済は再び低迷することになる。

<保護主義への誘惑>

・不況による国際貿易の低迷により、各国は自国の雇用を守ろうとする。また、納税者からの支援を受けた企業や銀行は、自国領土内で資材の調達や人材の雇用を行なうように指導されるであろう。

 近年の事例からも、こうした傾向はうかがえる。

<ハイパー・インフレ>

・主要国・地域の中央銀行によって創りだされた5兆ドルもの流動性、公的債務残高の増加、1次産品価格の上昇は、いずれ、デフレ下にインフレを呼び起こすだろう。

 すると、世界規模でワイマール共和国時代(第1次大戦後のドイツをさす)のようなハイパー・インフレに襲われることになる。このインフレは、すでに株価の上昇という形で現われている。さらに、インフレは、不動産・1次産品・金融派生商品などにも波及する。農産物や工業製品の価格にもインフレが波及すると、公的債務や民間の借金は目減りするが、それ以上に、貧しい人々や最底辺層の資産価値は大幅に減ってしまう。

<ドル崩壊>

・アメリカは自国の借金をまかないつづけるために、国債利回りの上昇を甘受しなければならない。しかし、これは自国の債務コストの上昇を招くことになり、借金はさらに増え、ドルの信頼は失われる。すなわち、これも世界経済・国家・企業・個人に惨憺たる影響を及ぼすことになる。

 この問題に対する解決策は、経済的理由というよりも政治的理由から、次の金融危機の際に、突然現われるだろう。ただし、その条件は、ユーロが強化される、または中国の元が兌換性を持つことだ。

<FRBの破綻>

・最後に掲げるべき経済的リスクは、可能性は最も低いが、最もシステマティックなリスクである。それはアメリカの連邦準備制度が破綻するというリスクである。

・もしそうなれば、われわれは今まで経験したことのない未知の領域に踏み込むことになる。

2023年の世界は?

フランスでは、誰もが未来について不安になっている。今より悪くしかならないと確信している。この悲観主義は、リーダーたちの虚しさによってさらに拍車がかかる。リーダーたちには、21世紀の歴史に何の計画もない。フランスが世界に占める位置の見通しすらない。歴史を作ろうと欲しなければ、歴史においていかなる役割も果たすことはできないのだ。未来について語らないのは、未来においてすべてを失うのを与儀なくされるということだ。

<深刻なエネルギー危機――ピーク・オイルとシェール革命>

・近い将来、原油の生産量は「ピーク・オイル」によって、まずは一時的に、次に決定的に不足することが予想されている。一方、シェール革命に希望が託されている。現在、この両者は同時進行しているが、それぞれの進行具合によっては深刻な経済危機を引き起こす恐れがある。

 ピーク・オイルとは、二つの壁にぶつかることである。まず第一の壁は、「技術上のピーク・オイル」である。これは、油田探査に対する投資を減少することによって、原油の生産量が一時的に需要を下回る時期のことを言う。そして第二の壁は、「絶対的ピーク・オイル」である。これは、原油埋蔵量の半分が消費されると、原油が自噴しなくなるため産出量が減少するとともに採掘コストが大きく上昇してしまうことを言う。

・絶対的ピーク・オイルが訪れる日を予想することは、かなり難しい。国際エネルギー機関(IEA)によると、2030年以前であるという。

・ピーク・オイルの到来がいつであろうと、またその定義が何であろうと、原油の生産量は年率4%下落するであろう。したがって、一人当たりの化石エネルギーの使用量を今後20年で4分の1に減らす必要がある。そこで、自動車や飛行機など、現在のところ代替するエネルギーが見つからない部門だけで石油を利用するために、経済活動と各人の生活様式を大胆に見直す必要がある。

・原油生産者や石油会社は、原油価格を吊り上げるためにピーク・オイルの到来が間近であると信じ込ませることで儲けられるので、ピーク・オイルが訪れる日の予測については、現在のところ不確かな面がある。しかし、本当にピーク・オイルが間近に迫ったとの認識が広がれば、原油相場価格は1バレル当たり100ドルを軽く突破し、地球規模の新たな景気後退を引き起こす恐れがある。

・しかし一方で、現在、ピーク・オイルと同時並行で進んでいるシェール革命に、熱い期待が寄せられている。しかしシェールガス・オイルの採掘は、著しい環境破壊を引き起こす恐れも指摘されている。また、シェールガス・オイルが原油の不足をどのくらい補填できるかは未知数である。浮かれ気分だけでなく、注意深く見守る必要があるだろう。また、自然エネルギーの技術開発・普及も21世紀のエネルギー革命の重要な要素である。

<アジアの未来は?>

・経済的には、アジアは、ヨーロッパのような共通市場を創出するにはほど遠い。地政学的に見ても、アジア諸国はバラバラであり、軍事紛争の危険すらある。アジアは世界経済の成長の原動力だが、各国が政治的・経済的に合意できる条件を整えられないかぎり、次の段階に進むことはできないのである。

・一方、ソ連の解体によって“敵”を失ったアメリカの軍産複合体は、新たな敵を必要としている。想定される敵は中国である。アメリカが中国を敵としてみなすには、日本を守るという口実が必要であり、そのためには日本が中国と敵対しつづけなければならない。これがアメリカの基本的な戦略であり、今後も、中国とアジア諸国を対立させるための口実作りや紛争が増えていくだろう。

・中国は広大な国土と莫大な人口を抱え、成長への潜在力を持った国だ。そして他国と同様に民主主義へと向かっている。現在の体制は、共産党による独裁という名のエリート支配の一形態だが、今後、民主主義の台頭に直面しながらこの体制を維持しつづけるのは、きわめて困難がともなうだろう。中国のように広大で不平等な国に民主主義が台頭すれば、社会的な混乱を招く可能性が高い。しかし中国が安定し統一された状態であることは、世界にとって望ましい。

 

『21世紀の歴史』   未来の人類から見た世界

ジャック・アタリ    作品社     2008/8/30

 

<三つの波が21世紀を決定する

<2050年の世界は、一体どうなっているのであろうか

・現状はいたってシンプルである。つまり、市場の力が世界を覆っている。マネーの威力が強まったことは、個人主義が勝利した究極の証であり、これは近代史における激変の核心部分でもある。すなわち、さらなる金銭欲の台頭、金銭の否定、金銭の支配が、歴史を揺り動かしてきたのである。行き着く先は、国家も含め、障害となるすべてのものに対して、マネーで決着をつけることになる。これはアメリカとて例外ではない。世界の唯一の法と化した市場は、本書で筆者が命名するところの<超帝国>を形成する。この捉えがたい地球規模の超帝国とは商業的富の創造主であり、新たな狂気を生み出し、極度の富と貧困の元凶となる。

<こうして、人類は自らの被造物であることをやめ、滅び去る>

・人類がこうした狂気にとらわれ、悲観的な未来にひるみ、暴力によってグロ−バル化を押しとどめようとするならば、人類は頻繁に勃発する退行的な残虐行為や破滅的な戦いに陥ってしまうであろう。この場合、今日では考えられない武器を使用し、国家、宗教団体、テロ組織、<海賊>が対立しあうことになる。本書において筆者は、こうした戦闘状態を<超紛争>と呼ぶ。これも人類を滅亡へと導くであろう。

・最後に、グローバル化を拒否するのではなく、規制できるのであれば、また、市場を葬り去るのではなく、市場の活動範囲を限定できるのであれば、そして、民主主義が具体性を持ちつつ地球規模に広がるのであれば、さらに、一国による世界の支配に終止符が打たれるのであれば、自由・責任・尊厳・超越・他者への尊敬などに関して新たな境地が開かれるであろう。本書では、こうした境地を<超民主主義>と呼ぶ。

・今後50年先の未来は予測できる。まず、アメリカ帝国による世界支配は、これまでの人類の歴史からみてもわかるように一時的なものにすぎず、2035年よりも前に終焉するであろう。次に超帝国、超紛争、超民主主義といった三つの未来が次々と押し寄せてくる。最初の二つの波は壊滅的被害をもたらす。そして、最後の波については、読者の皆さんは不可能なものであると思われるかもしれない。

・筆者は、この三つの未来が混ざり合って押し寄せてくることを確信している。その証左に、現在においてもすでに、これらが絡み合った状況が散見できる。筆者は2060年ころに超民主主義が勝利すると信じている。この超民主主義こそが、人類が組織する最高の形式であり、21世紀の歴史の原動力となる最後の表現である。つまり、それは<自由>である。

<未来の歴史を記述することは、可能か

・現在、未来について語られている物語の大多数は、すでに進行中の現象を演繹的に導き出したものにすぎない。

2035年―<市場民主主義>のグローバル化とアメリカ帝国の没落

・まず、全ては人口の大変動から始まる。2050年、大災害が起こらない限り世界の人口は現在より30億人増加して95億人になるであろう。もっとも豊かな先進国では、平均寿命は100歳近くに達する一方、出生率は人口の現状維持率を下回ることになる。

・いかなる時代であろうとも、人類は他のすべての価値観を差しおいて、個人の自由に最大限の価値を見出してきた。

・2035年ごろ、すなわち、長期にわたる戦いが終結に向かい生態系に甚大な危機がもたらされる時期に、依然として支配力をもつアメリカ帝国は、市場のグローバル化によって打ち負かされる。

・世界におけるアメリカの勢力は巨大であり続けるであろうが、アメリカに代わる帝国、または支配的な国家が登場することはない。そこで、世界は一時的に<多極化>し、10カ所近く存在する地域の勢力によって機能していくことになる。

<人類壊滅の危機―国家の弱体化と、<超帝国>の誕生

・また、国家は企業や都市を前にして消え去ることになる。そこで<超ノマド>が土地もない、「中心都市」も存在しない、開かれた帝国を管理していく。本書ではこの帝国を<超帝国>と呼ぶ。超帝国では各人は自分自身に誠実であることはなく、企業の国籍も跡形もなくなる。また貧乏人たちは、貧乏人同士の市場を作る。

・アメリカ帝国の滅亡、気候変動にともなう被害の深刻化、また人々の領土をめぐる紛争の勃発、数多くの戦争が起こる以前に、こうした事態は当然ながら悲惨な衝撃的事件なくしては進行しない。

さらに、超帝国の出現により、個人間の競争が始まる。石油、水資源、領土保全、領土分割、信仰の強制、宗教戦争、西側諸国の破壊、西側諸国の価値観の持続などをめぐって、人々は争うことになる。軍事独裁者は、軍隊と警察の権力を両用して権力を掌握するであろう。本書では、こうした紛争のなかでも、もっとも殺戮の激しい紛争を<超紛争>と呼ぶ。超紛争とは、前述したすべての紛争の終結を意味し、おそらく人類を壊滅させることになる。

<2060年―<超民主主義>の登場>

・2060年頃、いや、もっと早い時期に、少なくとも大量の爆弾が炸裂して人類が消滅する以前に、人類は、アメリカ帝国にも、超帝国にも、超紛争にも我慢ならなくなるであろう。そこで、新たな勢力となる愛他主義者、ユニバーサリズムの信者が世界的な力をもち始めるであろう。

・これらの制度・機構は、無償のサービス、社会的責任、知る権利を推進し、全人類の創造性を結集させ、これを凌駕する<世界的インテリジェンス>を生み出すであろう。いわゆる、利潤追求することなしにサービスを生み出す<調和を重視した新たな経済>が市場と競合する形で発展していく。これは数世紀前の封建制度の時代に、市場に終止符が打たれたように実現していく。

<市場と民主主義はいずれ過去のコンセプトとなるであろう>

<なぜ本書を執筆したのか?>

・しかしながら本書の目的は、もっとも高い可能性をもって未来の歴史を予測することにあり、筆者の願望を記述するといったことではない。むしろ筆者の思いとしては、我々の未来が本書のようになってほしくない、そして現在芽生え始めているすばらしい展開を支援したいというものである。

・これまでにも筆者は、次に列挙するものを、世間で一般的に語られる以前から予測してきた。

1、 太平洋に向かう世界の地政学的変化。

2、 資本主義における金融の不安定

3、 気候変動

4、 金融バブルの発生

5、 共産主義の脆弱性

6、 テロの脅威

7、 ノマドの出現

8、 携帯電話

9、 パソコン、インターネットといった現代のノマドが使用するオブジェの普及<ノマド・オブジェ>。

10、 無償とオーダーメイド・サービスの出現、特に音楽をはじめとした芸術の大きな役割、世界における多様性。

本書は、筆者が長年の研究と思索、現実の経済・政治との実際的な関わりのなかからたどりついた結論である。

21世紀を読み解くためのキーワード集 <保険会社>

・アタリが重視する未来の産業は、娯楽産業とならんで保険業である。国家が衰退すると、個人は生活のリスクを保険会社にカバーしてもらうようになる。保険会社は被保険者に対して個人データから割り出した差別的保険料を適用し、徹底したリスク管理から巨額の収益をあげる。こうした息苦しい社会において娯楽産業は、人々に一抹のやすらぎを販売する。

・アタリの理念は、フランスを超過利得者の存在する社会から知識経済へ移行させることである。

・博学卓識のアタリは、毎日2時間半の睡眠で、好物のチョコレートを大量に食べながら、政治活動、ブログの更新、執筆活動、本書のキーワードの一つである「超民主主義」の実戦を含め、様々な活動に従事している。

 

『私は宇宙人と出会った』

 秋山眞人  ごま書房  1997年4月30

 

<宇宙人の未来予測(世界編)>

(中国)  

・中国はこれからの地球の変化の大きなポイントになっていく。とくに内乱が起こる可能性が強く、それが引き金となって第3次世界大戦へと進むかもしれない。香港の返還によって思想的・経済的な大きな遅れがあり、アメリカとの対立構図が更に強くなる。これは東洋文明対西洋文明の対立といってもいい。

また、2015年から2030年の間に4つの国に分割される可能性もある。

 

夏季の北極海氷は、いまやその半分以下へと減少し、遠からず海氷のない夏を迎えるだろうと予測している。(2)

  • 2018.02.11 Sunday
  • 20:43

 

 『100年経営』    世紀を超えるマネジメント

若松孝彦    ダイヤモンド社       2011/3/18

 

 <7つの経営プログラム>

・100年先を見つめて、会社存続のために何をするべきか、「7つの経営プログラム」で会社の未来をつくる!

粗利益率40%・経常利益率10%・連続10

☑1T3Dナンバーワンブランド戦略

究極の資源配分、承継こそ最大の戦略

社長を10人育てるサテライト組織

語り継ぐ経営システム

☑100年カレンダーをつくる

☑STSで変革をマネジメントする

<100年後、私はこの世にいない>

・私は経営コンサルタントとして、20年間で約1000社の会社に経営アドバイスをしてきた。中小企業から中堅・上場企業まで、企業再生や成長戦略の策定など、多くの経営の修羅場や戦略の現場を経験してきた。また潰れる会社、勝ち組企業、老舗企業など、企業の栄枯盛衰をそばで見てきた。「会社」とは、本当に不思議な生き物だと思う。

 会社は操業50年で老舗、100年で時代、200年で歴史になる

<老舗企業の研究本ではない>

・「存続するために会社は何をすべきか」この悩みを少しでも持っているなら、その「問い」には真剣に答えたつもりである。

<変化をマネジメントできる会社>

・成長の前に変化ありき、経営資源の再配分のない成長は膨張である。100年経営を実現するためには、「変化をマネジメント」しなければならない。これが、会社存続の絶対的な経営技術となる。脱皮できない会社は消えるのである。

<会社を変えるチャンスは3回訪れる>

・「赤字」「不況」「継承」。会社を変えるチャンスは、3回訪れる。好況時の変化は、膨張である可能性が高い。不況時やピンチのときの変化が、真の成長である。

<日本経済の100年経営プログラムを考える>

・経営の現場から日本経済や地域経済を眺めたとき、大きな危機感が生まれてくる。本書で述べる100年経営プログラム(無借金経営システム、存続エンジンの開発、承継戦略のシナリオ、自律する組織デザイン、ミッションマネジメント、後継者育成カリキュラム、100年経営の階段)を、日本経済の運営に当てはめながらお読みいただくと、経済政策的な学び方ができるかもしれない。

・例えば、7つの経営プログラムでアプローチしたとき、「無借金国家経営システム(現実は借金漬け)」「存続エンジンとして3つ以上の世界ナンバーワン産業づくり(従来の競争力産業の地盤沈下)」「100年先まで世代継承できるシナリオ(人口減少と高齢化社会)」「ナンバーワン産業を生み出し続ける国と地方の組織デザイン(中央集権の組織体制)」「あるべき姿を描いた経営資源の再配分(使命感なき目先重視の政策)」「次代のリーダーを輩出して育成する仕組みづくり(頻繁に変わるリーダーたち)」「将来も日本が成功者であるための階段(破綻国家への下り坂)」となる。

・残念ながらカッコ内が現実であり、本書で提唱している100年経営プログラムとはあまりにもかけ離れている。これは何を意味するのか。このままでは、「日本経済の寿命が、会社の寿命を決める」ことになる。

<会社寿命はいつの時代でも「四択」

・会社の運命は、4つのコースから選択しなければならない。存続、売却、廃業、倒産である。会社は「続けるか、売るか、やめるか、潰れるか」と常に隣り合わせの運命にある。その運命はリーダーの腕前、舵取り次第で決まる。

・私の約1000社の経営アドバイスの記録や記憶をたどると、およそ60%は事業承継が経営課題の本質であったように思う。

・タナベ経営の創業者・田辺昇一は、「会社は事業に成功して50点、承継ができて100点」と言った。事業承継は本当に難しい。将来を左右する重要事項でありながら、5年から10年に一度しか発揮しない経営技術だからである。同族企業であれば、20年に一度である。

<日本企業が直面する5つの新しい現実

現実1 創業200年以上の会社は0.07%、100年では0.5%

現実2 創業5年以内に35%が消え、50年を迎えるのは5%

現実3 社長の高齢化

現実4 20年間で約100万社が消えている

現実5 倒産、廃業、売却の増加

 <現実から見える未来>

・新しい5つの現実を線でつないでみると、次のような構図が浮かぶ。

 「会社の業績が厳しい→経営の舵取りが難しい→現社長が経営せざるを得ない→社長の高齢化が進む→会社の将来性や魅力が乏しくなる→後継(候補)人材がさらに少なくなる→経営意欲の喪失→廃業(売却)

  私は、この悪循環の構図を「後継者不足の時代」と呼んでいる。「後継者不足」にはさらに3つの真因がある。「なり手不足」「少子化」「悲観論」である。

<社長業の「なり手不足」>

・業績の悪い会社は、例外なく借金が多い。特に中小企業の場合、会社を所有するオーナーと、会社を経営する社長が一体化しているため、社長には債務保証問題がついてまわる。

  同族・非同族にかかわらず、自宅を担保に差し出してまで会社を引き継ぐ人がいなくなっできた。この10年間で、中小企業と金融機関との取引スタイルが大きく変化したことも影響している。金融機関の不良債権処理の中、メーンバンクがそれにふさわしい役割を果たせなくなり、メーンバンクが会社を潰すことすら当たり前の時代になった。会社が倒産すれば社長は丸裸――。会社を起業しよう、社長になろう、社会を変えよう、という気概より、同族後継者ですら「社長という仕事は割に合わない」という意識が優先し始めている。後継経営者の「なり手不足」を招いている。深刻な原因である。

<「100年経営プログラム」を導入せよ

プログラム1 無借金経営システム。無借金経営――粗利益率40%・経常利益率10%を連続10年以上続ければ、実質無借金になる。

<2つのシェア20%以上>

・次に取り組むべき倍数の「20」は、自社が取り扱う製品・サービス領域で、「2つの市場占有率(シェア)を20%以上にすること」だ。2つのシェアとは、「ターゲット市場におけるシェア」と「得意先内におけるインストアシェア」のことである。

〈存続エンジン 1T3D戦略(事業シフトの法則)〉

・「単品たらふく病気になる、バラバラ少々健康」。おいしいからと言って単品ばかり食べているとバランスを崩し、病気になる確率が高くなる。事業も人間の体と同じである。儲かっているからと言って、一つの事業ばかりをやっていると、いずれ経営のバランスを崩すことになる。

・これを予防し、正しく変化(シフト)する戦略を私は「1T3D戦略」と呼んでいる。「1T」とは、1つの「テクノロジー」、すなわち固有技術(真の強み)を意味する。「3D」のDは、「ドメイン」、つまり事業領域の頭文字であり、3つのターゲット事業領域の創造を意味する。

・以上を考慮すると、1T3D戦略の推進は、まず、水平展開である新規チャネルの参入可能性を検討し、次に、⊃眥湘験による川下攻略を意識して、自社ブランドを開発できるよう川上から付加価値コントロール力を構築し、最終的にだ邁爾愡夏してブランド確立を実現する戦略シフトが基本となる。

・100年経営を目指す存続エンジンは、「固有技術を生かしてニッチ市場を創造し、“開発見込型ナンバーワンブランド事業”を垂直と水平の展開力で”3つ以上“開発せよ」となる。「会社(事業)の寿命は30年」と言われて久しい。一つ目の事業の柱で30年、三つの事業で90年、限りなく100年に近づくのである。

<次の時代へ新規事業の種をまく>

・1T3D戦略を遂行するためには、存続エンジンとなる「新規事業の種」を市場や組織内にまき、育てなければならない。「まかぬ種は生えない」のだ。

 兄弟経営は3代目までに80%が失敗する

 <承継の無責任――兄弟仲よく、平等に>

 <兄弟経営が派閥経営になるとき>

 <承継こそ最大の戦略>

・戦略とは、持てる経営資源の再配分である。実は、経営の中で最も大切な資源配分は、会社寿命の90%以上を決める「トップ人事」という資源配分である。

・「戦略の失敗は戦術ではカバーできない。しかし、承継の失敗は戦略でもカバーできない」

・承継の失敗は、会社の成長を5年以上停滞させる。5年間が企業戦略遂行の命取りになることは容易に想像できる。「私のコンサルティング経験の約60%は、本質的には事業承継にまつわる課題であった」、と申し上げたのはこれを意味している。「承継こそ最大の戦略」なのである。

 

『データでわかる2030年の日本』

 三浦展    洋泉社        2013/5/10

 

100年で日本の人口は3分の1に減少

・(人口)100年で日本の人口は3分の1に減り、人の住まない地域が増える!

・(高齢化)働き盛りが人口の3割しかいなくなり、現役10人が高齢者など10人を支える社会になる!

・(結婚・家族・世帯)未婚、離別、死別が人口の半数近くになり、親子ともに高齢者の世帯も増える!

・(教育・所得・福祉・住宅)大学定員割れ、空き家増加。正社員減少、改善が必要なことがたくさんある!

・今、日本は大変な転換期にあります。人口が減り、高齢者が増え、働き手である若い世代が減っていく、社会保障費は拡大し、消費税をはじめとした税金もおそらく上がっていくでしょう。高度経済成長期につくった道路などのインフラも老朽化していきます。

・今年、2013年は、1947年から49年に生まれた団塊世代(第1次ベビーブーム世代)は65歳前後になっています。団塊世代は、日本でも最も人口が多い世代です。彼らは2030年になると80歳を超え、ほとんどの人は仕事をせず、もしかしたら病気になったり、寝たきりになったりしているでしょう。

・2030年までの間に、われわれ日本人は、社会のさまざまな仕組み、制度を根本から変えていき、2040年からの社会に備えなければならないのです。

<日本の人口は20世紀に3倍増えた

・ざっくり言うと、4000万、8000万、1億2000万と増えた。50年間で4000万人ずつ、2倍、3倍と増えたのですね。すごい増え方です。

100年後に日本の人口は3分の1に減る

・昔は「多産多死」の時代と言います。これが明治以降は「多産少死」の時代になる。江戸時代と同じ調子でたくさん子どもを産んでも、あまり亡くならなくなった。だから人口が増えたのです。

  戦後になると「少産少死」の時代になる。2人産めば2人とも生き残る時代になった。しかし現代は「超少産」になってしまったので、人口が減るわけです。

・せっかく1億2000万人台にまで増えた人口も、現代では子どもを産む人が減ったために、2050年になると9700万人ほどに減る。2100年には、4959万人になる。2110年葉4280万人です。20世紀には100年かけて3倍に増えた人口が、21世紀の100年をかけてまた3分の1近くに減るのです。

・しかも、この予測は「中位推計」というもので、出生数や死亡数の増減の仕方を多すぎも少なすぎもしない中間的な仮定で予測したものです。出生数の減り方がもっと激しく、かつ死亡数の増え方ももっと激しいと仮定すると、2110年の人口は3014万人にまで減ってしまうのです。

  <アフリカの人口が35億になる

・日本以外の国々の人口は、一部の先進国を除けば、今後も増え続けます。現在は世界全体で70億人ほどですが、国連の予測によると、2100年には100億人になる。増えるのは主に新興国と呼ばれる国々です。

<中国とアフリカが結びつきを強める>

・また、川端氏によると、中国とアフリカの貿易額はこの10年で24倍に拡大し、2009年以来、アフリカにとって中国は最大の貿易相手になっているのだそうです。中国外務省はこのほど、アフリカで働く中国人の数は100万人を超えるとの試算を発表しています。

<人が住まない地域が増える>

・人口の半数以上が65歳以上である地域を「限界集落」と言いますが。そういう限界集落が増え続ける。

・相続する人がいない土地や家が増えるのですから、土地の価格は安くなるでしょうし、空き家が増えます。安くなった土地を外国人が買うというケースも増えるのではないでしょうか。

<外国人が日本を買い占める?>

・すでに現在でも、売れ残ったマンションなどを外国人に安く売ることは頻繁にあるようです。

 

『日本最悪のシナリオ 9つの死角』

日本再建イニシアティブ 新潮社  2013/3/15

 

<最悪のシナリオ>

1 尖閣衝突

(課題)

・尖閣危機のシナリオを極小化する重要なポイントの一つは、中国側の上陸行動を防ぐ、あるいは最小限にする日本側の迅速な初期行動にある。それを可能にするシステムはできているのだろうか?

・中国側にとって、尖閣問題は対外戦略問題であると同時に、国内の権力闘争、ナショナリズムの問題である。中国国内に対して、日本側の正当な言い分を伝え、理解を得る発信をどうやって生み出すべきだろうか?

・国際社会に対して、日本は何を発信して、どうやって理解を得たらよいだろうか?また、国内世論にはどう対処すべきだろうか?

2 <国債暴落

(課題)

・日本の将来に必要不可欠な社会保障制度改革と年金改革を先送りしかねない政治家の判断について、国民側から議論する必要はないだろうか?

・膨張する医療費をどうすべきか。政治と官僚による“上流からの改革”だけでなく、“下流”から議論を起こしていくにはどうしたらよいだろうか?

・改革のチャンスを渡してきた背景には何があったかのか検証する必要があるのではないだろうか。

3 <首都直下地震

・30年以内に直下型地震が東京を襲う確率は、場所によっては7割を超える。

・東日本大震災後、東京都は都民に“サバイバルの時間”を意識させる条例を制定した。全事業者は従業員の3日分の水と食料を備蓄するよう定めた条例で、帰宅困難者を出さないための対策である。

(課題)

・政府の被害想定で見過ごされてきた東京湾封鎖ならびに電力喪失というシナリオを真剣に検討すべきではないだろうか。

・最悪シナリオにおいて首都機能をどこでどうやって継続するのかの検討が必要ではないだろうか?

・ライフラインが途絶して発生する膨大な数の被災者の生活をどう支えるのか。支援を被災地に送る発想だけではなく、被災者を外に出す発想の転換が必要ではないだろうか。

・都県や市区をまたぐ広域的な行政対応をどこがどうやってマネジメントするのか?

・政府のアナウンスが誤解やパニックを招かないようにするにはどうしたらよいだろうか?

・平時から求められるリスク対策の費用負担を、どう考えるべきだろうか?

4 <サイバーテロ

(課題)

私たちの生活に直結する国家や企業の重要情報が、激増するサイバー攻撃によって盗まれている。国内の対応体制の盲点はどこにあるのだろうか?

・国内にも世界に負けない優秀なハッカーたちがいる。日本を防御するためには彼らを登用するには、何が障害になっているのだろうか?

・オールジャパンで対抗するために、役所や政府機関の改革すべき点はどこか?

・現代社会はオンラインへの依存度を高めて、自らリスクを高めようとしている。利便性とリスクのバランスについて、どう分析したらよいだろうか?

・サイバーテロはそもそも敵の特定が極めて困難である。インテリジェンス機能を強化させるにはどうしたらよいだろうか?海外のインテリジェンス機関との協力が必要ではないだろうか?

5 <パンデミック(感染爆発)

(課題)

・日本の医療機関は、医師、ベッド、人工呼吸器、ワクチンなどすべてにおいて不足し、平時から医療崩壊の危機にある。こうした現状を踏まえた上で、「新型インフルエンザ等対策特別法」に基づいた具体策の検討がなされているだろうか?

・日本国内だけでパンデミックに対処するには無理がある。海外の国に協力を求めるにはどんなことを整備すればよいだろうか?

・現在の法体制に、海外からの支援を遅らせたり、被害の拡大を招きかねない盲点はないだろうか?

・医療現場を崩壊させている原因は、行政や医療機関だけだろうか?患者の意識改革も必要ではないだろうか?

6 <エネルギー危機

(課題)

・エネルギー危機には、資源の確保、市場への心理的な影響、国内への配分という3つの問題がある。この3つの問題を克服するにはどんな努力が必要だろうか?

・エネルギー危機の3つの問題をさらに悪化させかねないのが、アナウンス方式である。正しい情報が、一転してデマ。風評被害、パニックを呼び起こしてしまうのはどこに原因があるからだろうか?

・中東への依存度を抑えてエネルギー調達元の分散化を図るためには、具体策をさらに議論すべきではないだろうか?

7 <北朝鮮崩壊

(課題)

・朝鮮半島で危機が起きた場合、現地在住日本人の退避について具体的な方策は練られているだろうか?

・日本の安全保障の戦略ビジョンを国内外に打ち出しているのだろうか?

・首相や首相官邸の事態対応が後手に回ってしまう場合、平時に何が足りないからだろうか?

・朝鮮半島で危機が起きれば、日本経済にも大きな影響を及ぼす。危機に対する予防策は平時から考えられているだろうか?

・平時から情報機関が独自に提供する首相への情報は、政府として共有・分析されているだろうか?首相を混乱させてしまう仕組みに陥っていないだろうか?

8 <核テロ

(課題)

・防災や減災、また企業の事業継続や安全保障に関する訓練は、「式典化」していないだろうか?

・ファースト・レスポンダーの提携に際し、現場の権限の不明確さを具体的にどう克服すべきだろうか?

・「3・11」で起きた首相官邸と官庁との連携の失敗や国民からの不信を克服するために、統治する側はどんな努力をしているのだろうか?

9 <人口衰弱

(課題)

・国家を衰弱させかねない人口構造の問題は、以前から危機を予測できていた。危機を知りながら、解決に向けた政策の優先順位が低いのは何が原因なのだろうか?

・国家として人口問題にどう立ち向かうかというビジョンを打ち出せていないのはなぜだろうか?

・出産や育児の環境を整えていない現状を続けていけば、危機はより大きくなっていく。全世代の意見を汲み取るための選挙制度改革など、国民的な議論を喚起すべきではないだろうか?

・前世代のツケを次世代が肩代わりする社会保障の仕組みは、個人への負担を増加させる一方である。この危機意識を国民に共有させるには何が足りないのか?

<「最悪のシナリオ」を起こさないために、政治は「制度設計責任」を果たせ>

<巨大リスク社会、巨大リスク世界>

・巨大なリスク社会と巨大なリスク世界が出現してきた。都市化に伴い巨大技術を活用する社会は、巨大なリスクを抱え込むリスク社会でもある。オプション取引やデリバティブなどの金融リスクヘッジ商品がさらなる巨大金融リスクを息子のように生み出す姿は、「自らのデザインの中の悪魔」と形容される。

<盲点と死角>

・盲点と死角は、日常、私たちが感じている日本のシステムとガバナンスと意思決定プロセスの問題点である。そこに地雷原のように埋め込まれてた数々の神話とシンドローム(症候群)である。例えば――、

・同質性(と閉鎖性)を根拠に、日本が「安全・安心」大国であるかのように思いこみ、それを自画自賛する「安全・安心症候群」。

・リスクを冷静に評価し、それを受け入れることを回避し、ひいてはタブー視する「リスク回避症候群」(失敗や恥を怖れる杓子定規の段取り重視、式典化する訓練)。

・「見ざる、聞かざる、言わざる」の三猿文化。つまりは、利害相関関係者(ステークホルダー)としての参画を意識的に排除し、各省、各部門のたこつぼ化と縄張り争いに精出す「部分最適症候群」。

・「チームジャパンとしての対応」ができず「オールリスク」を取る体制ができない「全体真空症候群」。

・明確な優先順位を設定することを忌避し、なかでも“損切り”の決断がなかなかできない「トリアージ忌避症候群」。

・権限と責任を曖昧にする「総合調整症候群」(「総合調整」という名の指揮命令系統の意識的曖昧化)。

・本部・本店は指図するだけ、ロジ(調達・補給)も不十分、ただただ現場にしわよせを与える「ガナルカナル症候群」。

・「安全保障国家」としての形も内容も未熟なまま、いざというときの米国頼みの「GHQ症候群」。

・9つの「最悪シナリオ」があぶり出した日本の国家的危機と危機対応の姿は、戦後の「国の形」が国家的危機に取り組むにはきわめて“不具合”にできており、また、私たちの社会があまりにも無防備であるという厳然たる事実を示している。

 日本の「最悪のシナリオ」を描く作業は、日本のカントリー・リスクを評価する作業でもある。それは日本の「国の形」と「戦後の形」を問う試みにならざるをえない。

・日本の国家的危機を考える場合、首都直撃のパンデミックやサイバーテロのような急迫性の高い危機だけが危機なのではない。

 国債暴落と人口衰弱の2つは、日本という国の悪性細胞が次々と移転する時限爆弾のような存在である。

 日本全体を丸ごと蝕む致死的なリスクという意味ではこの2つがもっとも恐ろしい危機となるかもしれない。

・問題は、政治である。政治家は、世論の反発や票離れを恐れるあまり、日本の将来に必要不可欠な社会保障制度改革や年金改革に着手できずにいる。

・国債大暴落と人口衰弱の「最悪シナリオ」を起こさないための確かな「制度設計」を急がなければならない。政治はその「制度設計責任」を果たさなければならない。

・多くの場合、それらのリスクは、東日本大震災と福島第一原発事故がそうだったように、複合的な性格を帯びる。司司(各省庁)でことに対処するのでは間に合わない。「国を挙げて」取り組まなければならない。それだけにガバナンスの善し悪しがこれまで以上に危機管理において決定的な要素となるだろう。

 ガバナンスとは、経済的、社会的資源を運営、管理する上での権限と権力のありようである。危機管理ガバナンスの再構築は政治の仕事である。司司(各省庁)の行政にその仕事を委ねることはできない。

<レジリエンスとリーダーシップ>

・あれから2年が経つのに、東日本大震災と福島第一原発事故の国難から日本が回復し、それをバネに復興に向けて歩み出した実感を私たちがなお持てないのは、そうしたレジリエンス(復元力・政府のリスク管理能力)を現出させ、演出するリーダーシップがこの国に希薄であることとも関係しているだろう。

・スイスの世界経済フォーラム(ダボス会議)は2013年の冬の会議で「国別レジリエンス評価」報告書を発表した。

 主要な世界的リスクとして考えられる50の指標を総合して各国別のレジリエンス(政府のリスク管理能力)度を評価したものだが、ドイツ、スイス、英国が最上位。米国、中国がその次。その後、インド、イタリア、ブラジルと来て、日本はその下である。大国のうち最下位はロシアとなっている。

 ほとんどの場合、国際競争力とレジリエンスは正比例している。国際競争力が高い国であるほどレジリエンスも高い。その中で、日本は例外的存在である。国際競争力はなお高いが、レジリエンスは低い。

 

『人類が絶滅する6つのシナリオ』

ブレッド・グテル  河出書房新社   2013/9/18

 

 スーパーウィルス

・遺伝子のルーレットがたった一度悪い目を出しただけで、感染力も致死率も高いヒトのインフルエンザが誕生し、数日で世界全体に広がるかもしれない。致死率が60パーセントのインフルエンザであれば、大流行すれば破滅的な結果になることは間違いない。

 科学者たちはこのように心配しているわけだが、彼らにある程度、論理的に異議を唱えることは可能だ。まず、問題は、それほどに恐ろしい「スーパーウィルス」が生まれることが本当にあり得るのか、ということだ。正確なことは今のところ誰にも分からない。

<核戦争

・人類は半世紀にもわたり、核戦争の恐怖に怯えながら生きてきた。一度、核戦争が起きれば、悲惨な結果を招くことがわかっていたからだ。放射性物質が世界中にまき散らされる上、埃や塵が空高く舞い上がり、日光が遮られれば、急激に気温が低下することになる(核の冬)。そうなれば、人類はもはや長くは生きられないだろう。

<気候変動

・そして気候システムも攪乱された。これは、ただ地球の気候全般が一様に変化したというより、各地域の気候が複雑に関係し合った。「ネットワーク」の成り立ちが以前とは変わってしまったと言うべきであろう。このネットワークが正確にはどのようなものかは、まだ誰も知らない。気候には、海流のサイクル、モンスーン、氷河、熱帯雨林といった多くの要素が影響を与える。

<ウィルス

・人口が増え、居住地域が広がったことで、人間は以前よりも多くの生物と密に接触するようになった。そのせいで、新たな病気にかかる危険性も高まってしまった。病原体となる細菌やウィルスなどに、新たに広大な生息域を与えたとも言える。

・21世紀型の、まったく新しい感染症が広く蔓延する日がいつ来ても不思議ではない。14世紀の黒死病は、ヨーロッパの人口の3分の1を奪ったが、同じくらいの致死率、感染力の感染症が今、発生すれば、もっと速く、広い範囲に影響が拡大するはずである。

<二酸化炭素濃度

・環境ジャーナリストのビル・マッキベンは、気候変動はもう、普通の対策ではどうすることもできない段階まで進んでおり、問題を解決するには、急いでエネルギー、経済をもっと環境に優しいものに転換しなくてはいけない、と言う。石炭や石油を基礎とした経済から、風車や太陽電池(マッキベンは原子力発電を支持していない)を基礎した経済に転換するというわけだ。だが、転換に何十年という時間がかかれば、その間にも大気中の二酸化炭素濃度は上昇し、手遅れになってしまう。

<エネルギー

・エネルギーは人類の生存にとって大きな要素だが、同じくらいに大きいのが食料だ。世界人口がこの先100億人になった時、それだけの人に食糧をどう行き渡らせるかというのは、重要な問題である。

<食糧の供給

・ノーマン・ボーローグの緑の革命は確かに偉業だ。これによって生産性は劇的に向上し、飢えていたはずの大勢の人に食糧を供給することができた。だが、弱点もある。その一つは、大量の化石燃料を必要とするということだ。化学肥料と農薬も大量に必要とする。土壌を耕し、作物を植え替えるという作業を頻繁に行わなくてはならない。

<101億人の人口増加

・小規模農業にも利点があるが、今世紀の末、現在よりもはるかに人口が増えた時に、それで十分な食糧を供給できるとは考えにくい。世界の人口は今世紀の末頃にピークに達し、101億人ほどにもなると予想されている。つまり、今の中国があと二つ増えるようなものだ。(中国自体の人口は、一人っ子政策により、現在の14億から、今世紀の末には10億を切るくらいにまで減ると考えられる)もちろん、この数字は何か予想外の事態により、人口が激減しなければ、という前提のものである。そんなことがあって欲しくはないが、この本で書いてきたような「最悪のシナリオ」が実現すれば、人口は激減する可能性もある。

・これから増える人々の大半はアフリカに住むことになる。実のところ、今世紀の半ば頃に約90億人でピークに達するとしていた予測を国連が訂正したのも、アフリカの人口の伸びが予想以上だったからである。現在のアフリカの人口は10億人ほどだが、21世紀の終わりには36億人にまで増加すると見られている。アフリカ大陸は、10億人の人口ですら十分に支えられているとは言えないのに、さらに人口が3倍以上にもなってしまう。

<鳥インフルエンザウィルス

・人類の滅亡の日が近いうちに来る危険性はどのくらいなのだろうか。簡単に答えてしまえば、「誰も知らない」となるが、間違いを恐れずに予測してみることはできる。

 私がこの本に書くにあたって話を聞いた科学者、あるいは科学の関係者のほとんどは、ウィルスこそが人類にとって最も切実な脅威だと信じていた。1997年以降、多くの科学者が心配しているのは、鳥インフルエンザウィルスが種の壁を越え、人間のインフルエンザウィルスになることである。いずれH5NIウィルスに突然変異が起き、ヒトからヒトへ早く感染し、致死率も極めて高い、というウィルスが生まれるのではないか、と恐れている。

<マルウェア

マルウェアが困るのは、体系的に対処する方法がないということである。特に、未知のマルウェアの場合、確実に見つける方法は存在しないし、どういう動作をするか予測することもまず不可能だ。マルウェアの問題を簡単に解決できると思うのは危険だ。あらゆるコンピュータに合法的に侵入し、データやソフトウェアを調べる権限を政府やセキュリティ企業に与えればそれでどうにかなる、と安易に考えている人もいるが、実際にはそうはいかない。たとえ、コンピュータの中をくまなく調べることができたとしても、マルウェアの攻撃から私たちを守ることができるとは限らない。自律性を持ったマルウェアの脅威は、配電網以外のシステムにも迫っている。銀行や医療機関のシステムは、配電網よりはセキュリティ対策が進んでいるが、それでも脆弱性はあるし、攻撃された時の社会への影響も大きい。

 <インターネットのセキュリティ

・最近、ヒリス、ジョイはともに、インターネットを今よりも安全性の高いものにする方法を模索している。二人とも、初期のままの体制を野放しにしていてはもはや立ち行かないと考えているわけだ。解決策の一つとして二人が考えているのは、「インターネットの中にもう一つ新しいインターネットを作る」というやり方である。

数ある問題の中で、おそらく最も重要なのが気候変動

・数ある問題の中で、おそらく最も重要なのが気候変動である。気候は私たちの存在の基盤を成すものだからだ。文明のすべてを動かすエネルギーの供給にも影響を与える。そして、さしあたって何が脅威なのかよくわからない、という点も厄介だ。近い将来、ある時点から地球のあらゆる地域の気候が一気に別のものに変わってしまうのか。あるいは、その急激な変化はすでに始まっているのか。それとも、そういう考え方そのものが間違っているのか。

夏季の北極海氷は、いまやその半分以下へと減少し、遠からず海氷のない夏を迎えるだろうと予測している。(1)

  • 2018.02.11 Sunday
  • 20:40

 

 

『北極がなくなる日』

ピーター・ワダムズ  原書房  2017/11/27

 

 

氷の減少が最終的に迎える結末、夏期の海氷の消滅

40年間北極研究に携わってきたピーター・ワダムズ

その長いキャリアで彼自身が目撃した重大な変化が記されているかつては800万平方キロメートルの広さがあった夏季の北極海氷は、いまやその半分以下へと減少し、遠からず海氷のない夏を迎えるだろうと予測している。

 海氷の融解は遠く離れた地での興味深い現象ではない。宇宙へ反射する太陽の入射エネルギーを60パーセントから10パーセントへと大幅に低下させ、地球温暖化サイクルをさらに加速させる力があるそのうえ最終氷期以来、凍ったままだった堆積物が、いまやメタンガス――非常に強力な温室効果ガス――を大気中に噴出しているのだ。本書は北極の現状に関する正確な報告書であると同時に、北極海氷の消滅によって世界が直面する脅威をタイムリーに思い起こさせてくれるだろう。

 

・ワダムズ博士は、海氷研究に新たな視点を取り入れてきた。海洋の波が海氷の成長にも消耗にも影響すること、面積的な広がりは安定に見えても暑さの変化が進行していることを潜水艦による調査から明らかにした。世界には多くの海氷研究者がいるが、潜水艦で自ら氷の下を訪れた研究者はほとんどいない。海氷の下の活動が本書には描かれている。

 

特に2000年以降、科学者の追随を許さないかのような、急速で多様な変化が北極で起きている。

 

・本書で、ワダムズ博士は、「われわれ人類に何ができるだろうか」と問いかけ、そして、「闘いのときが来た」と宣言する。迫りくる気候の変化をしっかり認識して、温室効果ガスの増加を減らすための生活や技術開発に取り組むよう、一般市民に呼び掛ける。北極に「さらば」と言わないための闘いを、本書は高らかに歌い上げている。

 

<青い北極海

・しかし、実際は変化していた。1976年と1987年におこなわれた潜水艦での遠征調査の計測結果を比較し、氷の厚さが平均して15パーセント減少している明確な証拠を初めて入手したひとりになれたのいは幸運だった。その調査結果は1990年の<ネイチャー>誌で発表している。それから10年徹底的な調査をおこなったところ、氷が薄くなったのが事実であるばかりか、1970年代と比較すると、実に40パーセント以上薄くなったことが明らかになった。劇的な変化が起こっているのは間違いなかった。

 

・現在では、夏にベーリング海峡から北極海に向かう船は、広大な大海原を目にすることだろう。その青い海ははるか北へとつながっているが、北極点の直前で行く手を阻まれる。だが本書が出版されるころには—―多くの人が予想しているとおりに――

 

<北極の海氷の未来――死のスパイラル

つぎは海氷になにが起こるのか?

・優秀かつ穏健な地球物理学データ分析官アンディ・リー・ロビンソンは、急速に減少する北極の夏季の氷量は消滅に向かっていることと、それ以外の時期も減少傾向にあることを、北極の氷量データは非常に明確に示していると指摘する第一人者といえるだろう。

 

・氷が薄くなっているため、海氷面積のデータだけを見て予想していたよりも、氷の減少が急ピッチで進行しているようだ。

 

しかし、いまではこの作業を実行するために設計された人工衛星が存在する。それはクライサット2号という名の衛星で、2010年に欧州宇宙機関が打ち上げ、「フリーボード」と呼ばれる喫水線より上に出る氷の高さをレーダー高度計で測定する。レーダービームが氷の表面に反射して戻ってくるまでの正確な時間を計測することで、フリーボードがわかるのだ。そして既知の氷の厚さと積雪量に基づく換算係数を適用して、フリーボードから氷の厚さを算出する。

 

・ボールダーのNSIDC(米国立雪氷データセンター)所長でもある氷河学者のマーク・セレズは、これを見て、“北極海の死のスパイラル”と命名した。

 北極海の死のスパイラルを目にすれば、おのずと夏季の北極海氷は長く保たないと気づくだろう。減少傾向によって夏期の氷量はゼロに近づき、2016年は9月と10月の氷が、2017年は8月から10月の氷が、2018年には7月から11月の氷が消えるだろう。このような傾向線は2016年には氷のない期間が2ヵ月、2017年には3ヵ月、2018年には5ヵ月になると予想している。残る7ヵ月もそれよりはいくらか時間がかかるといはいえ、どの時期も加速度的な勢いで死のスパイラルの中心へ向かっていくことは間違いない。

 

科学者が“消滅”という言葉を使用するときは、広大な氷の大半が消え去り、アメリカ大陸からユーラシア大陸まで北極海が開水域となることを意味する。当然、小さな氷は残存しており、特に沿岸部や北西航路などの航路には100万平方キロメートルかそこらの氷は存在するだろう。だが、主要な氷は消滅している。つぎの章では、我々が感知できる北極のフイードバックはすべてその方向を指しており、夏期の海氷が減少する傾向を遅らせるか、あるいは阻止できる対策は存在しないことを説明しようこれは北極点にとって最初の重要な一歩となり、氷のない9月へ至る道は、氷のない北極へ至る道と同義だという意見が優勢となるかもしれない。

 

近年加速する一方の減少傾向に寄与する要因を思いだしてみよう。多年氷はほとんど姿を消した。そのうえ北極の大気循環に突然変化があったとしたら、北極ではもはや新しい氷が翌年や2年後に充分な厚さとなるまで成長することができなくなったということだ。また夏期に氷がないと水温は上昇しつづけ、秋になっても氷結が遅れるうえ、いま存在する氷も高い水温と波の影響のために崩壊する危険が高まる。

 

<すでに転換点を越えたのだろうか?

・近年、“ティッピング・ポイント(転換点)”という概念が広く知られ、気候とは無関係の分野でも使われるようになったため、言葉の定義が非常に曖昧になっている。わたしは厳密な定義にしたがい、ある一定のレベルのストレスを与えられて以前の状態に戻ることは不可能となり、ストレスが排除された新しい状態へ移行することを、ティッピング・ポイントを迎えたと表現する。

 

北極の海氷はティッピング・ポイントを越えたのだろうか。わたしは以下の理由から超えたと考えている。

 北極圏では冬期の多年氷が年を追うごとに減少していることが判明している。気圧場の影響もあり、いま氷は広大なポーフォート循環のなかで長期間循環するよりも、形成域からすぐに北極海盆の外へと流される傾向が強い。この傾向が今後も続くのであれば、広大な海氷は年々完全に融解する地域が増大するだろう。なぜなら以前に比べて1年氷が成長するのに時間がかかる一方、融解は急速に進み、水温が高い地域が広がることで氷のない状態が毎年恒例となるからだ。

 

・仮に二酸化炭素排出量が突然減少したとしても、気温は長期間、ことによると数十年も低下しない可能性も考えられる。水温はいうまでもなく。

 

こうしたすべてが現実に起こることを、どうすれば我々人類は認識するのだろうか?

・意気阻喪させられるうえに理解できないのは、フィールドワークをおこなう科学者がデータに対する態度を変えることだ。わたしが若かったころは、北極圏で起こる現象の観測・測定結果は自動的に正当だと受けとられ、観察傾向から導きだした推論もそれが予測を立てる最善の選択だとみなされていた。少なくとも、短期間はそのとおりのことが起こっていた。ところが現在はもはや事情が違うようだ。観測結果に基づいた予測が、主に気候モデルを研究している科学者に警鐘を鳴らすような内容であると、それを黙殺し、かわりにすでに不完全だと判明しているような、コンピューター上の気候モデルの予測結果を採用する科学者が存在するのだ。

 

氷の後退がもたらす当面の影響――北極圏の航海

・未来の北極圏、特に夏期は、現在よりもはるかに氷量が減少することは明らかだ。つぎの章では、氷の後退が気候システムに計り知れないほど重大な意味を持つこと、そしてそれが引き起こしたフィードバックの結果として起こりうる大惨事について説明しよう。しかしながら、氷の後退は人類の2種類のありふれた営利活動、船舶航行と石油探査にも影響をおよぼすのは間違いない。

 氷が少なくなった北極圏の航海には3種類の新しい可能性が考えられる。アメリカ大陸の北方を通過する北西航路の商業利用、ロシアの北方を通過する北極海航路の商業利用、そしてベーリング海峡とフラム海峡を結ぶ、真の北極横断航路の開発だ

 

・現在では北西航路航海はことさらめずらしいことではなくなっているが、貨物輸送に利用される様子はない。

 

・それに対して、ロシアの北方を通る北極海航路(NSR)は経済的に成功を収めている。地勢は遥かに単純だ。なんらかの理由で夏期に氷が北方へ後退したため、大陸海岸線に近い入り組んでいない航路が航行可能となった。現在のいちばんの難所はシベリア北方に位置するヴィリキツキー海峡だ。そこから海岸線が北方へ曲がるうえ、ノヴォシビルスク諸島が行く手を塞ぐので、夏中氷のたまり場となることがあるのだ。

 

つまり我々人類は、夏期ならばすでに信頼性の高い北極横断航路をひとつ手に入れており、もうひとつも道半ばといえる。最終的な目標は、さらに氷が後退するかどうかによるが、真の北極横断ルート、つまり北太平洋からベーリング海峡を抜けて北極圏を横断し、フラム海峡経由で大西洋へ出る航路の実現だ。それが実現すれば、途方もない節減が可能となる。

 

氷の後退がもたらす当面の影響――石油と海底

・氷の後退がもたらす当面の影響としては、北極圏での石油探査が従来よりも盛んになることが考えられる。つい最近まで、石油探査はほぼ浅海にかぎられていた。

 

・しかし石油探査は、石油の成り立ちも考えても、より深い海域へと広がっていくのは必然である。北極圏以外では、水深1800メートルの掘削施設、「ディープウォーター・ホライズン」で大災害を引き起こしたメキシコ湾や沖やブラジル沖のように、深海での掘削が進んでいる。現在の石油業界は、北極海の浅海や定義が明確な大陸棚を通り越して。深海に目を向けている。しかしここで産業界と政治が衝突するのだ。北極海について、まだ合意に至った海洋法は存在しない。原則として、海岸線から200キロメートル以上離れた海域は公海とみなされ、国際海底機構の管轄となる。

 

面倒なのは、北極には果てしない法廷論争になりかねない問題、ロモノソフ海嶺が、存在するのだ。この海嶺はグリーンランド島とエルズミーア島の国境線上で始まり、北極点近くを通ってシベリア大陸棚に達する。そのため、ロシアはシベリア大陸棚の延長とだと主張している。カナダとグリーンランド島の国境線上から始まるため、カナダとデンマークも権利を主張している。しかし、それ以外の国では公海とみなすべきだとの意見が主流だ。

 

原油流出とその対処法

北極の環境が海底噴出による原油流出の脅威にさらされていることは広く知られている。米国学術研究会議の委員会でも、わたしも作成に参加した原油流出に関する報告書が発表された。我々は海底噴出が起きたら、それを除去する方法は発見できていないとの結論に達した。

 

・もしも北極で1年間続く流出が起こったとしたら、氷の後退は実に悲しい結果をもたらすだろう。1970年代に想定された流出事故のシナリオは、原油は氷のサンドウィッチとなって北極海内を漂流し、夏になると氷原から分離して氷縁が融け、夏期の氷の周囲に原油が浮かぶというものだった。だが将来は、夏期は氷が消滅しているだろうから、そもそも氷縁など存在しない。原油が混入した氷はすべて融解し、流れでた原油は遮るもののない北極海の開水域全体に広がるだろう。与えるダメージも除去の費用も莫大なものとなる。

 

・最後に密接な関係がある問題を指摘して終わりたい。氷の後退によって、北極海の海洋生態系が変化している。春期の水中の光のレベルが格段に上昇したことで、プランクトンが従来よりも早い時期に大量に発生し、それにより新たな漁場が出現する可能性がある。海洋生態系がどのように変化するかを予想することは難しいが、海氷の後退が時期的にも地理的にも漁船の活動範囲を拡大し、それがなんであれ生物資源の利用を可能にしたことはたしかだ。

 

今世紀に氷の後退がたどるだろう道

・今後開水域が登場する時期がどのように変化するかを予測するのは、気候モデラーにはきわめて難しい。主な理由は、情けないことにほとんどの気候モデルは夏期の北極海氷の現状を再現することに失敗しているからだろう。これまでは9月の北極から氷が消滅するのはいつかという問題に激論を闘わせてきたが、いまとなっては関係者の興味はもっと重要な問題に移っている。北極の海氷が季節を問わず後退するときは、どのくらいの速さで、どのような形で訪れるのか、だ。死のスパイラルが示すところによると、わずか数年で9月の海氷は消滅し、氷のない季節が基本的には7月から11月の5ヵ月に拡大する。しかしそれで終わるのだろうか。

 

1年中氷が存在しない北極海を想像するのは難しいが、死のスパイラルから予測できる冬期の最終的な状態はそれしかない―冬期の氷量もらせんを描いて徐々に内側に向かっていくのだ。

 真冬にも氷が存在しない北極海は、周期的に氷が存在する北極海とは、海水の循環サイクルもまったく異なるだろう。今世紀中にその事態を迎えるかもしれないが、そのころには地球にさらに劇的な変化が起きて、人類が居住できなくなっている可能性もある北極海氷の後退が原因か、少なくとも関連があるそうした変化については、つぎの章で説明しよう。また、我々はすでにこの惑星へ多大なダメージを与えてしまったことを認識しなくてはならない。夏期のシベリア大陸棚にすでに氷は存在せず、それにより大量のメタンガス噴出という脅威が生まれたことについては第9章で述べたい。

 

 

 

『日本3.0』   2020年の人生戦略

佐々木紀彦  幻冬舎   2017/1/25

 

<ガラガラポン革命のキーワードは、「移動」と「下剋上」だ>

・2020年の東京オリンピックは団塊世代の卒業式となる。その後は、リスクを恐れず、挑戦する30代にチャンスが来る。大きな成功を掴むのは、デジタルとアナログ、世界と日本、地方と東京、大企業とスタートアップといった境界線を越えていける人間だ。

第3のガラガラポン革命を引き起こす「10のファクター」

・明治維新と敗戦という2つのガラガラポン革命により生まれ変わった日本。では、「第3のガラガラポン革命」はいつ起きるのでしょうか。

「第1のガラガラポン革命(18687年)」と「第2のガラガラポン革命(1945年)」は、およそ70〜80年の周期で起きています。その法則を当てはめると、敗戦70周年の2015年は、「第3のガラガラポン革命」が始まる節目になるのではないか、というのが竹内氏の見立てです。

・では、「第3のガラガラポン革命」において、何が「移動」と「下克上」を引き起こすのでしょうか。私は次の「10のファクター」が複合的にガラガラポンをもたらすと読んでいます。

(1) 年功序列の終わり

(2) 正社員と非正規社員の格差解消

(3) 男女逆転

(4) 外国人労働者の登用

(5) 難民

(6) 業界再編・伝統企業の倒産

(7) スタートアップの隆盛

(8) 第4次産業革命

(9) 交通革命

(10) グローバル化

<遂に平成にも身分改革と黒船がやって来る>

(1)の「年功序列の終わり」は、戦後のGHQによるパージと似た効果を生むはずです。今後は、先進的な企業ほど年功序列を廃止し、30代役員の誕生など若手の抜擢が進むでしょう。そうでないと国際競争に勝てないからです。政府は法律で「同一労働同一賃金」を徹底するなどして、その流れを後押しできます。

 また、「同一労働同一賃金」の推進は、(2)の「正社員と非正規社員の格差解消」にもつながります。これは明治維新によって打ち破られた「上士と下士のアンフェアな格差解消」と似たインパクトをもたらすはずです。

 安倍政権もすでに「年功序列の見直し」と「同一労働同一賃金」を政策メニューに掲げており、問題意識は十分持っています。

(3)の「男女逆転」は、一言で言えば、女性がどんどん地位と影響力を高めるということです。「男女逆転」社会がリアルになっていきます。

 法律の後押しもあります。2016年4月より、女性活躍推進法が施行され、労働者301人以上の大企業は、女性の活躍推進に向けた行動計画の策定などが新たに義務づけられました。欧州でのクオータ制(女性役員比率などを法律で義務づける制度)に比べると緩やかな政策ですが、企業社会での女性の活躍を多少は促すはずです。

<今後、既得権を失う「おじさん」と、時代の追い風をうける「女性」の出世争いが過熱していくはずです

・しかし、やっと女性登用の機が熟しました。女性の層が厚くなってきたのです。日本の大企業において、女性の総合職が一気に増え始めたのは、1976年生まれの“ナナロク世代”からですが、その世代が40歳を迎えました。

 この女性は、結婚、出産後も仕事を続けるのが普通です。多くの総合職の女性は、ワーキングマザーとして働く道を選んでいます。もちろん、保育園の不足や、家族のサポート不足により、ハンデを背負っている面もありますが、着々と存在感と実力を高めています。ビジネスパーソンとして一番脂がのっているこの世代の女性から、新時代のロールモデルが次々と生まれてくると私は確信しています。

(4)の「外国人労働者の登用」は、高度人材と単純労働人材の双方がありますが、まず優先すべきは、高度人材に日本に来てもらうための取り組みです。とくに、AIやソフトウエア開発など日本が弱い分野は、日本人だけでは世界競争に絶対勝てません。

・(5)の「難民」とは、ズバリ、北朝鮮と中国からの難民です。今後、北朝鮮の体制が崩壊した場合、数万人、数十万人単位で北朝鮮の国民が日本に押し寄せることもありえます。さらに、中国がバブル崩壊や権力争いで大混乱に陥った場合、中国人が日本に大挙してやってくるかもしれません。難民問題は日本にとって対岸の火事ではないのです。

<「第2の開国」で日本は浮かぶか>

・次にマクロな要因を見ていきましょう。

 まず(6)の「業界再編・伝統企業の倒産」はかなり高い確率で起きるでしょう。「失われた20年」の間に再編が進んだ業界もありますが、まだ手付かずの業界がたくさんあります。とくに、規制や言語や文化の壁で、世界との競争に晒されなかったセクターはその典型です。たとえば、建設業、流通業、農林水産業、メディアなどは、これから再編が本格化するはずです。都政の混乱からもわかるように、公的セクターの多くもいまだ昭和モードのままです。今後は地方議会不要論も出てくるはずです。特殊法人などを含む行政セクターも再編を強いられるでしょう。

・きっと今後10年の間に、有名企業の倒産がいくつも起こるはずです。

 業界再編が吹き荒れる中、(7)「スタートアップの興隆」も起きるでしょう。ただし、第3章で詳しく述べますが、スタートアップの過大評価は禁物です。日本はどこまでも大企業支配の国であって、スタートアップが成功するのは容易ではありません。

 ただ、死屍累々とはいえ、大企業や海外企業の力をうまく借りながら、急成長を遂げるスタートアップもいくつか出てくるはずです。

・そして、スタートアップを含む日本企業の大きなチャンスとピンチになるのが、(8)の「第4次産業革命」です。これも第4次産業革命とは、簡単に言うと、AI、ロボット、IOT(モノのインターネット)、ビッグデータの4つのテクノロジーがもたらすビジネス界の大変革です。

・(9)の「交通革命」は、まさしく、国内外の人の移動の流れが変わるということです。とくに注目すべきプロジェクトが2つあります。

 ひとつ目は、2027年始動予定の東京(品川)――名古屋間のリニア中央新幹線です。

 2つ目は、羽田空港の国際ハブ化、拡張です。

<南海トラフ地震>

・4つ目の「自然災害」の中で、もっとも恐れるべきは南海トラフ地震です。南海トラフとは、四国から静岡県の南の海底にある水深4000メートル級の深い溝のことであり、大規模な地震発生帯としても知られています。政府の地震調査委員会は、南海トラフ地震の発生確率を次のように予測しています。

・今後50年以内に90%以上

・今後30年以内に60〜70

・今後20年以内に40〜50

・今後10年以内に20%程度

・マグニチュード9.1とも言われる巨大地震が発生すれば、被害想定は、最大で死者32万人、被害総額は220兆円。もっとも被害を受けるのは静岡県で、10.9万人もの死者が出ると推計されています。地震が起きれば、国債も売り浴びせられ、財政危機も同時に到来するかもしれません。

<「日本3.0」時代は30代が主役になる>

・では、第3のガラガラポンによってもたらされる「日本3.0」の主役となるのは誰でしょうか。

 結論から言うと、今の30代だと思います。

 先ほど「2020年は団塊世代の卒業式」と書きましたが、卒業する団塊世代からバトンを受けるのが、団塊ジュニア以後の世代の「大人への入学式」でもあるのです。

・では、なぜ30代がカギを握るのでしょうか。それには主に3つの理由があります。

 ひとつ目に、30代は、いつの時代においても経験と無知のバランスが最適だからです。

<ナナロク世代の破壊力と新たな価値観>

・30代がキープレーヤーとなる2つ目の理由は、今の30代はそれ以前の世代と価値観が違うからです。おおまかに、1976年生まれあたりを分かれ目として、価値観に大きな溝があります。

 その最大の要因のひとつは、インターネットとケータイです。ナナロク世代は、若い頃から、インタ―ネットやケータイを当たり前に使いこなしてきた世代です。ネットが自然と体に染み込んでいるのです。

<団塊ジュニア、最後の「下克上」>

・最後に3つ目の理由として、30〜45歳の世代はとにかく数が多いのです。政治でも、経済でも、社会でも、やはり数は力です。

 これまで、日本で多数派を占めてきたのは団塊の世代です。2015年時点で、団塊の世代を中心とする60〜74歳の世代は約2600万人もいます。それに続くのが、団塊ジュニアを中心とする30〜45歳であり、人数は約2550万人に上ります。

・団塊ジュニアは、就職氷河期とバッティングしたため、就職などで苦労した人も多く、上の世代や社会への不満も大きいはずです。その構図が、昔の下級武士に似ているように思えます。

・2020年以降の「日本3.0」は、この世代が下克上を起こすチャンスなのです。

・上の世代と同様、30代は、先祖の遺産を食いつぶした無責任世代として歴史に刻まれるか、それとも、「日本3.0」をつくった祖として記憶されるか、その勝負をかけたチャレンジがこれから始まるのです。

<若いときに基礎を固め、よいクセを身につけておけば、それは一生の財産になるのです>

<ハーバードの最先端教養教育>

・ハーバード大、スタンフォード大ともに、伝統的に教養教育を重視してきましたが、近年、教育プログラムの大改革に踏み切っています。世の中が大きく変わる中で、時代に合った新しい教養教育を模索しているのです。

<安寧の日々が続くのもせいぜい2020年まで

・それに前後して、日本にほぼ確実に修羅場が訪れます。それは、数年に一度のものではなく、数十年、おおげさに言えば、100年に一度と言ってもいいインパクトのあるものとなるでしょう。

・2020年前後から始まる「日本近代の第3ステージ」、通称「日本3.0」は、これまでとはまったく異なる思想、システム、人を必要とします。

<ターニングポイントとなる「4つの節目」>

・とくに大きなターニングポイントになるのは2020年です。この年に日本は4つの節目を迎えます。ひとつ目は、東京五輪です

・2つ目は、安倍政権、アベノミクスの終わりです。

 予定通り、安倍首相は自民党の総裁任期を3年延長したことにより、2021年まで首相を続けられることになりました。安倍首相は五輪を花道として、遅くとも20201年には政権から去ることになるでしょう。

 安倍首相は、近年の首相の中では、稀に見るリーダーシップを発揮し、賛否両論があるものの、外交面を中心に実績を残してきました。その点は大いに評価できます。

 しかし、経済面では辛口にならざるを得ません。金融緩和はもはや燃料切れ。アベノミクスの「第3の矢」である規制改革もうまく進んでいません。このままでは、金融緩和、財政出動というカンフル剤が切れた後、日本経済は一気に勢いを失うでしょう。つまり、政府主導でGDP拡大を目指した「戦後型日本経済」もフィナーレを迎えるのです。

・3つ目の節目は、東京の人口減少です。

 成長の最後の砦である東京でも人口減少が始まります。最新の推計によると、人口減少のXデーは当初予定の2020年から5年延期されました。

2020年は団塊世代の卒業式

・そして4つ目の節目は、団塊世代の引退です。戦後日本の象徴であった「団塊世代」が、日本の主役から完全に引退するのです。いわば、2020年の東京五輪は、団塊世代の卒業式になるのです。

<「政界再編」。2021年までは安倍政権が続いたとしても、その後を担うリーダーたる人材がいません>

・一気に世代を飛び越えて、小泉進次郎氏がトップに立てば面白いですが、安倍政権以後、自民党は求心力を失い不安定になるおそれもあります。対抗軸となるべき民進党もまず復活の芽はないでしょう。(2020年まで存続しているかどうかすら怪しい)。となると、自民党の改革派、民進党の良識派、改革派首長などが合流して、新党を結成するシナリオを考えられます。その新党が軸となり、日本の政界が流動化する可能性は小さくありません。

 自民党の大幅な若返りか、第三極の新党結成か。このいずれかのシナリオに進まないかぎり、日本の政治はデッドロックに陥るはずです。

 

中国は高所得国への移行を目指しているが、部分的な民主化すらせずに、その移行を成し遂げた専制国家は存在しない。(3)

  • 2018.02.08 Thursday
  • 14:33

 

 

『あなたのすぐ隣にいる中国のスパイ』

鳴霞  千代田情報研究会  飛鳥新社  2013/4/6

 

 

 

・来日後の私は、大学や兵庫・大阪の中国語学校で教える傍ら、日本企業の通訳もしていたが、その折痛感したのは「日本人がいかに易々と中国人に騙されるか」である。

 

中国人学者たちの怪しい行動

・日本企業は「人権」「友好」「学術研究」という冠をつければ、技術も機密も公開、資金まで提供して丁寧に教えてくれると、中共政府は見くびっている。この状態こそ、日本が「スパイ天国」であると揶揄され、世界から嘲笑の的になっている理由である。

 

 中共は「スパイの21世紀的役割は、技術的遅れを埋め合わせる機密情報の入手」と規定している。国家として科学技術力が欠けていることを認識し、先進各国の先端技術を欲しがっている。しかし、先端技術を習ったり買ったりするような状況は想定していない。

 中共は、習うこと、または習うことによって入手した技術は古いもので、最先端のものではないという認識を強く持っている。

 

美女スパイの手口

・中国のスパイ活動といえば、すぐ「ハニートラップ」という言葉が浮かんでくる。女性を近づけて相手を油断させ、情報を取ったり、工作したりすることであるが、日本の橋本元首相や自民党の前総裁・谷垣禎一氏も、これに引っかかったのではないかという噂がある。亀井静香前国民新党代表は、自民党時代、中国を初訪問する際、後藤田官房長官に直々に呼ばれ「中国の女性通訳には気を付けろ」と注意を受けたという。実際、中国を訪れると、すこぶるつきの美人通訳が現れ、耳に吐息を吹きかけるように小声で通訳するので、非常に困惑したという。

 中国における「ハニートラップ」の歴史は古い。

 

・また、2005年に明らかになった駐上海日本国総領事館の男性館員が自殺した事件なども、現代の「中共によるハニートラップ」として記憶に残る事件だ。

 

・また、あるときは男性館員が犯したささいな法律違反(例えば中国では未婚の男女がホテルの一室にいるのは違法)を他の公安職員に摘発させ、自ら館員を助ける役を買って出た。その際に用いた中国語文書も存在しており、日本政府はこの文書を根拠として、中共政府に「領事関係に関するウィーン条約」違反として抗議した。

 

・古来、「英雄艶を好む」ということわざがある。為政者や事業家など、「精力的に仕事をこなす人々」は「女色を好む傾向が強い」というほどの意味だが、最近では、多くの日本人が「英雄」になってしまっており、それだけスパイの対象も増えていると言えなくもない。自衛隊や領事館員ばかりではない。企業の技術者や最先端の研究を担っている大学の准教授などもその対象であろうし、インターンの大学院生や国会議員の秘書なども「英雄」になってしまうのである。

 

また、ビジネスは「グリーンと銀座で動く」といわれたが、料亭での政治が姿を潜めると同時に、政治家も、夜の銀座に蝟集することが多くなった。つまり、銀座だけでなく六本木や赤坂など、夜の街は日本のビジネスマンのみならず政治関係の「英雄」も集う場所となっていったのである。そのような夜の街の異変が2011年2月15日の夕刊紙に報じられた。「中国の軍幹部令嬢らが日本で謎のクラブ勤め」という記事であるが、筆者もコメンテーターとして登場しているので、以下に要約を紹介する。

 中国人民解放軍の幹部らの複数令嬢が、東京の銀座や新宿のクラブに勤めていることが、在日中国人社会でひそかに話題となっている。金銭的に余裕があるはずだけに、その目的や真意について、「日本の政財界に特別なコネクションを構築している」から「スパイ説」まで、さまざまな憶測が飛び交っている。

 

・米国では、2009年だけで、米司法省が捜査に着手した中国絡みのスパイ容疑事件は、なんと400件を超えたという。

 

・最近は銀座でも赤坂でも、中国人の経営するクラブや中国人ホステスが少なくない。中国人のホステス専門の店ではなく、かなり老舗の名前の通ったクラブにも「中国からの留学生」と称するホステスがいることがある。

 

・今はなくなったが、麻生太郎氏が首相になる前、昵懇の女性が経営する「シュミネ」という高級クラブがあり、そこにも、長期間北京出身のホステスが在籍していた。高名な政治家が通う店であるから、政界関係者や官僚、企業経営者などが多く集まっていた。

 

もともと中国には「千金小姐」といって、どんな貧しい家の娘でも美人に生まれてくればカネになるという即物的な考え方があるほどなのだ。

 

・日本人の恥の文化に付け込むのが「ハニートラップ」の本質であり、同時に、これは日本のみならず、一夫一婦制を持つ数多くの近代法治国家の間で行われている、中共スパイの常套手段なのである。

 

嵌められても気づかない国会議員たち

世界のどこよりも簡単な日本政界工作

・2012年7月18日号の国際情報誌『SAPIO』に、衝撃的な記事が掲載された。ジャーナリストの山村明義氏の署名記事で、「お寒い事情、赤いスパイへの警戒感ゼロの野田民主党政権を中国への機密情報「筒抜け政権」と命名する」と題されていた。

 

・あまりにも無防備な事態に、日本に詳しい中国共産党のある幹部はこう嘯くのだ。「今の民主党政権は国家情報の危機管理意識が皆無に等しい。我々が日本人に近づき、日本の重要な情報を握るのはもはや難しいことではなく、裏の偽装すらする必要もない

 

・現実に昨年(2011年)7月から11月にかけて、同じ東京・永田町の衆参の議員会館で、中国国内からと思われる国会議員のメールがウイルスに感染し、外国への情報が送られたとされる「サイバーテロ事件」が起きた。

 

・ところで、ウイグル会議開催直前、在京の中国大使名でウイグル国会議員連盟の各議員に、会議への参加を見合わせるよう強く求める要望書が届いたのだ。これだけでも明らかな内政干渉だが、それはさておき、その配布先を見てみると、議員連盟に当時参加していない議員にまで届いている。逆に参加しているのに、抗議文が届かなかった議員もいる。調べてみると、ある時期に作成された名簿を元に送付されていることが判明した。

 では、なぜ中国大使は「日本ウイグル国会議員連盟」の名簿を知ることができたのか。

 

・国会議員には「行政調査権」というものがあって、それを行使すると国の機密資料を簡単に手に入れることができる。以下は伝聞であり、未確認のものであるが、国政に関することなのであえて公開する。まだ民主党政権になる前の話であるが、辻本清美議員の秘書から行政調査権を使ってある資料の提出が要求された。

 

・したがって、財務省の官僚は議員のところに資料を持って直接出向いた。ところが議員本人に面会したところ、そのような調査の依頼はしていないという。

 

・民主党政権下で、首相官邸に出入りできる人間が1300人に膨れ上がっていたというのだ。その中には「80人ほどの左翼的メンバーがいたり、前科一犯の人」もいた。

 

・まさに現在の日本の情報管理の甘さ、為政者たちの情報に対する認識の決定的な欠如を示していたとしか言いようがない。

 

<熱烈歓迎(訪中)の中身>

・彼らは手荷物をあけてみたりなど、すぐわかるようなことはしない。しかし、パスポートは、実は個人情報の宝庫だ。本籍地は当然だが、過去に中国や他の国のどこに滞在したかまで記録されている。中共はその個人の情報を得て、調査を始める。特に、事前に中国の他のどこかを訪れていた場合、たちどころにそのときの行動を調べ上げる。ちなみに、イスラエルの場合、外国人訪問者が希望すれば、入国のスタンプは押さない。イスラエルに敵対するイスラム国に行った場合、迷惑をかけないようにという配慮からだ。

 

・さらに、前もってホテルの部屋などに運び込まれた荷物は、歓迎会の間にすべて中身を見られていると思ったほうがよい。書類などは、コピーされていることが少なくない。

 

・シャワーを浴び、一夜を共にしたりすれば、彼女たちの行為はより完璧となる。当然その前の全裸で抱き合う画像も撮られているので、男性がスパイ行為に気づいて文句を言えば、それを持ち出される。中国の役人に泣きついても、基本的には無意味である。中国には「夫婦、親子以外の男女(外国人同士の場合は除く)が、夜11時以降、ホテルの同じ部屋にいてはならない」とする法律があり、法律違反で逮捕されかねないのだ。

 

2004年、自民党の山崎拓元副総裁と平沢勝栄議員が、中国の大連市で拉致問題解決のために北朝鮮の高官と交渉をしたことがある。この時、ここに書かれたような状況で、日本側の交渉の内容が事前に漏れていたということを、大連の『紡垂新聞』が報じている。このほど左様に、中国では十重二十重にスパイ網が存在するのだ。中国と一度でも関係した外国人はファイルが作られ、それが年々更新され、膨大なものとなっていく。

 

「合弁会社」での「地下党組織活動」

・中国には日本の会社が3万社ある。独立会社・日中合弁会社・日台合弁会社・日香合弁会社などであるが、それらの現地企業の中には当然「中共地下党組織」が作られ、情報収集のみならず企業が反中共活動をしていないかどうか、チェックし共産党中央に報告することを任務としている。

 

・筆者は、幼年時代から大学まで、中国の教育を受けてきたが、「南京大虐殺30万人」などということは一切教えられていなかった。なので、中国の教科書に「南京大虐殺」が載っていると知った時には、非常に違和感を持ったものだ。筆者のように外国に出た者は、まだ冷静なものの見方ができるが、そうでない場合、自分の働く日本企業を敵視し、「地下党」員として活動することになんらの痛苦も感じない。こうした工作を、中共は「文化戦」と称している。

 

・最近では日本に帰化した中国人だけで12万人を超えており、彼らには当然選挙権が与えられている。これに永住許可者を含めると、中共のコントロール下にある者の数は膨大で、実に恐ろしい動向である。では沖縄はどうか。永住外国人に参政権を与えようなどと言っているくらいだから、中国からの帰化華人の数など真剣に考えたことがないだろう。しかし、これは間違いなく脅威である。

 

日本の経済援助が中国のスパイ活動を巨大化させた

<中共スパイの原点は周恩来>

<南京大虐殺が1979年までの中国歴史教科書に一切掲載されていない不思議>

・まさに、外国人の目から見ても、当時の日本人の記録を見ても、略奪や殺人を犯していたのは中国兵のほうであり、日本軍ではないのである。

 それにしても、人口20万人の都市で30万人を虐殺するなど神様も不可能だ。

 

<中共は中国人のいる場所すべてにスパイを送り込む>

従って、全軍のなかで、スパイより高級なポストはなく、スパイより機密なポストはない。さらに、すぐれた知恵がなければ、スパイを使いこなせないし、人徳がなければ、よく動かせず、洞察力がなければ、もたらされた情報の真偽を判断できない。

 

 


■■■ 私が思うこと、聞いたこと、考えること ■■■

 

・人民元の国際化は着実にすすでいるそうですが、「人民元が基軸通貨になるか」という話は、不透明な要素が非常に多いといわれます。統制経済の要素が強くなりつつあり、開放的な面と閉鎖的な面を極端に併せ待つといわれますが、ネガティブな環境も増えてきているという説もあります。AIIB(アジア・インフラ投資銀行)も問題がでてきているといわれます。「民主化を達成せずに高所得国へ移行した国はない」と語られています。市場に「決定的な役割」を狙わせようとする「中国モデル2.0」の改革も疑問視されているといわれます。矛盾する概念だそうです。中国が民主化すれば米国との(核)戦争はありえないといわれます。イギリスは、昔から中国との関りが深く、情報機関もチャイナ・ウオッチャーが多く、チャイナリスクを正確にとらえているといわれます。

 

・英国の『エコノミスト』誌では、「2016年〜20年の間、日本経済の実質成長率は年平均1%、消費者物価上昇率は年平均1.1%にとどまるだろう」とみているようです。また「日銀はすでに、2%の「物価安定目標」を3度にわたって延期している。これまでの苦戦ぶりを見るかぎり、日銀はいずれ軌道修正し、この目標を放棄するだろう」とみていたようです。安倍総理自身もアベノミクスの失敗を認めたといわれます。経済政策も大きく修正していく必要があるそうです。2020年の東京五輪までは、景気は大きく減速することはないといわれていますが、東京五輪の閉幕後の経済状況が懸念されているようです。イベント戦略が、どの程度、波及効果があるのか予測は難しいようです。今後は上下水道などのインフラ整備や国土強靭化計画に財政投融資を重点的に振り向けていくことになるのかもしれません。人口減少高齢化の現象が大きく日本経済を直撃してくるといわれます。英国の『エコノミスト』誌によると「アベノミクスは、選挙で有権者の支持を獲得する効果はあったが、実際に経済に与えている効果は限定的で、当初の期待に応えられてはいない」と指摘されています。「円安誘導政策よりも円高誘導政策を採用すべきだというエコノミストもいるそうです。

 

・ソ連の崩壊も原因としては、莫大な軍事費による経済と国民生活の疲弊があったといわれます。1979年に、ソ連のブレジネフ政権が、アフガニスタンにソ連軍を侵攻させ、ソ連軍の駐留は10年に及んで泥沼化して失敗したといわれます。アフガン侵攻がソ連崩壊の一因となったようです。当時はソ連の社会主義を評価し憧れる知識人も多くおり、ショックを与えたようです。ソ連の崩壊後15ヵ国に分裂しました。またソ連の衛星国といわれた国々も独自の道を歩みはじめました。著者(宮崎正弘氏)は、それらの30ヵ国を旅行して、この本をまとめました。「ソ連崩壊から25年—―全体主義の呪いは本当に解けたのだろうか」という問いには、否定的です。ソ連崩壊後の、それらの地域は、混乱や大混乱に陥っているようです。例外的にエストニアが「サイバー国家」に変身しようとしていることが注目されています。さまざまな理論闘争は、現代において複雑化を呈しており、私たち一般人には、理解不能なことが多いようです。「新聞を読まない」「テレビを見ない」とかの個人的な情報の「断捨離」を実践する人々も増えていると指摘されています。

 

・第2次世界大戦に関する歴史を覆すような書籍も出たりしますが、あまりメディアには関心を持たれないそうです。過去の事実を詮索しても、真実をつかむことは難しいようです。現代においても、いわゆる「反グローバリズム」という動きが出てくるようになりました。世界中の歴史認識、国際情勢を個人的に把握することはできないともいわれます。「日本は諜報機関のない世界的にも珍しい国だ」といわれます。本格的な諜報機関がないと、世界情勢を先読みすることはできないと指摘されています。        

 

・著者(ハンス・ブリンクマン)はオランダ銀行に長く勤めていたオランダ人で、日本通です。このように外国人で、ビジネスで日本に長くいた人が書いた日本論は、稀のようです。「外国人の目」から見た日本は、「傍目八目」で、日本の遅れた面が強烈に映るようです。日本社会の遅れた面、非近代性、後進性、頭の古い面が予想以上に増えてきています。改革の速度も大変遅いようです。

 

・「遅れている」原因は、女性も含めて本当に優れた官僚や政治家が登用されてこなかったという説もあるそうです。社会問題にどのように関わっていくのかは、個人の選択にあります。外国人にテクノロジーだけでは「進んだ国」というイメージを与えることは様々な要素から難しいのかもしれません。人口減少高齢化の時代には「女性と高齢者の活用」「生産性の向上」が重要だといわれます。

 

・アメリカ人から「東洋の劣等」といわれ、「日本では娼婦やホステスが多すぎる」とも指摘されます。売春は最古の職業ですし世界的に今も盛んのようです。風俗関係の詳しいことは、私たち一般人は、門外漢です。日本人のセックス好きは世界的に悪名高いようです。世界の知識人から「エコノミック・アニマル」とか「セックス・アニマル」といわれ卑下され悪評ですし、一方的ですが国連での評価も低いと指摘されています。

 

・が、アメリカでも禁止されていても売春は盛んのようですし、1400万人の不法移民の大きな社会問題もあるようです。映画の西部劇でも娼婦の館がでてきます。インターネット時代でポルノのビジネスも大きいようです。セックスツアーも旅行業者の裏取引のようなものだそうですし、この世界では根強い需要と供給があるようです。今はどうなっているのでしょうか。より一層、潜行しているのでしょうか。

ちなみに、オランダは「飾り窓の女」が有名です。ウィキペディアWikipedia(フリー百科事典)によると「飾り窓とはオランダ、ドイツ、ベルギー等のゲルマン諸国、またそこから伝搬して地中海側でも見られる(見られた)売春の一形態、またはその施設」とのこと。

 

・アメリカの「レディ・ファーストの習慣」も女性が少なかった西部開拓の移民時代にできたといわれます。1400万人の不法移民が大きな社会問題で、ネットを使ったポルノ商売も凄いらしいですし、ネットに関わる様々な犯罪も、将来も急拡大すると懸念されています。不法移民の犯罪も大きな社会問題となります。サイバーテロやサイバー犯罪には今から十分な対策が必要のようです。中国やアジア諸国の「賄賂」についても非常に多くの話があり、あたかもビジネス慣行や商慣習のようになっているといわれます。ガストン・ブートゥールは「古来、人間が戦争を起こす理由はただ一つしかない」と言って、その理由を「若者が増えすぎることにある」と語られています。 一人っ子政策の歪み による3400万人の「男性余剰」の問題は、地政学リスクになっているといわれます。

 

・外国人の目からは「日本は恥の文化」といえるそうですが、「国辱的だ」と騒ぐ人も少ないようです。ユダヤの「シオンの議定書」というのがあり、その中で「3S(セックス、スポーツ、スクリーン)で大衆をして政治を忘れさせよ」というのがあると語られています。これもフリーメーソンの偽書といわれておりますが、大衆は大衆娯楽で政治に関心を持たせるなという支配者側の手法・論理だそうです。また「売春を黙認していると、社会に子どもの障害者が増える」という荒唐無稽な与太話もあるといわれます。

 

・「国民が政治を嘲笑している間は嘲笑に価する政治しか行われない」、「民主主義国家においては国民はその程度に応じた政府しか持ちえない」ということで、私たち一般人もしっかりと政治意識を高めて、日本の政治の近代化に取り組むべきでしょうか。国恥的なことを国際的に発信することはいかがなものかといわれます。

 

・フリーメーソンは門外漢の英国の大学教授にとってもタブーの不思議な題目だと指摘されています。「日本人が欧米人を特に英国人を理解できないのは、フリーメーソンが分からないからだ」とよく言われていますが、私たち一般人は、もちろんのこと、マスコミですら理解不十分だといわれます。

 

・「トンデモ本に」に分類される多くは、「荒唐無稽と思われる事」が多く書いてある本だそうです。「陰謀史観」といわれるものも理解不能の士が多いといわれます。

 

・「大衆は3S(セックス・スポーツ・スクリーン(映画等の大衆娯楽))で政治を忘れさせよ」とシオンの議定書の長老たちのようなことが、よく言われますが、私たち一般人は、いいように操作されているという説もあると語られています。

 

・太平洋戦争中は、『鬼畜米英』といわれたそうで、西洋近代史といわれても殺戮と残酷のイメージしかないそうです。外国から批判された「捕鯨問題」にしても西洋人にとって「東洋人は分かりません」ということで、同じく東洋人、特に日本人にとって「西洋人は分かりません」ということだそうです。イルカの虐殺で日本人が批判されましたが、西洋文化の思想として、イルカも動物としては高い知能があるという認識が背景にあると指摘されています。

 

・私たち一般人は、ヨーロッパの複雑な人種・民族問題には詳しくはありません。私がジプシーに興味があるのは「ジプシーは異次元の地下帝国アガルタの住民の末裔だ」という怪説があるからです。異次元のアガルタの住人の末裔がジプシーらしいのです。ジプシーはなぜ放浪するのか分からないそうです。ヨーロッパには定住したジプシーも多いようです。英国には10万人のジプシーがいるとも言われております。正確な人口統計がないそうなので、詳しいことは分かりません。ちなみに日本でも「サンカがアガルタの住民の末裔」という奇説もあったそうです。

 

・ソ連が崩壊したので多くの国に分かれましたし、東欧も内乱などで多くの国に分かれました。ヨーロッパのさまざまな人種や民族の区別や問題は、ヨーロッパ人しか分からないそうです。また人種問題は政治的にもタブーとされているそうです。ジプシーには昔から哀れなおぞましい話が多いそうです。ジプシーがヨーロッパで嫌われる理由は、「流れ者の民族で文化が違う」、「キリスト教徒ではない」、「コーカソイド(白人系)ではない」、「個人主義で決して地域に同化しない」ということだそうです。ジプシーの生態は私たち一般人には、まったく不明です。

 

・ナチスに虐殺されたジプシーは50万人とも100万人とも言われています。ユダヤ人ばかりではないのです。アーリア人種の優越を説きゲルマンの神々・異星人を信じたナチスは、アルデバランの「スメーラン」帝国の異星人とコンタクトがあったそうです。しかし、正確な人口統計がないため詳しいことは分かりません。現代でも放浪性があり、各国の政府や役所と問題を起こしているそうです。

 

・ちなみに原始の日本人も様々な宇宙人の関与により人間が創造されたといわれています。シリウス星人やリラ星人、プレアデス星人が原初の日本人の創造に関与したともいわれます。さまざまな人種や民族の原初には異星人が関与していたそうです。また異星人は人間の社会に紛れ込み、例えば「中世のドイツの領主は異人が多かった」という伝承もあるそうです。欧州は異星人の伝承が多くあるようです。ウンモ星人とかクラリオン星人とかさまざまなコンタクティの話があります。「米国政府がリゲル人に騙されたことに気付いた後、プレアデス人が招聘されたが、過去ヒトラーの人類浄化政策を画策し仏教を堕落させた」という説もあります。

 

・異星人はとうに地球を訪れていて、地球人社会にまぎれ混み、密かに地球と我々の文明を監視調査し社会生活をしているそうです。異星人の遺伝子の差が地球人の人種や民族の遺伝子の差となるのでしょうか。過去、未来、現在という時間の概念のない4次元の世界から、異星人は地球人に何を伝えようとしているのでしょうか。

 

・日本にも多くの異人の伝承があります。「源氏がオリオン星人の末裔で、平家がプレアデス星人の末裔である」という奇説もあるそうです。また「山野を放浪した明治時代のサンカは、ジプシーと同じようなアガルタの住人の末裔だ」という与太話もあるそうです。異人とのコンタクト・グループもあるのでしょうか。

 

・著者(古川修氏)はロンドン在住23年で、66歳。日本人向けの運送会社の社長だそうです。イギリス社会の日本人の目からの分析は鋭いようです。

しかし、ジプシーの事も含めてヨーロッパのことは、ヨーロッパ人にしか正確に分からないでしょう。イギリス社会は、あまりメディアに載りませんが、「EUからの離脱」以来、大きな注目を集めています。アメリカはイギリスから独立した国ですから、ほとんどの面で、イギリスの影響力があったといわれます。「メイソン結社員でないと商売がうまくいかない」ともいわれています。フリーメイソンリーの組織もイギリスが起源ともいわれます。オカルト的にもUFOや異星人の情報についてもイギリスは非常に興味深い国だと語られています。

 

 ヨーロッパに行くとスリや窃盗の被害に会うことが多いそうです。ヨーロッパの都市には、観光客を狙って様々な犯罪者がおり、特に日本人はカモになりやすいそうです。インターネットで、ジプシーの項目を見ると、おぞましい話が多いようです。もちろん成功者も少なくなく、映画俳優のチャーリー・チャップリンもロマ(ジプシー)出身です。ロマといえばヨーロッパでは極貧の民族の代表になっていると述べられます。日本人が知らないヨーロッパの側面がそこにあるようです。アメリカも犯罪者王国(刑務所にいる犯罪者数が世界最大)ですし、ヨーロッパなどの外国は、住んだり旅行するのには、リスクが多いといわれます。

 

・「イギリスから見れば、日本は今も桃源郷に近い場所」という話も、イギリスに住んだことがないので、よくわかりません。メディアには膨大な海外の情報が流れています。しかし、外国の生活状況は、国々にとって大きく違うと述べられます。海外に住む人も増えていますが、現地の人でないと分からないことも非常に多くて、生活していくのにはかなりのリスクを伴うと述べられます。

 

・中国のスパイの話はハニートラップのような古典的な手法が多いと語られています。人口大国ですから、大きなスパイ軍団を作るのは容易のようです。「中国人は国を捨てた人でないと信用ができない」という中国社会特有の国内事情があるそうです。やはり、中国人は、すべて共産党寄り、政府寄りの発言・行動をしないと共産党社会から拒絶、拒否されるからといわれます。反政府的な言動もタブーです。教条主義的で、原理原則に固執することが、世界的にも知られるようになりました。政治犯が非常に多い国ともいわれます。 サイバー戦争もスパイ機関が主導しているといわれます。「スパイ天国」といわれる日本も警戒していないと大変なことになると述べられます。共産党官僚がノーメンクラーツ(赤い貴族)と化し都市部 の民工、農村戸籍の人民などの「豊かさを制限する」と指摘されています。「共産党」が非常に強い権力を持っています。旧社会主義国では、秘密警察や情報機関が残酷で、独裁政権を維持していたと語られています。ソ連崩壊後のロシアでも民主化の動きも一時期あったようですが、諜報機関や秘密警察、公安警察に社会の動きが再び制限されてきていると指摘されています。暗殺もかなりあったそうです。ロシアでは「シロヴィキ」といわれる治安・国防関係省庁の職員とその出身者が勢力を持ち直し恐怖政治が始まっているともいわれます。「民主化」や「経済の再生」がうまくいっていない「不安定要因」のようです。

 

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・ブログ名称: UFOアガルタのシャンバラ

日本は津波による大きな被害をうけるだろう

・第2のブログ名称:UFOパラレル・ワールド

「神の国か?」「人類の原郷か?」 「天上のエルサレムか?」・・・・・・・・・

「パラレル・ワールドに住む宇宙人、天国に出入りし転生と憑依を自由に操るシリウス星人の殖民星が、地球か?」、「ネガティブのシリウス星人の地球支配があまりにも巧妙なので、しょっちゅう戦争が起こるのだろうか?」

「金髪碧眼のノルディックが住んでいたアガルタのシャン発表しましたバラ情報の集大成を目指す・・・・・・・・・・」「金星蛇人と火星霊人の戦争はその後どのように展開したのだろうか」
「日本民族の神話の原郷『高天原(たかまがはら)』は、『都市型の超巨大宇宙船』なのか!?」「平家がプレアデス星人の末裔で、源氏がオリオン星人の末裔なのか」
「小人族のグレイの母船に同乗する金髪碧眼のノルディックは、”悪魔の王””ルシファー”なのか?!」

「円盤は神人や異人、悪魔の乗り物なのか!?」「天使は神の秘密諜報員なのか」「神は最初のフリーメーソンなのか」

「UFOは、人類の歴史が始まって以来、最も重要な現象なのか。UFO問題とは、人間にとっての死の問題を解くことなのだろうか。UFOはフリーメーソンの創作なのか」

「全宇宙を創ったという“虹の神々”も地球に来ているのだろうか」

「イルミナティなどのフリーメーソン組織に入ると神に会えるのだろうか」「金星の神々は地球に到着するやいなや、イニシエーションのためのフリーメーソン本部を設けたのだろうか」

「国際連合の設立に動いたキリストの星、アプ星人とは」

「人は皆、記憶喪失の異星人だろうか」

「はるかに進化した天使のような宇宙人は、人間の守護霊や背後霊なのだろうか」

「セドナ上空に見えないエーテルのシティが滞空するのだろうか」

 

グーグルのブロガーにも書いています→UFOパラレル・ワールド

 

 

 

 

中国は高所得国への移行を目指しているが、部分的な民主化すらせずに、その移行を成し遂げた専制国家は存在しない。(2)

  • 2018.02.08 Thursday
  • 14:32

 

 

『あるオランダ人の「昭和ジャパン」論』

――不確かな平成から見た確かな昭和――

ハンス・ブリンクマン   ランダムハウス講談社  2009/10/8

 

 

 

<サラリーマン現象

・戦後の日本において根本的に変わったのは自然環境や都市生活だけではない。新たに生まれた「サラリーマン」という就労集団により、日本の経済は大きく成長しようとしていた。月給取り(salaried workers)はどこの国にもいるが、「サラリーマン」は日本だけにしかいない。月給取りとサラリーマンは似ても似つかぬ代物だ。だから「サラリーマン」という言葉は、れっきとした日本語なのである。

 

・アメリカやヨーロッパでは、月給取りとは雇用契約を書面あるいは口頭で交わした人のことで、彼らの年齢は様々だ。契約は雇用主が解約する場合もあるし、

その逆の場合もある。しかもそうした解約はしばしば起こる。一方、戦後昭和のサラリーマンとは、高校もしくは大学卒と同時に企業に就職し、終身雇用が保障された就労集団だ。

 

・それでもこの奇妙な「現代版奉公契約」とも呼べるサラリーマンの健気な勤労態度は、昭和の日本を象徴する不朽のシンボルとして懐かしく語られる。

 

<日本の職場は今も昔も「和」とそこから導かれる「平等幻想」に重きがおかれてきた

・勤勉で職場の和を乱すことのない人物だったら問題なく昇進できた。上層部の役職は別として、年功序列のおかげで昇進は能力に関係なく約束されていたので、初めは少ない給料も確実に増えた。

 

<サラリーマンは近視がち?>

・サラリーマンという職業はかつてもっとも望ましい職業とみなされ、中流家庭出身の若い女性たちは競って有望な独身サラリーマンと結婚したがった。日本の復興と高度成長に貢献し、豊かな中流層の台頭をうながしたのがサラリーマンだったといえよう。

 

<文明の衝突を避ける>

・私が働いていたオランダの銀行には三つの日本支店があり、管理職に就いていたのはオランダ人駐在員だったが、残りの行員は日本人だった。

 

・そこで役だったのが番頭制度だった。おそらく19世紀末以降、日本で商売をする外国の貿易会社などもこの制度を活用していたにちがいない。番頭には執行力をともなう権限はなかったが、管理職側からも従業員側からも信頼されていたので、いわば組織の長とみなされた。

 

<日本の柱――労働者たち>

・日本の農村部はこれまで政府から特別の待遇と保護を受けてきた。政府与党の権力維持にとってそうした農村地域は重要な票田であり、自民党議員は米作農家への補助金を約束することで、農家の票を確保してきた。

 

・あの頃、農村部と都市部の票はほぼ同等だった。その後、何度か調整はされたものの、適切な比率に及ばない。現在の農村部における一票は都市部のおよそ三票に値する。一、二度あった、長続きのしない政権交代を除き、ほぼ半世紀にわたり自民党が権力の座についていたのも、このおかげだったにちがいない。

 

<まずサービス、それから睡眠>

・高度経済成長期、工業地帯や都市部では、いわゆる労働倫理の考えが広まり、単純作業労働者も含めたすべての労働者に対し、常に「身体を動かす」ことや「完璧さ」を求める傾向が強まっていった。これは今でも変わらない。

 

・ヨーロッパが過去40年ちかく大量の外国人労働者を受け入れた理由は、暮らしが豊かになるにつれ自国の人間が単純労働に従事したがらなくなったからというが、日本人にはそうした労働に対する躊躇のようなものがないようだ。

 

<セックス・アンド・ザ・ジャパニーズ>

<取り繕った表情の裏には・・・>

・ビジネスマンや官僚が手軽で、後くされのない遊び、たとえば、昔の赤線地帯で愉しめたような、酒と女が主体の遊びのようなものを好むようになったため、芸者遊びはすたれていったともいわれている。1956年、売春防止法が制定され赤線は廃止されたものの、当然のごとく売買春は法の目をかいくぐって、時にはもっといかがわしい手段をとるようになっていった。

 

<温泉でのハプニング>

・外国人ということに加え、禁欲主義的な上司のおかげで、私自身は「洗練された好色な愉悦と遊戯」を体験する機会にあまり恵まれなかったものの、一度だけ例外があった。日本の某鉄鋼メーカーとの設備投資に対し、私たちの銀行が5年間のローンを提供したところ、お礼ということで九州の温泉旅行に招待された。銀行と鉄鋼メーカーの日本人と外国人の混合グループは飛行機で出かけた。山間の旅館に到着すると、さっそく大きな畳の間で宴会がはじまった。都会の洗練された芸者よりいくぶんか劣る地元の温泉芸者は、酒やウィスキーやきわどい冗談をしつこく勧めてきた。

 

・無邪気で無害な楽しい宴会は、あっという間に乱痴気騒ぎと化した。ひとり、ふたりと芸者の身体を触りはじめる者が現れ、相手を見つけるとただちに連れ立って各自の部屋へ退散しはじめた。あれほど紳士然としていた同行者たちがこれほど急激に豹変するとは、まったく驚いてしまったが、私も負けじとばかり、豊満な身体の田舎娘と一緒に風呂に浸かることにした。

 

・彼女の魅力は始めから終わりまで笑顔を絶やさなかったことぐらいだ。出された食事はまあまあだったし、全体的な雰囲気も官能的と言うより家庭的であったが、私としてはせっかくの週末を無駄に過ごしたと後悔した。それよりむしろ、銀行と顧客の健全であるべき関係に、明らかに好ましくないセックスのサービスが持ち込まれたという事実に私は苛立ちをおぼえた。

 

・こうしたいかがわしい乱痴気騒ぎも、当時だんだんと広まっていった企業ぐるみの海外セックスツアーに較べれば、微罪にすぎなかった。そうしたツアーの最初の行き先は台湾だった。現地の人が日本人男性や日本語に慣れているということで、北投温泉などへ出かけた。

 

・セックスツアーが盛んになるにつれ、各地で人権運動家たちは抗議のデモを展開した。しかしそうした抗議にも屈せず、80年代から相も変わらず日本企業のセックスツアーは執拗に続き、衰えることはない。

 

・「この問題の核心は、セックスツアーが公認のビジネス慣行のひとつとなってしまったことだ。企業はアルコールのようにセックスを接待や社員の慰労目的のために使っている」

 

・日本のビジネスマンだけが仕事の付き合いでセックスを利用していた、あるいは今でも利用しているわけではない。他のアジア諸国もビジネスにセックスをよく持ち込むといわれているし、アメリカやヨーロッパで生じる大スキャンダルを見ても、疑わしい取り引き(すなわち賄賂)のためにセックスを手段として用いることがしばしばある。しかし、日本がよそとちがうのは、集団で行うという点だ。

 

・たとえば2003年9月に起きた事件などはその典型といえよう。中国の珠海の5つ星ホテルが地元当局から営業停止処分を受けた。そのホテルで、5百人ちかくの地元の中国人女性が、16歳から37歳の日本人男性4百人を相手に売春行為を働いていたためだった。

 

<新しい日本女性>

・昭和の頃の日本の女性といえば「夫に仕えるおとなしい主婦」だった。それから、日本女性は目に見えて進歩した。男女同権を求めるだけではなく、結婚生活に不満があれば、ひと昔前に比べ今では離婚する傾向が強い。現在日本では、4組に1組が離婚するといわれている。2007年4月1日、離婚後も妻は夫の年金の半分を受け取ることが可能となる法律が施行された。この年金制度のおかげで「熟年離婚」は急増傾向にあるという。しかも離婚申請の9割は、妻からの三行半だ。退職した夫と46時中一緒にいることに馴染めないというのが最も多い理由らしい。

 

<もっとも重要な課題>

・本書では、おもに日本の社会と文化、そして多少の経済問題を中心に扱っているので、政治体制や政治家のモラルなどについての分析は不適当だろうし、私自身にはその力量も資格もないが、個人的な感想としては、日本の政治には緊急の大革新が必要だと思う。日本の政治にある程度明るい人間ならだれでも、政情の退屈さにうんざりしているにちがいない。

 

・その主な原因は制度を変えようという意欲がないからだ。2005年、衆議院(480議席)で新しく選出された国会議員133人の28パーセントは2世3世議員というのは、由々しき事とはいえまいか。さらに、その新米議員の平均年齢は52.3歳。国会における女性議員の割合も10パーセントに及ばず、経済協力開発機構(OECD)加盟国のなかでは日本は最下位から2番目だ(最下位はトルコ)。

 

<人口減少問題の解決策を模索し、そしてもっと啓蒙された政治をめざす。これが、日本の重要な課題だ。>

・世襲やジェンダーだけが政治改革の足枷になっているわけではない。統治の基本的なとらえ方そのものが問題だ。つまりそれは、政財界の大物が物事を決めるという文化から脱却し、有権者に対する開かれた議論へ移行することにより、日本は民主主義に対する本質的な信頼と理解を得ることができるだろう。

 

・既得権と政治的慣行が足を引っ張りあう現在の権力構造の内側から変わることは期待できない。それより、自らの洞察力を信じ、同世代の人々をまとめてゆける若者が、マンネリ化した現状を打開しなくてはならない。そうすれば、有権者の政治参加も刺激されるにちがいない。

 

 

 

『ガイアの法則』

 千賀一生  徳間書店   2010/1/30

 

 

 

 <シュメールの叡智と9・11テロ>

・それは、ロスチャイルドやフリーメーソン、あるいはアングロサクソンをはじめ、近代文明をリードした様々な世界的組織や財閥、あるいは民族は、そのルーツを探ると、基点となる場所がなぜか、ロンドンという一点に集中しているという事実であった。

  なぜこんなにもすべてがロンドンに集中しているのか。その裏に何かがあるような気がして私は、疑問でならなかったのである。

 

だが、同時にロンドンは、アングロサクソンの歴史の始まりの地でもあるイギリスやアメリカを作り上げた彼らは、もともとはドイツ人であったが、イギリスに移住してから、アングロサクソンとしてまったく別民族のように脚光を浴び、発展を続けた。彼らの中心地がやはりロンドンである。彼らアングロサクソンの国、イギリス、アメリカと言えば、言うまでもなく近代から世界をリードし続けた国である。

 

・と同時にロンドンは、様々な世界的秘密結社の歴史的本拠地でもある。「エホバの証人」や「モルモン教」をはじめ、多くの近代の世界的新興宗教団体の創始者は、これらの結社の一員であった経歴を持ち、まるで近代の世界的宗教の出生地もロンドンであるようにさえ見える。

 

・さらに言えば、ロンドンに拠点を構えて世界的に成功した経営者や企業は不思議なほど多い。なぜすべてがあの小さなロンドンに集中しているのか、私には何かありそうな気がしていたのである。

 

・私は、すべてがロンドンに集中する理由を、私たち一般人が知らない巨大な組織があって、その本拠地がロンドンにあるからではないかと最初は考えていた。しかし、それだけでは説明しきれないものがあることもわかっていた。もしかしたら、彼の言う『聖なるリズム』とは、その謎を解くカギかもしれないと思った。

 『聖なるリズム』とは何なのだろうか。

 

・我々の文明は常に天体の動きを観察し、それによってすべてを決する分明であった。これは我々の文明以前からの人類の叡智の蓄積なのだ。そしてその叡智は今も一部の人々の間に引き継がれている。天体の運行が生み出す『聖なるリズム』は、この世界にあるリズムを形成し、その焦点が結ばれる地は、生命が最も優位に活気づく地であることは我々は知っていた。かってのシュメールも、その焦点となる地であったのだ。

 

 

 

『秘密結社全論考』(上) 邪悪な仮面を暴け

ジョン・コールマン博士   成甲書房  2002/12

 

 

 

 <秘密結社の種類>

 秘密結社にも、二種類がある。

 第一種―完璧に闇の中にひそみ、一般大衆には全く見えない。

 第二種―表面的には公衆に公開されており、しかも多くの場合、高貴な存在とされているが、実体は秘密結社である、そのような組織。

 

 第一種の実例は、

 1、 イルミナティ

2、 300人委員会、など

第二種の実例としては、

 1、 フェビアン協会

 2、 英国国教会(アングリカン・チャーチ。日本では「英国聖公会」と称される)

 3、 MI5、MI6(英国軍事諜報部第5部、第6部)

 4、 イエズス会、及びローマカトリック・キリスト教会、プロテスタント各派

 5、 オクスフォード大学、ケンブリッジ大学

 6、 英国王立協会(これは全世界の自然科学の総本家、宗家のようなものとみなされている)

 7、 英国王室(ウインザー家)

 8、 ベルギー王室

 9、 オランダ王室

 

・コールマン博士が本書の中で論証しているように、16世紀の初頭、ベネチアの黒い貴族はアムステルダムを跳躍台にして、ロンドン(そしてブリテン諸島)を新しい世界首都たるべく設定した。その後の五百年、彼らの作戦計画は見事に成功し、実現していく。ところが、日本民族は、この英国(ロンドン、ブリテン)認識について二度、致命的な失敗をしている。

 

・英国が分からないので日本人は、西洋近代、つまり、われわれが直面させられている西洋なるものについては何ひとつ本当のことが分からない。惨めというか、悲惨というか、この状況は筆舌に尽くし難い。

 

・本書下巻に収録したコールマン博士の論稿(「イギリス王家がアメリカを奴隷化する日」)は、日本民族がよってもって英国の正体を調査研究する生死存亡を懸けた国家的作業の第一歩、その出発点となり得るであろう。

  

・幕末に始まった日本民族の英国(英米)研究は完全に百パーセント、売国学問奴隷による国賊的所業でしかない。そのことを本書の注意深い読者は容易に発見されることであろう。

  

・例外はないのだ。そう、たとえば夏目漱石は辛うじて例外であるかもしれないが、この御仁も、ただ漠然と英国にひそむ凶々しい悪魔の姿を遠くから見ただけに過ぎない、と筆者には思える。

 本書が、日本民族篤学の読書人、憂国愛国の士、ひたすら真実を求めてやまない好学の士にとっての精神の糧となることを切に祈る。

 

 

 

『適当だけどなぜか幸せなイギリス人 真面目だけど苦労が多い日本人』

古川修  大和書房  2003/6/5

 

 

 

<ジプシー物語>

ヨーロッパではジプシー問題は大きな社会問題である。

 

ジプシー自身がまとまった社会的発言力を持たないので、長い間差別され続けている。ナチスの大量殺戮で、ユダヤ人殺戮はクローズアップされるが、ジプシーの方は歴史の彼方で追いやられたままだ。

 

・スペイン、イタリア、フランスをはじめ旧東欧には大量のジプシーが放浪している。イギリスの場合はどれくらいの人数になるのか、よくわからないが相当数が散在していることは、間違いない。

 

・イギリスは広大な緑地が至る所にある。そこにキャンピングカーの集団がある日突然出現する。大きいときには何十台もの群れが一夜にずらっと並ぶ。これがジプシーの集団だ。ときには私有地や農場も占拠する。

 

・彼らは、定住しないので職業の幅が限定されてしまう。博労の仕事は今でもジプシーの専業であるが、他にも廃品回収業や移動遊園地の仕事をしている人たちも多い。移動するから専門職の仕事は得られないし、サラリーマンとして定職を得ることもできない。いきおい経済的には恵まれない。ましてや子弟の教育問題はもっと難しい。

 

・当然ながら全部が全部問題を起こすわけではないが、確かにいろんな悶着が起きる。

 

・キャンピングカーの集団が公園を占拠するわけだから、不都合が生じるのがあたりまえ。まず水道・電気をどうするか。汚水はどうなるか。ゴミはどうなるか。彼らは、何しろ子連れだ。

 

欧州だけでも1000万人のジプシーが移動しているという。これだけ大問題なのだが、どの国の政府も本腰を入れて対策を取っているという話を聞いたことがない。

 

・さきごろの欧州会議でジプシー代表が演説をした、という新聞記事を読んだことがある程度で、ほとんど表面化しない。それは集団としての発言権を持たないことが一番災いしていると思われる。

 

 

 

『イギリスから見れば日本は桃源郷に一番近い国』

信夫梨花  主婦の友社   2014/12/20

 

 

 

日本は桃源郷に一番近い国……勤勉かつ努力型の国民

・イギリスの、矛盾と秘密だらけの政治、家庭と教育の崩壊、エネルギー危機、スコットランドの独立騒ぎ………。そんな国から見れば、日本こそ世界一安定した桃源郷だ。

 

・ベストセラー『日本はイギリスより50年進んでいる』第2弾!

 

<信念の違いが明暗を分けた―戦後、日本に負けた戦勝国イギリス

・第2次世界大戦でイギリスは勝ち、日本は敗北に帰した。しかし、その後、両国の立場は逆転した。日本が50〜70年代にかけて、毎年、平均9%以上の驚異的な経済成長を遂げる一方、イギリスの国際競争力は低下し、輸出産業の世界シェアの60%を失った。イギリス国民の平均所得はヨーロッパ最低レベルとなり、「ヨーロッパの病人」と揶揄されるようになった。

 

・日本で国民皆保険が実現したのは1961年であったが、イギリスでは既に1948年に、保険料を支払わなくても全ての国民が無料で医療を受けられる国民健康保険制度が制定された。社会保険制度も整備され、一律の保険料を払えば、年収に関係なく、誰もが年金、疾病手当、失業手当、家族手当などを受給できるようになった。精神薄弱者、恵まれない子ども、障害者への生活手当も制定された。大戦後の住宅不足と都市のスラム一掃を目指して、100万世帯以上の公営住宅が建設された。

 

・1964〜70年の労働党政権のハロルド・ウィルソン首相の時代、社会主義制度はさらに充実した。彼は低所得者層の生活水準を引き上げることに一層、力を入れ、最貧困層100万人の所得税を免除し、失業手当や疾病手当の金額を引き上げた。

 

・これらの政策の結果、中産階級の手取り収入に殆ど変化はみられなかったが、富裕層の可処分所得は30%減額し、貧困層では100%の増額になった。こうして、イギリスは戦後、非共産主義国家としては、世界で最も社会福祉の充実した国となった。国民は「ゆりかごから墓場まで」不安のない生活を保障された。だが、この「結果が平等な社会」は国民の勤労意欲を奪い去った。

 戦後イギリスの所得税制は最高税率90%前後の累進課税で、これは80年代まで続いた。幾ら稼いでも手取りには殆ど差がなく、寧ろ稼げば稼ぐ程、存在をした。

 

英国病は産業革命の時代から始まっていた?

・英国病とは一般的に、千五の社会主義や国有化政策により、国民の労働意欲の低下と労働紛争の多発を招き、イギリスが国際競争力を失った1960年代以降の症状を指すものである。

 しかし、前にも述べた通り、イギリスの衰退は実は19世紀後半から始まっていた。

 

サッチャー:究極の時代が生んだ究極の政治家

・しかし、その後のイギリスには経済破綻が待ち受けていた。1976年、輸入に必要な外貨さえ枯渇するようになったイギリスは、国際通貨基金(IMF)に、同基金としては史上最大規模だった23億ポンド(3900億円)の融資を、ヨーロッパ先進国として初めて受けることになったのである。

 

・紛争は収まるどころか、さらに拡大し、全国150万人の組合員がゼネストを決行。学校や空港、老人ホームまでもが閉鎖に追い込まれ、鉄道もストップ。水道作業員のストで深刻な水不足になり、家庭では同じ水を何度も使い回さねばならなくなった。

 

・79年、首相に選ばれた保守党のサッチャーは、その後、多くの人に反発されながらも、大胆な改革を推し進めた。それは、彼女が70年代までの中途半端な政策による失敗を、うんざりするほど見てきたからである。サッチャーは究極の時代が生んだ究極の政治家だった

 

<日本企業が起爆剤:イギリス製造業のルネッサンス(再生)>

・日産のイギリスにおける成功は、その後の海外からの投資やイギリス企業買収の牽引役となった。『日本はイギリスより50年進んでいる』でも書いたが、今日、イギリスの株式市場で上場されている株の半分以上は外国の企業や投資家が所有している。これは世界にも類を見ない状況であり、もはやイギリスはイギリス人のものではない。

 

イギリスから見れば、日本は今も桃源郷に近い場所

イギリス国内に視点を移せば、この国の子どもたちの反社会的行為は目に余るものがある。ロンドンの街角で目にするティーンエイジャーたちが発する奇声や口汚さには、日本では経験したことがないような胸騒ぎや、時には身の危険のようなものすら感じることがある。

 そんな時、日本社会の整然とした空気や、互いのリスペクト、人々の丁寧な言葉遣いや態度を思うと、そこがやはり今も桃源郷に近い場所に見えてくる。日本人は今も、この本の冒頭のアーノルドの時代と同様に、日本が欧米に比べて遅れていて、変わらなければならないと焦っているだろう。しかし、そのために今の日本の平穏な風土が壊れることはあってはならないと思うし、今のまま変わらないで欲しいと思うのも事実である。それが文化的土壌に根ざすものであるならば、日本がそう簡単に桃源郷でなくなる日は来ないだろうと信じている。

 

<Things Japanese (日本的なるもの)の優れた資質を再発見する 

なぜ明治時代のイギリスの詩人エドウィン・アーノルドは日本を絶賛したのか

・私自身、日本に住んでいた時は日本社会の様々な様相に批判的だった。今、イギリスに14年暮らした私がサー・エドウィンの言葉を読むと、なんの躊躇いもなく、すんなりと理解することができる。明治時代の日本人がそうであったように、いまも日本人自身が自国について評価していないことだが、西欧からみれば真逆に見えることが幾つもある。前出の拙著(『日本はイギリスより50年進んでいる』)では生活に密着した立場から、それらを列挙した。この小著ではマクロ的な視点から、日本とイギリスの政治、経済、社会、教育に切り込み、日本人自身がマイナスであると考えていることが、イギリスから見れば必ずしもそうではないこと、そこに日本人も気づいていない、新たな意味や価値を探ってみたいと思う。

 

矛盾と秘密が嫌いな日本、矛盾と秘密だらけのイギリス

生真面目な日本の憲法論争と憲法のない曖昧なイギリス

・2014年9月現在、イギリスの失業率は6.2%まで下がっている。EUの報告によれば、イギリスの失業手当の申請者全体のうち、EU移民が占める割合は3%未満であり、原則、イギリスの住民であれば、無料で治療が受けられるイギリスの国民健康保険の全予算のうち、学生や就労者の家族を含む「働いていない」とされる60万人のEU移民が利用している比率は1%程度でしかない。

 

・日本では曖昧にすることへの嫌悪や危機感がとても強いが、成文憲法も持ち合わせず、ヨーロッパの下で主権も脅かされているイギリスと比べれば、まだ何も失ってはいないといえよう。

 

<イギリスの政策は矛盾だらけ>

・このところ、イギリスの政治関連のニュースには、「Uターン」という言葉が溢れている。それは文字通り、一度、諦めたはずの政策を復活させることで、大抵は180度の方向転換を意味する。『日本はイギリスより50年進んでいる』でも、二大政党制がイギリスの政治に短期主義をもたらし、長期的視野が必要な諸問題が一向に解決されない要因でもあると述べた。Uターンは、イギリスの二大政党制の規範となっており、善くも悪くも、国民もこうした混乱に慣れっこになっている。それはイギリスの政治と社会の宿命といっていい。

 

現実世界もミステリーに満ち溢れるイギリス

・1999年にイギリスに来て以来、この国で、さながらスパイ映画かミステリー小説のような出来事が、次から次へと現実に起こるのを見てきた。

 例えば、2006年、ロシアの元スパイ、アレクサンドル・リトビネンコが、ロンドン中心部のホテルで放射性物質が混入したドリンクを飲み、3週間後に亡くなった事件があった。今もその真相は闇のままだ。

 1997年に突然、自動車事故で亡くなったダイアナ妃にまつわる事件やスキャンダルも、未だに後を絶たない。

 

・フィクションというのは実際に起こった出来事にヒントを得て書かれていたりするものだが、イギリスがミステリー小説の宝庫であるのも、誰もが想像力を掻き立てられずにはいられない事件に満ち溢れているからだろう。

 

イギリスは世界一の秘密国家

・1909年に設立されたMI6は、007シリーズの映画には登場していたものの、正式にその存在が世間に明かされたのは、1994年のことである。それまでは公の場でイギリスを代表する者は、その存在を聞かれても、知らぬ存ぜぬを通さなければならなかったという。

 

最も知られたくない秘密を灰に帰したイギリス

・イギリスの為政者のDNAには、秘密主義がしっかりと埋め込まれていると言っていい。何十年も経って事態が風化し、その情報で誰も動揺したり、傷ついたりしなくなるまで待つのだ。イギリスはそうやって生き延びてきた。だが、秘密にするだけではなく、その前に消されていく事実もある。

 

イギリスに運び込まれた監視ファイルは、200メートルの書棚を埋め尽くすほどの膨大な量だったが、イギリスにとって最も見られたくない書類はその前に焼却され、証拠が全く残らないよう、灰さえも粉々に破壊されるか、或いは海底に沈められたという。

 

・日本が鎖国をしている間を含めて、イギリスは16世紀からずっと世界を荒し回ってきた。そこには数え切れない武勇伝とともに負の遺産もあるはずだが、イギリス人の多くもそれらを殆ど知らないし、知る機会もない。日本でも事ある毎に、政府が何か隠しているとか、政策が矛盾しているといった批判がなされるが、それらにかけて“プロ”のイギリスからみれば、日本が素人にすら見えてくるほどである。

 

 

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